スーパー コメ平均価格値上がり ブレンド・輸入米販売の動きは
2025年11月7日午後5時16分
(2025年11月7日午後6時35分更新)
コメ
全国のスーパーで今月2日までの1週間に販売されたコメの平均価格は、前の週より27円値上がりし、5キロあたり税込みで4235円でした。値上がりは2週ぶりで、新米の販売が進むなか、コメの価格は高止まりが続いています。
こうした中、各地でどのようにコメを売ろうとしているのか取材しました。
目次
3項目
輸入米の注文が増加 都内の専門商社
栃木 スーパーでブレンド米の販売増
農林水産省は全国のスーパーおよそ1000店でのコメの販売価格をまとめ、毎週、発表しています。
それによりますと、先月27日から今月2日までの1週間に販売されたコメの平均価格は5キロあたり税込みで4235円と、前の週より27円値上がりしました。
値上がりは2週ぶりです。
販売量全体に占める割合は
▽産地と品種が単一の「銘柄米」が69%
▽備蓄米を含む「ブレンド米など」は31%
で、いずれも前の週と同じでした。
価格をみると、
▽銘柄米の平均価格は前の週より17円上昇して5キロあたり税込み4540円
▽ブレンド米などは61円上昇して3556円
でした。
新米の販売が進むなか、コメの価格は高止まりが続いています。
あわせて公表された、全国のスーパーやドラッグストアなどおよそ6000の店舗で今月2日までの1週間に販売されたコメの平均価格は、5キロあたり税込みで4328円と、前の週より49円値上がりしました。
輸入米の注文が増加 都内の専門商社
国産米の価格が高値で推移する中、都内の専門商社には割安なコメを求めて輸入米の注文が増えています。
東京 大田区にある食品の専門商社では、去年コメが品薄になったことを受けて「カルローズ」と呼ばれるアメリカ産のコメの取り扱いを始めました。
業者への販売価格は5キロ税込み2970円で、販売量は随意契約による割安な備蓄米の放出で一時的に減ったものの、新米が出始めた9月以降再び増加し、10月はおよそ1000トンになったということです。
特に高齢者施設や弁当を販売する業者などからの引き合いが強いということで、輸入量を上積みすることも検討しています。
営業担当 荒井遥香さん
「ことしは国産米の量はあるが、価格が高くて折り合わないとして、価格を抑えられて安定供給できるアメリカ産のコメの需要が高くなっている」
栃木 スーパーでブレンド米の販売増
スーパーの中には、比較的価格が安い「ブレンド米」の販売が伸びているところもあります。
宇都宮市のスーパーではことし9月から新米の販売を始めていますが、どの銘柄米も去年の同じ時期と比べると5キロあたりの価格が高くなっているということです。
こうした中、店では比較的価格が安い「ブレンド米」の販売が伸びているといいます。
ブレンド米は、産地や品種が異なる複数のコメを混ぜたもので、この店で扱っている商品は5キロあたり税込み4298円と、銘柄米に比べて1000円ほど安いということです。
スーパーの運営会社によりますと、10月の5キロ入りのコメの販売点数は、地元産の新米がいずれも去年の同じ時期に比べて半分ほどに減った一方、ブレンド米は1.7倍あまりに増えたということです。
好調な販売を受けて、先月はブレンド米の在庫が一時期なくなったこともありましたが、仕入れの量を増やしたため現在は十分な量の在庫を確保できているとしています。
70代男性
「コメの価格を見に来ましたが、高値が続いているのできょうは買わないことにします。家でもコメを食べる量を減らしているので早く安くなってほしいです」
スーパーの運営会社 コメの仕入れ担当 石井宏さん
「ブレンド米がここまで売れたことはなく、新米の高値が続くなか価格重視で商品が選ばれていると感じる。仕入れ価格などが不安定な状況が続いているが、できる限り低価格で提供していきたい」
新米に去年産をブレンドで販売
小売の現場に割安なコメの選択肢を増やそうと、ことしの新米に去年産のコメをブレンドして販売する動きが出ています。
JAグループのコメの卸売会社「全農パールライス」は先月、ことしの新米に去年産のコメをブレンドした商品を発売し、全国のスーパーや通販サイトで販売しています。
店頭価格は5キロあたり税抜きで4000円を下回る水準になるよう設定しているということです。
コメの卸売会社
「銘柄米の価格が高止まりし、割安な輸入米の販売が広がる中、価格を抑えた国産米の選択肢を増やしたい」
Posted at 2025/11/07 21:30:11 | |
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