マッカーサーとキャデラック

終戦から１５日後、
トレードマークのレイバンのサングラスをかけ
コーンパイプを咥えたその姿でこの次期の
日本人にとって強烈なイメージを与えた人物
ダグラス・マッカーサー元帥が厚木飛行場に
降り立ちました。

戦後の日本に占領政策を推し進めていたのは連合軍総司令部（GHQ）であり、
その頂点に立っていたのがマッカーサー元帥です。

その彼の愛用車は1942年のキャデラック　フリートウッド75リムジン、
太平洋戦争が始まった頃に一時生産がストップされた希少な1台。
ホイールベース136インチ、全長は6メーター本来はクロームメッキの
部分が渋い銀色に塗られ、後ろに元帥の五つ星のマークが付いた
その姿はどっしりとした戦艦の旗鑑のような風格があったとされています。

街中には自家用車などは皆無でジープや軍用車が東京を颯爽と
走り、日本人がマイカーを手にするなど考えられなかった時代

この車は米国文化の象徴のようにGHQの置かれた第一生命ビルに横付けされ、
虎ノ門米国大使館の間を規則正しく往復していました。

5年後の１９５０年マッカーサー元帥愛用車はさらに大きな
1950年型クライスラー・クラウンインペリアル・リムジンに変わりました。
その年の６月２５日、朝鮮戦争が勃発。当初の最高司令官はマッカーサーでした
３年にわたる朝鮮戦争の始まりにより、皮肉にも日本は特需景気の影響で
戦後復興を果たすこととなります。