
1941年12月10日、日本軍の上陸を阻止するため出撃した
英国海軍の戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」は
日本海軍航空機(九六式陸攻、一式陸攻)の雷撃及び爆撃により、
僚艦「レパルス」と共にマレー沖にて沈没した・・・・・
マレー海戦・・・太平洋戦争開戦直後の出来事です。
「九六式陸攻」
「一式陸攻」
「プリンス・オブ・ウェールズ」 は、
キング・ジョージ5世級の2番艦で
35.56cm(14インチ)砲を4連装2基(前部、後部に各一基)
連装1基(前部に配置)の10門装備の大型最新鋭戦艦
東洋艦隊の旗艦として1941年10月25日に配備されます。
英国首相チャーチルのお気に入りの船でもありました。
この撃沈の報告を聞いた首相チャーチルは、「あの艦が!」と絶句し
、「戦争全体で(その報告以外、)私に直接的な衝撃を与えたことはなかった」と
著書の第二次世界大戦回顧録で語っている。
マレー沖海戦で最新鋭戦艦が航空機の攻撃で撃沈された事は
対空砲多数を装備した新式戦艦でも、航空機の攻撃に
対処出来ないことが露呈し、それまでの大艦巨砲主義
(世界の海軍がその主力たる戦艦の設計・建造方針に用いた思想)
から今後、海戦の主役が航空母艦に切り替わる重要性を
世界に知らしめることとなり、各国海軍の考え方を180度
変えるものとなります。
しかしながら、この作戦を行なった日本海軍は
航空機の重要性を認識しながら、軍令・戦術方針における
大艦巨砲主義が依然根強く、航空母艦を増産した米国海軍との違いが、
後のミッドウェイ海戦において主力空母を失って以降もあくまでも戦艦中心の
第一艦隊ありきの考え方は変る事がありませんでした。
1944年2月に第一艦隊が廃され、翌月に第一機動艦隊が創設されたことにより、
ようやく軍令・戦術方針においても大艦巨砲主義が終焉を迎え、
機動艦隊が最重要視されることとなりますが、主力の航空母艦はすでに無く
戦局は既に終盤にあり、退潮の趨勢を変えることはでませんでした。
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Posted at
2010/12/11 00:08:04