
1963年6月16日(日)
世界最初の女性宇宙飛行士が
宇宙船ヴォストーク6号で宇宙に向けて出発しました。
彼女の名前は「ワレンチナ・テレシコワ」当時、26歳。
宇宙軌道に2日半滞在しました。
目的は宇宙飛行中の女性の体の反応のデータの収集でしたが
軍人でもない彼女が選ばれたのは、「穏やかな性格と、
報道インタビューに、“共産主義者らしい”受け答えをするから」
だったと言われています。
女性が飛ぶことは、当時のソ連、にとっては男女同権の
“プロパガンダ”(宣伝)として格好の人物だったのかもしれません
その際に彼女が使ったコールサインが、「チャイカ」
旧ソ連を含むロシアでは、宇宙活動中の全ての飛行士が
個人識別用のコールサインを付与されます。
地上との無線交信で彼女の言った「ヤー・チャイカ」という言葉は、
一般的に「私はかもめ」というチェーホフの台詞に直訳され
ロマンチックなイメージで有名になりましたがたんに「こちら«チャイカ»、どうぞ」
というような実務上の呼びかけだったようです。
宇宙に滞在中、テレシコワの現実は大変な状態に陥っていたようで
宇宙酔いや酷い月経などの症状が表れ
「ヤー・チャイカ」を連発する事となりました。
実際の彼女はこの時、直訳されロマンチックな宇宙旅行
どころではなかったのです。
その為に「女は宇宙には向かない」という印象を決定づけてしまい、数年後、
ソ連の女性飛行士チームは解散となり、
彼女自身も、二度と飛ぶことはありませんでした。
しかし彼女は“プロパガンダ”とはいえ、本当に命がけで宇宙を飛んだ、
最初期の宇宙開発者の一人といえるでしょう。
Posted at 2010/06/16 22:23:14 | |
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