ゲームセンターの展示会 30年前初登場のプリントシール機も
2025年11月15日午後6時23分
トレンド
ゲームセンターにある最新の機器や景品などを集めた展示会が15日まで都内で開かれました。
東京 江東区の東京ビッグサイトで開かれた展示会には、国内外のおよそ50社が参加し、最新のクレーンゲーム機や景品などが展示されました。
このうち、大手ゲーム会社「セガ」の最新のプリントシール機は、いわゆる「推し活」需要を見込んで開発されたもので、アーティストの掛け声とともに、まるで一緒に撮影しているような写り方をすることができます。
一方、プリントシール機は、1995年に最初に登場してからことしで30年になることから、初期のころに会社が他社と共同で開発し、発売された機器も展示されました。
発売された当初は、1回当たりの料金が300円で、選ぶことができたのは、写真の枠組みにあたる「フレーム」のデザインのみだったということです。
セガ フェイブのプロダクト研究開発部有川尚毅プロデューサーは「ターゲットは学生がメインであるかぎり、市場としては縮小していくのでそれ以外のターゲット層にもしっかりと広げていく」と話していました。
また、プリントシール機の設置台数で最大手の「フリュー」の最新のモデルは、平成から令和にかけて人気だった3つの機種のうち、好きな機種の機能を選んで撮影することができるもので、当時の画質や写真に文字などを書き加える機能が再現されているということです。
日本アミューズメント産業協会の山下滋 常任理事は「人と人が同じ空間で楽しめて体感できるものはデジタルではかなわない。今は利用者の中心が中高生なので、これから業界としてプレイヤーの幅を広げないといけない。今後はインバウンド向けの英語対応なども進めていくことになると思う」と話していました。
30年の歴史と市場の変化
初代のプリントシール機は、大手ゲーム会社「セガ」と現在はセガの傘下にあるゲーム会社「アトラス」が共同で開発し、1995年に発売されました。
アトラスの女性社員が、映像の画面が印刷される様子をヒントに、カメラで撮影した写真をその場で印刷してシールにするアイデアを思いついたのが、開発を始めたきっかけだったということです。
印刷したシールを友達と交換したり、集めたものを手帳に貼ったりするのを楽しむ人が増え、女子高校生など若い世代を中心に人気が高まりました。
当初は写真の枠組みにあたる「フレーム」のデザインのみを選ぶ形でしたが、その後は、顔の輪郭や目の大きさを変えることができるようになるなど、さまざまな機能が追加され、現在は、化粧の度合いなども含め個人の好みに合わせてより細かく調整できるようになっています。
一方、少子化やスマートフォンの普及を背景に、プリントシール機の市場は縮小傾向となっています。
日本アミューズメント産業協会によりますと、プリントシール機の市場規模は、1997年度に、1000億円にのぼりましたが、2023年度には190億円余りに縮小しています。
こうした中、メーカーの間では、新たな市場を開拓しようと海外市場での展開を強化しようという動きも出ています。
最大手の企業 海外展開強化へ
プリントシール機の最大手の企業は、最新の流行を把握しようと若い世代を対象とした聞き取り調査に力を入れる一方、新たな需要を取り込むため、海外展開も強化することにしています。
都内に本社を置くプリントシール機の最大手「フリュー」は、最新の流行や利用者が理想とする加工のしかたなどを把握するため、高校生や大学生を対象に年間300回を超える聞き取り調査を行っています。
今月会社で行われた調査には、高校生と大学生合わせて4人が集まり、社員がふだん写真を撮る時のポーズや画角などを尋ねました。
これに対して大学生の1人は「身長が低いことを目立たなくするために、上から撮るようにしています」と答えていました。
また、高校生の1人は「スマートフォンで撮影する時には、顔を小さく見せるために広角機能を使って撮るようにしています」と答えていました。
一方、プリントシール機は若い世代の利用頻度が高いことから、国内では少子化などを背景に需要の減少が課題となっています。
このため会社では、海外で人気のキャラクターと一緒に写ることができる機種を今月から中国に設置するなど、今後海外展開を強化することにしています。
フリューの榎本雅仁社長は「日本のコンテンツが、世界に広がっていく中でみすみすビジネスチャンスを逃したくないと思っている。利用者の反応を見ながらブラッシュアップしていきたい」と話していました。
渋谷の専門店は平日もにぎわう
今月取材に訪れた東京 渋谷区にあるプリントシール機の専門店では、平日にもかかわらず高校生や大学生などでにぎわっていました。
このうち撮影に来ていた高校生は「プリントシール機は大好きなので、月に2回くらいは撮りに来ます。ふだん何かをプリントすることがないので、プリントしたものはプリ帳やスマホのケースの中に入れたりしています」と話していました。
また、友人と撮影していた大学生は「スマホで自分が手を伸ばして撮影すると写りが悪くなってしまいますが、機械に任せるとより自分の盛れる角度で撮影できるので、それがいい点だと思います。撮影したシールは缶に入れています。宝箱みたいな感じです」と話していました。
別の高校生は「プリントシール機の加工のされ方や雰囲気、一緒にポーズをとるのが楽しいので、わざわざお金を払って撮る意味があると思います」と話していました。
このほか、アメリカから日本に来ていた20代の外国人観光客は「プリントシール機を見つけて、“これはやらないと”と思いました。すてきなお土産になると思います。アメリカにもプリントシール機はあるけれど、日本のもののほうがかわいいです」と話していました。
Posted at 2025/11/15 18:35:20 | |
トラックバック(0) | 日記