
最近何気なくニュースを見ていたら、目に付いたのがタイトルの記事です。
ご存知の方も多いと思いますが、イタルデザインとはピニンファリーナと並ぶイタリアカーデザインの巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が率いる会社です。
氏はフィアットのデザイン部門やベルトーネ、カロッツェリアギアに在籍して1960年代初めから頭角を現し、1968年3人でイタルデザインを起業しました。
その後、アルファスッド、初代ゴルフ、シロッコ、パサートをはじめ、マセラティボーラ、BMWM1、フィアットウーノ、バックトゥザフューチャーでおなじみのデロリアンDMC-12、近年ではアルファロメオブレラ等をデザインしています。
日本車では、古くはキャリィL40、フロンテクーペLC10W、マーチK10、アリストS140、アルシオーネSVX、近年ではムーブL900(カジュアルのみ)、ハイゼットカーゴ、ワゴンS200(カスタムを除く)、スズキSX4がそうですね。
このように日本でもその製品をよく見かけますが、その会社をフォルクスワーゲンが買収するという話が持ち上がりました。
この10年ほど、フォルクスワーゲン・アウディグループは、シュコダ、セアト、ベントレー、ブガッティ、ランボルギーニを傘下にして、昨年はスズキとも提携したのは記憶に新しいですが、その矛先がイタルデザインにも向いたようです。イタルデザインも各メーカーが自社デザインが多くなり仕事が減少しているという問題もあるようですが
かつて、ビートルの後継車が育たなくて苦しんでいたフォルクスワーゲンの救世主となったのが初代ゴルフですが、それをデザインしたのが氏であり当時の縁が再度巡って来たと言えなくもありません。
ただ、いままでは特定のメーカーに偏ることなく歩んできたイタルデザインが、フォルクスワーゲンの資本を受け入れると他メーカーは当然依頼しにくくなることは明らかで、やがてはフォルクスワーゲンのデザインの一部門になってしまうかもしれません。
輝かしい実績があるイタルデザインが冷遇されることはないでしょうが、以前フォードに買収されて数年後デザイン機関としての地位を失い、フォード車の上級グレード名にその名を残すのみになったカロッツェリアギアの例もあるので、ちょっと気になるお話です。
なにしろ、私は117クーペ以来のジウジアーロデザインのファンだからです。巡り合わせが悪くて所有した事がないのが残念ですが。
写真は、ジウジアーロデザインの中でも最高のお気に入り、ピアッツァXE(1981年)です。
バンダイ1/20プラモデルですが、同じくジウジアーロデザインのスカッキエーラというアルミホイールもオマケで付いています。
当時イージーライダースという会社から発売されていましたが、碁盤の目のようなデザインは西洋将棋板をイメージしたもので、氏のサインも入っていました。
FR用(ディスク面が滑らかな弧を描く)、FWD用(ディスク面がオフセットしてフラット)の2種類がありますが、キットのはFWD用(ピアッツァはFR)なのが残念です。
しかしこのように洗練されたデザインのアルミホイールは当時少なく、モデル化されただけでも感激しました。
仮に買収されたとしてもジウジアーロデザインの素晴らしさはより長く続いてほしいと願う、m-dawgなのでした。
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自動車見聞録 | クルマ
Posted at
2010/05/27 01:19:00