
先日たまたまE30系(1987年-1992年)ギャランを見ました。
1991年式1.8MF(E32A SOHC1.8L)ですが、オドメーターは何と430,000kmです。おそらく年配者のワンオーナーだと思いますが、よくぞマニュアルミッションでここまでの距離を走れたものだと感心しました。写真が撮れなかったのが残念ですが。
そこで、E30ギャランのプラモデルを引っ張り出すことに。
これはハセガワ1/24ギャランVR-4(E39A) 1992年モデルです。
ノーマルとラリー仕様が発売されていましたが、ノーマルをほぼ素組でボディカラーはランプブラック/シャトーシルバーメタリック2トーンカラーで再現してあります。
隣はタミヤ1/24GTOツインターボ(Z16A) 1990年モデルです。これも素組でボディカラーはフィジーブルーメタリックで、既成のプラカラーではこの明るい色調が出せなくて、三菱純正タッチアップペイントを使い塗装してあります。同時代の三菱スポーツモデルということで並べてみました。

ギャランに話を戻すと、このE39Aは4VALVE(DOHC4バルブターボエンジン)、4WD(フルタイム4WD)、4WS(4輪操舵、但し同位相のみ)、4IS(4輪独立懸架)、4ABS(アンチロックブレーキ)の5個の「4」を持つことがカタログに謳われていて、スラントノーズにせず切り立ったヘッドランプとフロントグリル、側面のS字にうねったボディライン、比較的高い全高による優れた居住性、と他車には見られない個性的なスタイルでした。

実は1990年にジェミニイルムシャーRを買う際に、最後まで悩んだのがギャランVR-4でした。カタログも全年式未だに持っていますよ。

中にはエテルナも2冊混じっています。当時2系統あった三菱ディーラーで三菱店向けの4ドアセダンのみだったギャランに対して、カープラザ店向けに5ドアハッチバックとしてエテルナがありました。但し1989年からエテルナ・サヴァという、ギャランとデザイン違いの4ドアセダンも追加されました。しかしエテルナは販売量が少なく、今ではエテルナなんて憶えている人は少ないでしょうね。
ところで、この頃から三菱はメルセデス・ベンツと繋がりがあって、ベンツのチューナーであるAMGのイメージを導入し、1986年にデボネアVにロイヤルAMG(S12A)を設定。ギャランにも1989年からAMG(E33A)が設定されました。

ギャランAMGは、専用2000DOHC16バルブエンジン(標準よりチューンアップ)、AMGデザインのバンパー、リヤスポイラー、アルミホイール(ギザギザタイプ)、ステアリングホイール、本革シート、専用ボディカラーのシュロスシルバーメタリックを採用しました。

1990年にアルミホイール(ディッシュタイプ)とエクセーヌシートに変更後、1991年にはギザギザタイプアルミホイールにそれまでのAMG専用パーツ装備車をTypeⅠ、ディッシュタイプアルミホイールに内外装をVR-4と同等品に変更(要するにコストダウン)したTypeⅡの2グレードに分かれました。しかしAMGは2WDノンターボなのに、4WDターボのVR-4よりも高価という設定で、ほとんど売れませんでした。

この画像を見て下さい。
何とギャランAMGが2台並んでいます。左がTypeⅠ右がTypeⅡです。但し右はTypeⅡなのにボンネットにVR-4 1990年マニュアルミッションのみに装着されているエアダクトが付いています。でも近寄ったら現車はオートマチックでターボメーターは無かったし、アルミホイールはディッシュタイプだったのでTypeⅡにエアダクトを後付けしたと信じたいです。
いずれにしてもレアな光景には間違いありません。(画像は2006年通勤途中に撮影したもので今は存在しません、オーナーさん掲載してごめんなさい)
さて、後継のギャランフォルテスも先頃遂に生産終了になってしまいました。まあ、ギャランフォルテスは型式上ランサーの系列なので厳密にはギャランではないのですが、三菱純血の4ドアセダンは途絶えた事になります。
もしかしてプラウディア(フーガのOEM)、ディグニティ(シーマのOEM)みたいに、シルフィかラティオをギャラン/ランサーにするのでしょうか。
しかし、いくら何でも「フルラインOEM」は止めた方がいいでしょう。これは2011年と2013年東京モーターショーのレポートで、既に私が書いたことですがね。
2015年9月29日追記
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ギャランシリーズ(バンを除く)の変遷
初代
A50系コルトギャラン4ドアセダン/2ドアハードトップ(1969年-1973年)
※コルト1000、1100、1200、1500セダン(1963年‐1969年)の後継車として、1300/1500後に1400/1600クラスの中堅車種でコロナ/ブルーバード対抗車として販売。
スペシャルティ2ドアハードトップのギャランGTO(1970年-1977年)も初代の派生車。
2代
A80系ギャラン4ドアセダン/2ドアハードトップ(1973年-1977年)
※エンジンを1600/1850/2000に拡大。フロアパネルは初代をほぼ踏襲。
3代
A120、A130系ギャランΣ4ドアセダン(1976年-1980年)
A120、A130系ギャランΛ2ドアハードトップ(1976年-1980年)
A130系ギャランΣエテルナ4ドアセダン(1978年-1980年)
A130系ギャランΛエテルナ2ドアハードトップ(1978年-1980年)
※4ドアセダンはΣのサブネームでボディサイズを拡大。コロナクラスのみならず、マークⅡ/スカイラインもターゲットとする。
2ドアハードトップはフロアパネルは同じでもアメリカナイズされた全く違うボディでΛのサブネームで登場。
1978年カープラザ開店と同時に専売としてエテルナシリーズが追加。
4代
A160系ギャランΣ4ドアセダン(1980年-1983年)
A160系ギャランΛ2ドアハードトップ(1980年-1984年)
A160系エテルナΣ4ドアセダン(1980年-1983年)
A160系エテルナΛ2ドアハードトップ(1980年‐1984年)
※ディーゼルターボ、ガソリンターボが追加されたものの3代と変わり映えしないスタイルで販売が苦戦。エテルナはギャランΣエテルナ→エテルナΣのように名前を短縮。
5代
E10系ギャランΣ4ドアセダン(1983年-1990年-1999年)
E10系ギャランΣ4ドアハードトップ(1984年-1990年)
E10系エテルナΣ4ドアセダン(1983年-1989年)
E10系エテルナΣ4ドアハードトップ(1984年-1990年)
※FWDに変身。カムリ/ビスタ、カペラのライバルに。Λはスタリオン(1982年‐1990年)に座を譲ったため、4ドアハードトップが登場。
1986年からV6エンジンも搭載。
オーストラリアから拡幅版のマグナステーションワゴン(1988年-1993年)が輸入される。
6代
E30系ギャラン4ドアセダン(1987年-1992年)
E30系エテルナ5ドアハッチバック(1988年-1992年)
E30系エテルナサヴァ4ドアセダン(1989年‐1992年)
※ボディサイズを縮小してエンジンも4気筒のみとし、コロナ/ブルーバードクラスに。エテルナは5ドアハッチバック。エテルナサヴァはルーフラインをなだらかにした4ドアセダン。
7代
E50系ギャラン4ドアセダン(1992年-1996年)
E50系エテルナ4ドアセダン(1992年-1996年)
E50系ギャランスポーツ5ドアハッチバック(1994年-1996年)
E50系エメロード4ドアハードトップ(1992年-1996年)
※3ナンバークラスにボディサイズを拡大。V6エンジンを多く採用。エテルナはギャランとは異デザインの4ドアセダンに。ギャランスポーツはRVの味付け。エメロードはカリーナED対抗車。
8代
EA、EC系ギャラン4ドアセダン(1996年-2005年)
EA、EC系レグナム5ドアワゴン(1996年-2002年)
EA、EC系アスパイア4ドアセダン(1998年‐2003年)
※GDIエンジンを前面に。レグナムはギャランシリーズ唯一のワゴン。アスパイアはエテルナ同様カープラザ専売。
9(?)代
CY系ギャランフォルテス4ドアセダン(2007年-2015年)
CY系ギャランフォルテススポーツバック5ドアハッチバック(2008年-2015年)
※ランサーエボリューションXのノーマルバージョンとして登場。ギャランを名乗るもランサーの兄弟。
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ディアマンテシリーズの変遷
初代
F10、F20系ディアマンテ4ドアハードトップ(1990年-1995年)
F10、F20系シグマ4ドアセダン(1990年-1996年)
K45ディアマンテワゴン(1993年-1997年)
※三菱初の3ナンバー専用ボディ。2000、2500、3000のV6エンジン搭載上級車種として登場。
実質的にE10系ギャランΣ4ドアハードトップを受け継いだのがディアマンテ。E10系ギャランΣ4ドアセダンを受け継いだのがシグマ。ワゴンはオーストラリア製。(ベラーダワゴンが本名)
2代
F30、F40系ディアマンテ4ドアハードトップ(1995年-2005年)
T45ディアマンテワゴン(1997年-2001年)
※初代の正常進化。ワゴンはオーストラリア製。
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他にも、
ギャランクーペFTO(1970年-1975年)
初代ギャランのパーツを利用した、1サイズ小さいクーペ。ランサーセレステ、FTOの先祖。
コルディア/トレディア(1982年-1987年)
ランサー後継として、少し上級を狙って販売されたFWD/4WDクーペ/セダン。トレディアのポジションがE30系ギャランに受け継がれて、E10系ギャランΣは上級移行してディアマンテに受け継がれたと考えることも出来る。
非常に複雑です。