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2016年01月28日

フォード、日本市場から撤退

フォード、日本市場から撤退 1月25日に、フォードが2016年末までに日本の全ての事業から撤退すると発表しました。

フォードは撤退の理由について、「収益性確保に向けた合理的な道筋が立たず、投資に対して十分な利益は見込めないと判断した」と説明した。撤退後も、アフターサービスや部品の交換、保証サービスなどには応じる。業務は他社に委託する、としています。


フォードといえば、20世紀初めの自動車黎明期時代に自動車王ヘンリー・フォードが設立し、1908年には、

T型フォードで流れ作業体制を確立して1500万台以上という大量生産を成し遂げ、アメリカのビッグスリーのひとつとして今なお操業を続けています。

日本では、設立直後から輸出されて1923年関東大震災後の輸送手段としてのバス用にT型フォードベースのシャーシーを以って応え、1926年には横浜に日本フォードの生産工場を建設し、1940年に太平洋戦争で政府に操業停止されるまでT型や後継車のA型フォードをノックダウン生産しました。

戦後の1964年には、

小型セダンファルコンのシャーシーをベースにした、2ドアハードトップ/コンバーチブルのマスタングを発売して若者に大人気を博し、スポーツカーよりも廉価で購入しやすい「スペシャルティカー」とうジャンルを創設。シボレー・カマロや日本の初代セリカやギャラン・GTOに多大な影響を与えたのは、ご存知の方も多いでしょう。

1985年には、

FWDセダン/ワゴンのトーラスを発売。アメリカ市場に進出したカムリやアコードに対抗してよく善戦しました。ワゴンは日本でも受けて結構売れました。

フォードはヨーロッパにも戦前から生産拠点を設けていましたが、戦後はイギリスフォードやドイツフォードはアメリカとは異なる独自のモデル(コルチナやグラナダやカプリ等)を生産していました。1980年代にヨーロッパの量販セダンはシエラに統一されて、1994年には、

後継車のモンデオにモデルチェンジ。モンデオの1.8Lセダンは200万円以下で発売されて、「日本のフォルクスワーゲン・ゴルフはなぜ高いか」という比較広告を新聞に出すなど積極的な販売策が取られました。

また、フォードは1979年にマツダと資本提携して、小型車の開発委託や1982年からディーラーのオートラマを立ち上げてフォード車とマツダのフォードブランドOEM車を販売。

OEM車は、レーザー(ファミリア)、テルスター/テルスターⅡ(カペラ/クロノス)、スペクトロン(ボンゴ)、J80/J100(ボンゴ/ブローニィ)、フリーダ(ボンゴ・フレンディ)、イクシオン(プレマシー)、エスケープ(トリビュート)等がありましたが、


最も売れたのは、オートラマ専売車の初代フェスティバでしょう。
ちょうど初代ホンダ・シティのように、背を高くした3ドアコンパクトハッチバックで国産車初の電動キャンバストップが売りでした。
フェスティバは当時韓国にあった起亜自動車でも生産されて、5ドアハッチバックのフェスティバ5と、画像の4ドアセダンのフェスティバβが少数輸入されて、オートラマで販売されました。日本仕様と違って5とβは共に左ハンドルです。

その後ディラー多チャンネル化に失敗して危機に陥ったマツダを救うため役員を送り込んだりしましたが、2000年以降はマツダOEM車販売を止めて、アメリカ/ヨーロッパフォード車のみとして、オートラマからフォードジャパンに名前を変更したものの、フォード本体の経営が揺らいでマツダの資本を引き下げて2015年には完全に提携解消。その間に国内販売も減少して、今回の撤退発表になりました。

フォードの昨年に国内で売った車は4968台で、輸入車全体に占めるシェアは1.51%です。1996年には2万台以上なので1/4。会社規模からすれば極少と言わざるを得ません。対して中国では2014年に110万台以上を販売。この台数の差から、誰だって中国市場に経営資源を集中した方が企業のためになると思うでしょう。

フォード車の販売がじり貧になったのは、販売する車種にも問題があったと個人的には思います。
フィエスタやクーガは単体では悪くないが、ポロやアウディQ3と比較すれば分が悪く、同じ価格帯ならフォードの指名買いをする理由は見当たりません。(余談だがフィエスタは3代目デミオとエンジンルーム骨格がほぼ同じだった)
また、リンカーン・ナビゲーターが出た当初、並行輸入でかなりの台数が入って来たがなぜか正規輸入せず、10年後にやっとディーラー販売が始まった頃にブームが終わっていたとかもありました。
マスタングも先代が発売された頃に力を入れれば、マッスルカ―フリークにもっとアピールできたのではなかったでしょうか。


100年以上続いた国内フォード販売も今年で終わり、今後フォード車は並行輸入でしか手に入りません。サービスは継続するらしいけど、マツダは資本提携解消したから可能性は低そうだし、どの業者がやるのでしょうか。

オペルの時もそうだったけれど、フォードのような大手があっさり撤退してするようでは輸入車には長期に渡って安心して乗れませんね。

トップ画像は、初代フィエスタのカタログです。
当時何とホンダがHISCO(ホンダ インター ナショナル セールス)という関連会社でホンダの中古車販売とフォード・フィエスタの新車販売をしていて岐阜にも営業所がありました。入手したのは1978年です。まだ高校生で、自転車で乗り付けて堂々とカタログを下さいと言ってもらいました。

このころは輸入車に対して夢があったなあ、なんて思いますね。
ブログ一覧 | 自動車見聞録 | クルマ
Posted at 2016/01/28 01:20:25

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この記事へのコメント

2016年1月28日 7:59
おはようごさいますm(__)m。

フォードと言えば。昔プローブ(2代目かな?)が大好きだった思い出が(^-^)。

今でもフィエスタやフォーカス辺りなんかは
うまくやれば日本でも売れそうなのに。

選択肢が減るのは残念な事ですよね。
コメントへの返答
2016年1月28日 22:27
ぱぴ@神戸さんコメントありがとうございます。

プローブは分類上はアメリカフォードですが、初代がカペラC2、2代目がMX-6がベースです。初代は4代目セリカを太らせたようなイメージで、齋藤さんというアメリカ在住日本人デザイナーの作でした。

フォーカスはラリーでの活躍が目立ったので、それで押せば販売につながったかも知れません。

でもモデル数が多いと、どれを日本に導入して売るかは難しいけれど、結論として選択に誤りがあったのかも知れませんね。
2016年1月28日 20:06
ばんは~!

外国産車に縁はほとんど無いですが、どうせ買うなら乗り潰したいだろうし撤退はユーザーにとって心配でしょうね。
コメントへの返答
2016年1月28日 22:48
Sフリーダムさんコメントありがとうございます。

フォードオーナーはアフターサービスが最も心配でしょう。サービスは継続するといっても、ディーラーが無くなってしまっては遠からずパーツ供給を含めて厳しくなっていくでしょう。

高校生の頃は「必ずゴルフを買うんだ」と思っていましたが、今の仕事に就いてしまったせいもあって、結局輸入車オーナーにはならず終いですね。
2016年1月28日 21:30
こんばんは(^o^)
ウチは昔オカンがフェスティバに乗ってたのですが、最初は外車とは知りませんでした(笑)
撤退の話も知らなかったのでびっくりしました(^_^;)
コメントへの返答
2016年1月29日 8:31
つるっちるーさんコメントありがとうございます。

初代フェスティバは、本来マツダブランドで出すはずが、発足後販売が伸びないオートラマに売れるタマとしてフォードブランドのみで発売したと聞いています。フォードブランドであっても企画は日本のマツダで、インテリアデザインはファミリアと共通パーツを多用しているのは一目瞭然です。

2代目フェスティバは、少し背の高い3ドアクーペというおかしなスタイルになってしまい全然売れず、フェスティバは2世代で終わってしまいました。

でも初代フェスティバのコンセプトは、3ドアから5ドアに姿を変えて初代デミオに活かされ、現在の4代目までマツダの主力車種に育ったのは、初代フェスティバの方向性が正しかったという事でしょうね。
2016年1月28日 21:55
こんばんは。
昔、レーザーに乗っていました。ファミリアよりちょっと小洒落た感じが好きでした^^
今はフォーカスが気になっているのですが、残念です。
オペルに乗って、サーブにも乗って、どうして私が乗った車は日本から撤退するのでしょうか(´・ω・`)
コメントへの返答
2016年1月28日 23:42
いち☆くんさんコメントありがとうございます。

マツダOEMではレーザーとテルスターは、限られたコストの中でフロント/リヤをリデザインしただけなのに、フォードっぽくなっていました。

特に3代目レーザーハッチバックは、アメリカフォードにエスコートとして供給されるなど、小型車が苦手な本家を助けるほどでしたね。

やはりVW/アウディ、ベンツ、BMWのブランド安定や、ポルシェ、フェラーリ、アルファロメオのカリスマ性はゆるぎないものですが、それ以外のメーカーは、エンジン等の技術革新に生き残れるのでしょうか。

今後も日本を諦めるメーカーはまだまだ出て来る予感がしますね。

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