
本日も・・・
何かと忙しく
という事で・・・
お読みになられた方も
いらっしゃるとは思いますが
少し前に、117クーペが
取り上げられた記事を
ご紹介させていただきます。
世界の名車<第26回>黄金期を代表する華麗な「いすゞ117クーペ」
自動車のよき時代とは、バラエティーの豊かさにあると思う。そのいい例が、いすゞ自動車だ。現在は乗用車の生産を止めてしまったが、1960年代から70年代にかけ、湘南に本社があり、都会的なセンスのある乗用車づくりで人気だった。
117クーペ(1968~81年)は、いすゞ自動車の黄金期を代表する華麗なクーペだ。今も時々街で見かけるが、それだけ根強いファンがいる証拠だ。そのスタイルは、初めて見る人に「あのかっこいいクルマは何?」と言わせる魅力をそなえている。スタイリングを手掛けたのは、イタリアのジョルジェット・ジウジアーロ。カロッツェリア・ギア(後にフォードが買収)時代の名作だ。
117クーペは、当初、職人がボディーの一部を手で叩いて形をつくるセミハンドメイドだった。それだけにラインは流麗だ。前後の車輪のところに山を描く車体側面のキャラクターラインの躍動感といい、ボンネット先端を低くし、すぼまったノーズとそこにはめ込まれた丸形4灯のヘッドランプが醸すアグレッシブな雰囲気といい、日本車であって日本車でない存在感を放っていた。
エンジンは当初1.6リッターで、後に1.8リッター、2リッターと排気量が拡大し、最後はディーゼルエンジンまで載せた。ただし、走りはスタイルから期待できるほどスポーティーでなく、どちらかというと、富裕層のしゃれたクルマだった。

しかし「速さで歴史に残るクルマはない。クルマは一にも二にもデザインだ」という、ある自動車評論家の名言があるが、これは的を射ている。その証拠に、室内はあまり広くなく、セリカやブルーバードのような鋭い走りがなくても、117クーペの美しさはずっと我々の心を捉えている。その魅力が薄れることはない。
文 小川フミオ/2014年4月1日/朝日新聞デジタル配信

Posted at 2014/04/18 01:34:01 | |
トラックバック(0) |
117クーペ | クルマ