
東京デフリンピック きょう開幕 大会通じて聴覚障害への理解を
2025年11月15日午前4時49分
デフリンピック
日本で初めて開催される聴覚障害者の国際大会、東京デフリンピックが15日、開幕します。大会を通じて聴覚障害への理解が進み、誰もが暮らしやすい社会の実現につながることが期待されています。
デフリンピックは英語で「聞こえない」という意味の「デフ」と「オリンピック」を組み合わせたことばで、「聞こえない、聞こえにくい人のオリンピック」です。
15日、東京 渋谷区の東京体育館で開会式が行われ、11月26日まで12日間の日程で開かれます。
実施されるのは21競技で、81の国と地域のほか、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアとその同盟国のベラルーシの選手が「中立な立場の個人資格」として参加するなど過去最多の3081人の選手がエントリーしています。
日本からも過去最多の268人が出場する予定で、今回初めてすべての競技に選手がエントリーしています。
競技会場は21か所で、都内を中心に自転車は静岡県、サッカーは福島県で行われ、事前の申し込みなく無料で観戦できます。
同じ障害者スポーツの祭典であるパラリンピックには聴覚障害のクラスがなく、聴覚障害のあるアスリートが一堂に会する総合大会としてはデフリンピックが最高峰の大会です。
パラリンピックよりも歴史は長く、1924年にフランスのパリで最初の大会が開かれました。
それから100年以上の歴史を重ね、日本での開催は夏と冬を通じて今回が初めてです。
大会を通じて聴覚障害への理解が進み、誰もが暮らしやすい社会の実現につながることが期待されています。
デフリンピックならではの情報の伝え方
デフリンピックは公平性の観点からすべての競技で補聴器などを外してプレーしなければいけません。
そのため、競技に関する情報を選手たちが目で見て分かるように伝え方が工夫されています。
陸上では、ピストルの代わりにスタートなどを光で合図する「スタートランプ」が使われます。
選手たちは「位置について」「用意」「スタート」を異なる色の光で判断します。
また、サッカーでは、プレーを止める際などに審判が笛だけでなく旗も使って選手に伝えます。
一方、ダブルス種目や団体競技など複数の選手で行う競技では、選手どうしも手話やアイコンタクト、ハンドサインなどでコミュニケーションをとります。
こうしたデフリンピックならではの情報の伝え方も大会の注目ポイントです。
出場する選手たちは、競技の観戦を通して「聞こえない」や「聞こえにくい」ことがどういうことなのかを理解してもらい、手話をはじめとする聴覚障害のある人とのコミュニケーション方法が広まってほしいと期待しています。
競技が行われる21会場
競技が行われる21の会場です。
▽渋谷区の東京体育館では、開会式と閉会式のほか、卓球が行われます。
▽世田谷区の駒沢オリンピック公園総合運動場では、陸上競技場で陸上、屋内球技場でハンドボール、体育館でバレーボールが行われます。
▽品川区の大井ふ頭中央海浜公園陸上競技場では陸上のハンマー投げが行われます。
▽東京高速道路と首都高速道路高速八重洲線の一部区間に設けられる周回コースで陸上のマラソンが行われます。
▽大田区では、大田区総合体育館でバスケットボール、大森ふるさとの浜辺公園でビーチバレーボールが行われます。
▽千代田区の日比谷公園と伊豆大島では地図とコンパスを活用しながら山などに設置されたチェックポイントを順番に通過し、ゴールに着くまでの速さを競う「オリエンテーリング」が行われます。
▽江東区では、有明テニスの森でテニス、東京アクアティクスセンターで競泳のみが行われる水泳、若洲ゴルフリンクスでゴルフが行われます。
▽足立区の東京武道館では柔道と空手、北区のナショナルトレーニングセンター・イーストでは射撃、中野区立総合体育館ではテコンドーが行われます。
▽調布市の「京王アリーナTOKYO」ではバドミントン、府中市立総合体育館ではレスリングのフリースタイルとグレコローマンがそれぞれ別の競技として実施され、東大和市の東大和グランドボウルではボウリングが行われます。
また、東京以外では
▽静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで自転車のロードとマウンテンバイクがそれぞれ別の競技として行われ
▽福島県の楢葉町と広野町にまたがる「Jヴィレッジ」でサッカーが行われます。
Posted at 2025/11/15 09:23:24 | |
トラックバック(0) | 日記