
1937年4月6日早暁に立川飛行場を離陸
15,357kmを94時間17分あまりで飛行し、
現地時間の4月9日午後ロンドンへ到着した
日本の飛行機がありました。
後に陸軍に九七式指令部偵察機として
制式採用されるキ-15
三菱 雁型「神風」号 高速連絡機
当時の世界の水準に並んだとされる
日本の記念すべき航空機です。
1937年5月12日にロンドンで行われるジョージ6世の戴冠式奉祝に
朝日新聞社が親善飛行「亜欧連絡飛行」を計画
この記録挑戦に選ばれたのが、この神風号(J-BAAI)で
当時の陸軍の開発した高速連絡機「キ―15」の試作2号機が
提供されました。
戦略偵察機開発という陸軍の指示に基づき、
視界と武装の要求を緩めて高速度機として
設計された「キ―15」は、理想的な流線形化された機体と
段差を極力少なくする為、横開きの風防が備えられ、長距離に備え
主脚は故障を心配して大きなスパッツに覆われた固定式を採用
速度480㌔、航続距離2500㌔、という素晴らしい機体として誕生
ちなみに、このデータは、当時の戦闘機よりも早く、
双発爆撃機より遠くまで飛べることを示し、世界水準を抜くスペックでした。
1937年4月6日、立川飛行場を離陸した「神風号」は、
台北⇒ハノイ⇒ビエンチャン⇒カルカッタ⇒カラチ⇒バスラ⇒
バクダッド⇒アテネ⇒ローマ⇒パリと着陸し、現地時間の4月9日午後にロンドン
クロイドン空港に着陸、立川離陸後94時間17分56秒、給油・仮眠をのぞく
実飛行時間は、51時間19分23秒の驚異的な速度記録に空港は人波にあふれ
「神風号」はこの偉大な記録に対しての歓迎をうけました。
また、「神風号」の飯沼操縦士と塚越機関士は
フランス政府からレジオンドヌール勲章を受勲されています。
その後「神風号」は、ヨーロッパの各地を親善訪問
5月12日の戴冠式の記録映画を積んで14日にロンドンを離陸し、
21日には大阪を経て羽田空港に帰還、ベースとなった「キ―15」は
制式採用後、性能向上のため発動機はハ-26(瑞星)に換装
「九七式司令部偵察機」として総数437機が生産され、
世界初の戦略偵察機として活躍する事になります。
という事で・・・本日は、『亜欧連絡記録大飛行声援歌』
(作詞:河西新太郎 作曲:田村虎蔵 編曲:奥山貞吉)
「神風号」の声援歌として朝日新聞誌上で公募され、
当選作としてレコード発売された曲です。
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Posted at
2014/04/10 00:53:18