
ホンダCR-Z、過去2回に渡り東京モーターショーで展示されようやく市販された、ハイブリッドエンジン搭載のクーペです。
今年初の座っただけのインプレッションは、CR-Zと行きましょう。
決してスポーツカーとはカタログで謳っていません。これはバラードスポーツCR-X(1983-1987)と同じスぺシャルティークーペというコンセプトと当たらず遠からずと思います。
前から見ると、1980年代にホンダがよく使っていたロー&ワイドの台形フォルムである事がわかります。
後ろから見ると、初代インサイト(1999-2006)と現行インサイトとの共通デザインですね。
全幅が1740mmと3ナンバー枠に入ってしまったのはワイド感を出したいがためでしょうが、インサイトは5ナンバーなので40mmくらい狭くてもいいのに・・・このデザインが貧相に見えてしまうのでしょうか。
非常に斬新とは言いませんが、現代のクーペならばデザインは及第点と思います。
乗り込んでみると、フロントガラスの向こうには何も見えません。最近ならばボンネットが見えるクルマの方が少ないので慣れの問題でしょう。
確かにタイトな室内ですが、フロントガラスの傾斜などで閉所感はありません。これは全高が1395mmでルーフが極度に低くないためです。閉所感なくタイトに感じさせる居住空間を作るというのは非常に難しい話です。
インパネのデザインも一応スペシャルティなクルマに乗っているんだぞ、という感じにはさせてくれます。
スピードメーターはデジタルでもいいとは思うけれど、タコメーターは独立タイプにしてほしかったですが。インサイトでおなじみの、運転状況でブルーからグリーンに発光が変化するメーターリングや、コーチングとティーチング機能等も同様です。
但しシートの生地は濃淡グレーのツートンですが、薄い色がシルバーに近くツヤツヤして気に入りません、展示車はすでにドアトリムが薄く黒ずんでいました。私ならばディーラーオプションのレカロスポーツシートにしたいところです。
ポケット類などもこの手のクルマとしては用意されている方でしょう。展示車はαのCVTでしたがシフトレバーの手触りはいまいち、ここはマニュアルのように本皮巻としてほしいですね。
リヤシートはCR-Xのような1マイルシート(1.6Kmならガマンして乗れるよという意味)と同じで、一応シートになっていますが小学生でも厳しいでしょう。カタログに「リヤシートの座面にはくぼみがあり、手荷物を置くのに便利です」とあるように荷物置き場とするか、常時リヤシートは倒しておくのが正しい使い方でしょう。もちろんシートがあるかないかは、特に日本では大きな違いで、初代インサイトが売れなかった最大の原因は2シーターであるという問題を学んだ結果ではないかと。
ラゲッジスペースはスペアタイヤレスの恩恵でまあまあのスペースで床下にアンダーボックスもあり、IPUが収まっているにしてはよく稼いでいると思います。
これはミニバンではないので、スペースとしては十分でしょう。
若者に見放され不人気をかこっているクーペ市場についに登場したハイブリッドカーですが、どこまで販売台数が行くのか・・・結局は子育てが終わった50歳以上の購入者が多そうな気がしますが。
トヨタがリコール問題でつまづいている今こそが、他メーカーにすればチャンスであることは誰だって思うでしょう。
ほどほどでもいいからCR-Zも売れて、ホンダが近い将来市販するフィットのハイブリッドと、ミニバンのハイブリッド(モデル周期からしてエリシオンか?)の原動力となることを期待したいものです。
Posted at 2010/02/28 11:10:01 | |
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