
先日、10代目アコードが発売されました。今回の座っただけのインプレッションはこのアコードと行きましょう。

1976年5月登場の初代から10代目になるアコードですが、北米仕様は既に2017年7月から、中国仕様は2018年4月から発売されています。他国仕様では1.5Lターボ、2Lターボエンジンですが、日本仕様は2Lエンジン+2モーターのハイブリッド(今年からe:HEVと呼称)のみです。
最近流行のクーペルック6ライトウインドゥ4ドアセダンは、4,900mm x 1,860mm x 1,450mm の少し前ならレジェンドと呼んでもいいような堂々たるサイズ。キャビンデザインは流麗でよいのですが、気になるのはフロント部の厚み。ハイブリッドシステムの嵩があるのが原因なのか、どうもやぼったい感じがします。

インテリアもそつのない造り。シフトレバーレスのボジションスイッチ。それにしてもセンターコンソールの幅広さには驚かされます。フロントガラスの傾斜角は大きいのですが、圧迫感はそれほどありません。

クーペルックにも拘わらずリヤシートの頭上空間は十分で、足元の広さも十分。しかもセンターコンソール後端にはリヤクーラーの吹き出し口と2個のUSBジャックまで装備。これならショーファードリブン(お抱え運転手がいてリヤシートに乗る事)の用途にでも使えます。
ハイブリッドバッテリーの設置が巧妙でトランクルームを侵食することなく、クラス相応のスペースが確保されています。またリヤシートは一体可倒式で更にアームレスト部のみのスルーも可能で、これは他車には少ない特徴です。

スピードメーターはアナログですが液晶表示となっています。フロントガラスに情報を映し出すヘッドアップディスプレイも装備。左側のマルチインフォメーションディスプレーにはドライバー注意力モニター機能もあり、ステアリング操作から居眠り運転を検知して表示やステアリング振動で注意喚起します。昔なら大きなお世話ですが、最近はそうも言っていられない程便利な機能と思えます。
ポップアップフードシステムは、クラウンにも装備される歩行者衝突衝撃低減装置。N-WGNで問題となったオートブレーキホールド機能や電子制御サスペンションのアクティブダンパーシステムも装備。

シートは本革(一部プライムスムース)で4席分のシートヒーター付き。エアコンは左右独立調節やGPS利用で日射を検知して制御する高度な機能もあります。電動サンルーフも付いています。国内ではコストダウンでサンルーフが設定されないのに、海外重視の車種には設定がある。企業の理論ではありますが、ちょっと寂しい気も。ナビゲーションは標準装備ですが、4代目フィットで登場したホンダコネクトは未採用。

ボディカラーは、プラチナホワイト・パール、クリスタルブラック・パール、ルナシルバー・メタリック、ブリリアントスポーティブルー・メタリック、とここまではNシリーズでもおなじみの色。新色はパッションレッド・パールだけ。アコードはフラッグシップに近いセダンなので、車種専用色を増やした方がいいのではと思います。
他国仕様はLXやスポーツなど複数の設定があるが、日本仕様のグレードは最上級のEXのみ。
アクセサリーカタログで注目は、

パターンプロジェクターです。後付け用品でよく見るアレですが、まさか純正アクセサリーにまで登場するとは想像出来ませんでした。展示車に付いていたのでじっくり見ましたが投影パターンも鮮明でなかなかよく出来ています。お値段も結構しますが。
総論として、現代のクルマとしての装備や機能をかなり網羅してよく出来ており、このクラスのセダンを必要としているオーナーに対する満足度は高いです。ライバルのカムリに比べるとスタイルはカムリ優勢だが、トータルとしては互角くらいかなという個人的意見です。しかし販売力の差で需要はほとんどトヨタがさらって行ってしまい、日本ではアコードは少数派に甘んじるでしょう。
さて、私はアコードとは浅からぬ縁があります。

初代アコードは、最初3ドアハッチバックで登場。センスがよく気の利いたインテリア、FWDならではの広い室内、十分な動力性能と、当時のヨーロッパ車と互角に勝負できる国際水準のクルマでした。
父親がとても気に入って買う寸前までいったのですが、駐車場が確保出来ず購入に至りませんでした。中学生だった私は非常に残念に思い当時のカタログは、

このように今でも持っています。
その後の2代目は中途半端な感じがして魅力減でしたが、

リトラクタブルヘッドライトを持つ3代目は、ダブルウイッシュボーンによる4輪独立懸架、2.0L DOHC16バルブエンジンと4速AT(今では当たり前だが当時としては最高水準のメカニズム)を持つミドルクラスのセダンとしてはとても魅力的でした。
代替のタイミングがマイナーチェンジと合致したので、

当時このクラスでは珍しかった本革シート、リヤワイパー、フロントぼかし入りブロンズガラスが追加装備になったので、後期の2.0Siエクスクルーシブを自分の2代目のクルマとして購入しました。
アコードではなくて兄弟車のビガーですが、テールランプの間にリヤガーニッシュが装備されてそれがとても気に入ったためです。但し、フロントはアコードの方がいいデザインだったので、当時から得意だったパーツ流用技を駆使し、フロントグリルを交換してアコード顔にしました。
まだ独身で必ずしもセダンが必要な環境ではなかったのですが、ビガーには非常に満足しました。ハイパワーな4WD車がほしくなって手放しましたが、そうでなければ長く乗ったでしょう。
4代目に追加になったワゴンはこれまた魅力的(ホンダオブアメリカの輸入車というのが特に)でした。セダンにはいい点もあるけれど、その頃は荷物が積めるワゴンを所有したくなっていて、見積もりを取るまでしたのですが、残念ながら代替のタイミングが合いませんでした。その後はミニバンにシフトしたため、アコードとの接点は無くなりました。
ビガーを買う際に230聖徳太子くらい支払ったのですが、現在の貨幣価値に直すと350-400諭吉に相当かな。それを考えるとアコードの465諭吉は安全装備等を考慮すると妥当でしょうか。
シビックが大きくなり、アコードはその上を行く必要があるので仕方が無いのは分かりますが、今の私には高くてとても買えません。
やはり横目で見て「いいなあ」と思うだけの存在ですかねえ。
Posted at 2020/02/29 23:58:49 | |
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