
その歌唱力の高さから
デビュー以来
様々な楽曲を
唄い熟してゆく
河合奈保子さんですが・・・
本日は、まず、この詩から・・・
ぼくの帽子
母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谿底へ落したあの麦稈帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあの時、ずいぶんくやしかつた、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき、向から若い薬売が来ましたつけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折つてくれましたつけね。
けれど、たうとう駄目だつた、
なにしろ深い谿で、それに草が
背たけぐらゐ伸びてゐたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子、どうなつたでせう?
あのとき傍に咲いてゐた、車百合の花は
もうとうに、枯れちやつたでせうね。そして
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で、毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きつと今頃は、今夜あたりは、
あの谿間に、静かに雪が降りつもつてゐるでせう、
昔、つやつやひかつた、あの以太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y・Sといふ頭文字を
埋めるやうに、静かに、寂しく。
作家・森村誠一のベストセラー『人間の証明』
角川映画によって映画化された事で相乗効果を生み出し、
多くの人が知ることとなったこの詩は、『人間の証明』という物語の中で、
重要な位置付けとして挿入されおります。
このあまりにも有名な、
『ぼくの帽子』を書いたのが
詩人であり作詞家の、「西條 八十」です。
この時期、多くの日本人が、『人間の証明』を読み
映画館へ足を運んだ訳ですが、
河合奈保子さんも、映画鑑賞した感想を
率直に答えてますね。
さて・・・
作詞家でもあった「西條 八十」は、
多くの歌謡曲の作詞も手掛けており、名曲と呼ばれる歌が、数多く存在します。
正確な音階で知られる奈保子さんもこれらの曲をカバーして、
多くの歌番組において私たちに、その歌声を届けてくれております。
しかしながら、それらのカバー曲が実際リリースされる事は少なく
残念な事です。「西條 八十」が作詞を手掛けた曲で、
実際手元にある音源は、
『服部良一作品集』 に収録された『青い山脈』と『蘇州夜曲』
この二曲は、2003年にリリースされている
BOX CD 「JEWEL BOX2」
Disk4に収録されていますので
機会がございましたら、お聴き頂ければと思います。
8月12日は、西條 八十の忌日
本日は、河合奈保子さんの動画UPされている昭和歌謡曲中から
「青い山脈」
「港町十三番地」「高原列車は行く 」
そして・・・『人間の証明』のテーマを手掛けたのは、大野雄二さん
奈保子さんと大野さんと・・言えば・・・
「MANHATTAN JOKE 」ですねっ♪
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河合奈保子さん | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2017/08/12 22:39:00