
例えばボルトやナットを弛緩する際、固く締まっている場合には、

ラチェットハンドルにボルトナットと同サイズのボックスソケットレンチを差し込んで、回転させて緩めます。しかし固着を取るには有効なラチェットハンドルも、その後ボルトナットが外れるまで何度も手を往復運動させなければなりません。

そこに登場するのはドライバータイプのハンドル。その先端にボックスソケットレンチを差し込んで、

ドライバーを回す動きでボルトナットを弛緩することが出来ます。これをボックスドライバーと私は呼んでいます。
長年使用してきたのはKTC 9.5sp.ドライバー型ハンドルですが、黄色い樹脂製グリップなど古臭くていかにも安っぽいのが不満で、KTC好きな私でも他の物がほしかったのです。

そこで10年以上前から併用しているのが、NKC ユニバーサルレンチです。

こちらはボックスソケットレンチは一体型で、通常の弛緩動作はもちろん、

ボックスソケット部分はディープタイプで、シャフトは中空になっていて、芯棒の両端にボールジョイントが内蔵されているので、最大45度まで首を振ることが出来ます。

こんな角度を付けた状態でも回せます。しかも芯棒はグリップ内にあるスプリングで常に引っ張られていて、首を振った状態から直立状態に自動的に戻ろうとします。

またグリップエンドとシャフトエンドには六角のボルスターがあって、

スパナや、

メガネレンチを差し込んで回すと、本締めくらいのトルクで締め込むことが出来ます。つまりボックスドライバーで回した後、ラチェットハンドルで本締めする作業が不要になり結構便利です。
しかし重宝がって使い過ぎたせいか最近はソケット部分が摩耗してボルトが食い込んで取れなくなることが多くなりました。ソケット部分がKTCネプロスのような高品質の物だったらよかったのに。あと、木製のグリップも、温かみがあってよいという人もありますが私は好まないのです。
NKCは新潟のメーカーですが、意外にプロのカーメカニックでもご存知ない方が多く、知る人ぞ知るという存在です。
さて、KTCの代替品として私が選んだのは、

Ko-ken オフセットスピンタイプハンドルです。KTCと比較すると先端の差し込み部分が、角型ではなくていびつな形をしているのがわかるでしょうか。

ボックスソケットレンチを軽く差し込みコチッと音がする位置にすると、

このように、

いびつな部分にボックスソケットレンチがささるとBOXソケットレンチが少し「遊ぶ」状態になり、上下左右15度までフレキシブルに首を振ります。

NKCのようには行きませんが、こんな具合。

首振り状態から更にグッと押し込むと、

KTC同様に直立状態で固定できます。NKCのようにスプリング内臓で自動的に戻ることはありませんが、二段活用ということでなかなか便利な物。更にグリップがソフトな樹脂製というのがポイントが高いです。ツルツルの樹脂や、木製(特にニス仕上げの物)は力を掛ける用途には不向きです。ドライバーはソフトグリップタイプに限りますね。
心配なのはNKCが少し前に生産を停止したという噂があり、真実ならば今後他メーカーで探さねばなりません。しかしユニバーサルレンチと同等機能のボックスドライバーは簡単に見つからないのですよ。
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2015/04/09 23:48:02