
自民党新総裁に高市早苗氏 女性の総裁就任は初めて
2025年10月4日午前5時01分
(2025年10月4日午後5時38分更新)
自民党総裁選
自民党総裁選挙は、1回目の投票でいずれの候補者も過半数に届かず、決選投票の結果、高市 前経済安全保障担当大臣が185票、小泉農林水産大臣が156票で、高市氏が小泉氏を抑えて新しい総裁に選出されました。自民党の総裁に女性が就任するのは初めてです。
目次
2項目
注目高市氏 新総裁選出後のあいさつ(ノーカット動画)
注目「党員票」高市氏が全体の約40%
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自民党新総裁 高市早苗氏の経歴は 【動画も】
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自民党総裁選挙は、▽小林・元経済安全保障担当大臣、▽茂木前幹事長、▽林官房長官、▽高市・前経済安全保障担当大臣、▽小泉農林水産大臣の5人が立候補し、「国会議員票」295票と「党員票」295票のあわせて590票をめぐって争われました。
4日は午後1時から党本部8階のホールで国会議員の投票が行われ、3日までに党員・党友が郵便などで投票した「党員票」とあわせて開票結果が発表されました。
有効票589のうち、
▽高市氏が国会議員票64票、党員票119票のあわせて183票
▽小泉氏が国会議員票80票、党員票84票のあわせて164票
▽林氏が国会議員票72票、党員票62票のあわせて134票
▽小林氏が国会議員票44票、党員票15票のあわせて59票
▽茂木氏が国会議員票34票、党員票15票のあわせて49票となりました。
この結果、5人の候補者のいずれも過半数を獲得できず、1位の高市氏と2位の小泉氏の上位2人が決選投票に進みました。
決選投票は、国会議員の1人1票と各都道府県連に1票ずつ割り振られた47票の、あわせて342票で争われました。
その結果、有効票は341票で
▽高市氏が国会議員票149票、都道府県票36票のあわせて185票
▽小泉氏が国会議員票145票、都道府県票11票のあわせて156票で
高市氏が小泉氏を抑えて、新しい総裁に選出されました。
1955年の自民党結党以来、女性が総裁に就任するのは初めてです。高市氏の任期は、石破総理大臣の残り任期となる再来年9月までとなります。
新総裁の選出を受けて自民党はこのあと臨時の役員会と総務会を開き、新しい党役員の人事を高市氏に一任することにしています。
高市氏は午後6時をメドに党本部で記者会見し、今後の党運営や、野党との連携などについてみずからの考えを説明することにしています。
そして、幹事長や政務調査会長など党役員人事の検討に入るものとみられます。
新しい総理大臣を選ぶ指名選挙は今月中旬に召集される臨時国会の冒頭で行われる見通しで、今後は、連立の枠組みを含め、野党側とどのように協議を進めていくかが焦点となります。
注目
高市氏 新総裁選出後のあいさつ(ノーカット動画)
自民党の新しい総裁に選出された高市早苗氏は両院議員総会であいさつし、迅速に実行しなければならない政策があるとした上で、総力を結集して全員参加で党を立て直したいと呼びかけました。
この中で高市氏は石破総理大臣に対し、「衆参両院とも少数与党という厳しい状況の中で丁寧に野党とも向き合い苦労を重ね、防災庁の設置や地方創生に大きな道をひらいた石破氏に心よりの敬意をもって感謝申し上げる」と述べました。
その上で「一緒に力を合わせてやらなければならないことが山ほどあり、スピーディーに実行しなければならない政策がたくさんある。皆さんとともに自民党をもっと気合いの入った明るい党に、多くの人の不安を希望に変える党にしていく」と決意を述べました。
そして「全世代総力結集で全員参加で頑張らなければ自民党は立て直せない。人数が少ないので全員に馬車馬のように働いてもらう。私自身も、ワークライフバランスという言葉を捨て、働いて働いて働いていく。日本のため自民党を立て直すために、それぞれの専門分野で仕事をしてもらうよう心からお願いしたい」と呼びかけました。
女性の自民党総裁は結党以来初めて
過去の総裁選挙では、高市氏を含め、4人の女性議員が立候補しましたが、いずれも敗北してきました。
2008年の総裁選挙では、東京都の小池知事が女性として初めて立候補しましたが、麻生最高顧問に敗れました。
2021年には高市氏と野田元総務大臣の2人が立候補しましたが、岸田前総理大臣に敗れました。
そして、去年、高市氏と上川・前外務大臣の2人が立候補し、高市氏は1回目の投票で9人の候補者の中でトップとなり、女性の候補者として初めて決選投票に進みましたが、石破総理大臣に逆転されました。
高市氏は3回目の挑戦で初めて総裁に選出されました。今後、国会で行われる総理大臣指名選挙で総理大臣に選出されれば、日本で初めての女性の総理大臣となります。
注目
「党員票」高市氏が全体の約40%
今回の自民党総裁選挙で、党員・党友による「党員票」を最も多く獲得したのは、新しい総裁に選出された高市早苗氏で、全体のおよそ40%にあたる25万票あまりを獲得しました。
全国91万人あまりの党員・党友による「党員票」の投票率は、68.69%で、去年の総裁選挙と比べ、2.53ポイント高くなりました。
5人の候補者の得票です。
▽高市氏が最も多く、およそ40%にあたる25万931票
▽次いで小泉氏がおよそ29%にあたる17万9130票
▽林氏がおよそ21%にあたる13万888票
▽茂木氏がおよそ5%にあたる3万3343票
▽小林氏がおよそ5%にあたる3万2263票でした。
都道府県ごとにみますと、▽高市氏は、31の都道府県で最も多くの票を獲得し、地元の奈良をはじめとする関西や、東京や愛知など都市部を中心に支持を集めました。
▽小泉氏は、地元の神奈川をはじめ、秋田や福島など、東北地方を中心に支持を集め、9つの県で最も多く得票しました。
▽林氏は、地元の山口や鳥取など6つの県で、▽茂木氏は、栃木で最も多く得票しました。▽小林氏は、千葉などで一定の支持を集めました。
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党員票「得票数一覧」でさらに詳しく
特設サイトでは、都道府県ごとの「党員票」を得票数の一覧とともに詳しくお伝えしています。
新総裁の任期は2年
自民党の総裁の任期は、党則で「1期3年、連続3期まで」と定められています。
今回の総裁選挙は、石破総理大臣が任期の途中で辞任することに伴って臨時で行われたため、新たな総裁は石破氏の残りの任期を引き継ぐことになります。
このため、新総裁の任期は、再来年・2027年9月までの2年間となります。
《ほかの候補者は》
小泉氏「新総裁のもとみんなで一致結束」
決選投票で敗れた小泉氏は党本部で記者団に対し「支えてくれたチームは本当に力強く、ひとえに私に足りないものが多かった。勝てなくて本当に申し訳ない。自分の力不足にしっかりと向き合いたい」と述べました。
その上で「総裁選挙を戦った私も含め、新総裁のもと、みんなで一致結束して『チーム自民党』をつくり上げる。もう1回、自民党が信頼を回復できるよう全員が持ち場、持ち場で役割と責任を果たすのは当然だ」と述べました。
一方、記者団が次の総裁選挙にどう臨むか質問したのに対し「それは早すぎる。結果を受け止め、新しい総裁のもとで仕事をする。自民党が一致結束しなければ国民が求めている物価高対策なども進まないので、しっかりと役割を果たしたい」と述べました。
林氏「新総裁を支え一致団結」
1回目の投票で3位だった林氏は党本部で記者団に対し「残念な結果だったが、ひとえに私の至らなさが唯一の原因だ。いろいろな難しい仕事が控えているので、高市新総裁を支え、自民党で一致団結して1つ1つの仕事をやっていきたい」と述べました。
また、記者団から決選投票でどちらに投票したか質問されたのに対し、「終わった選挙なので申し上げることは差し控える」と述べました。
一方、次の総裁選挙への意欲を問われたのに対し「まずは一緒に戦ってきた仲間といろいろと話したい」と述べました。
小林氏「強力なリーダーシップに期待」
1回目の投票で4位だった小林氏は党本部で記者団に対し「私自身の力が足りなかった。具体的にどこが足りなかったのか冷静に分析し、次に挑戦できるように研さんを積んでいきたい」と述べました。
その上で「決選投票に進めなかった場合は党員の意向を最大限尊重する形で行動しようと決めており、私は高市氏に投票した。総裁としての強力なリーダーシップに期待しており、一国会議員として全力で支えていきたい」と述べました。
茂木氏「挙党態勢で難局に臨んでいきたい」
1回目の投票で5位だった茂木氏は党本部で記者団に対し「結果が出たので、自民党が一丸となって挙党態勢でこの難局に臨んでいきたい」と述べました。
その上で、決選投票の際にみずからの陣営に指示を出したのか問われたのに対し「いろんな意見交換をしてきて、私の意向はわかってもらった。それ以上のことは言わない」と述べました。