全国で初 「緊急銃猟」によるクマ駆除 仙台
2025年10月15日午後6時49分
(2025年10月15日午後7時22分更新)
クマ被害
自治体の判断で市街地などでの猟銃の使用を可能とする「緊急銃猟」によって15日、仙台市でクマ1頭が駆除されました。環境省によりますと、「緊急銃猟」による駆除は9月に制度ができてから初めてだということです。
仙台市によりますと、14日夕方、仙台市太白区の住宅街の林にクマ1頭が現れ、その後も同じ場所にとどまりました。
このため15日朝6時前、周辺の道路を規制したり住民に注意喚起を行ったりして安全を確保したうえで、市が「緊急銃猟」の判断を行い、クマは銃で駆除されました。
けが人はおらず、周辺の住宅などへの被害も確認されていないということです。
「緊急銃猟」は、一定の条件を満たした場合自治体の判断で市街地などでの猟銃の使用を可能とする制度で先月設けられました。
環境省によりますと、「緊急銃猟」による発砲で駆除が行われたのは全国で初めてだということです。
「緊急銃猟」までの経緯
仙台市によりますと、14日午後5時ごろ、仙台市太白区の住宅街の林で、クマを目撃したと住民から通報がありました。
市の職員や警察などが現地で調査を行ったところ、林の中でクマ1頭がとどまっているのが確認され、午後7時ごろに麻酔銃による緊急銃猟が検討されました。
ただ、クマが茂みに隠れていたことやすでに日が暮れていたこと、それに麻酔が効く前にクマが移動した場合、住宅街では安全が確保できないとしてその時点の緊急銃猟は見送られました。
市や警察は現場で警戒を続けるとともに、14日夜から周辺の住民に緊急銃猟を行う可能性があることを伝え、外出を控えることなどを呼びかけました。
そして、夜が明けた15日午前5時半ごろクマが同じ場所にとどまっていることを担当者が確認しました。
このため、市と警察は危険性があると判断し、周辺を交通規制した上で住民に屋内避難を呼びかけました。
そして、午前5時55分、市は緊急銃猟の実施を決定し、午前5時57分に地元の猟友会のメンバーが銃でクマを駆除しました。
近くに住む人は
現場近くに住む女性は「前日に区役所から銃声が聞こえるかもしれないと聞いていました。朝、仕事の準備をしていると何かが落ちたようなドンという音が聞こえました」と話していました。
その上で、「このあたりは車の通りも少ないので、子どもを散歩させるなど外にいることが多いのですが、クマが出てしまうと気軽に散歩にも行けないなと思います。怖いので、しばらくは家で過ごそうと思います」と話していました。
14日の夕方に、雑木林の中にいるクマを目撃し、警察に通報したという70代の男性は「玄関を出てちょっと見回したら黒いものが見えて、身を乗り出してみたらクマの頭と背中の部分が見えました。クマはおとなしくこっちに向かってくることもなかったですが、撃たれたことは行政が判断することで、仕方なかったと思います」と話していました。
Posted at 2025/10/16 00:34:19 | |
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