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2020年06月19日

おうちでCFD パルサー編

おうちでCFD 第二弾はパルサー GTI-Rです。
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日産の海外ラリー参戦は1958年ダットサン210でのオーストラリア一周ラリーに始まり、 1970年のサファリラリーでは510ブルーバードでクラス優勝&チーム優勝&総合優勝の三冠を達成。
翌1971年のサファリラリーではダットサン240Z(フェアレディZ)で総合優勝し、連覇を達成。
更に1979~1982年のサファリラリーはA10バイオレットでの四連覇と、特にサファリラリーで好成績を収め、『ラリーの日産』と言われていました。
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その後10年程の低迷期を経て 『ラリーの日産』 復権を託されたのが、1900年に発売されたN14パルサー。
当時のWRCはGr.A規定の2Lターボ&4WDというレギュレーションで、これに合致する車両の多くは全長4,500mm前後。
対してパルサーは、最強を誇ったデルタと共に4,000mm以下のコンパクトボディという事で、前評判は非常に高いものでした。
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余談ではありますが、私の最初の愛車もN14パルサーでした。
モデル末期のお買い得仕様であるM1-SVの5MTで、型落ち在庫車を格安で購入。
プッシュオープンボックスの代わりにCDプレーヤが装着されていました。
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パルサーGTI-Rは1991年に日産がかつて好成績を収めたサファリラリーでWRCの舞台に上がったものの、期待通りの成績を収める事は叶わずに参戦期間わずか2年で撤退。
期待通りの成績とならなかった理由は色々語られていますが、その中の一つが冷却不足問題。
エンジンの真上に鎮座するインタークーラの風抜けが悪く、SS後半でのパワーダウン現象に悩まされました。
苦肉の策としてJRCではドライアイスや氷をインタークーラ上に置いた事も有った様で、インターウォーマだの焼き肉グリルだのと揶揄された程でした。
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実は、おうちでCFDをやる時に最初に頭に浮かんだのがこの車でした。
インタークーラが冷却不足となった詳細が、解析で見えてこないか と。

冒頭の雑誌にあった1991年アクロポリス仕様の写真を基にモデルを作成します。
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ボンネット上のエアスクープに相当する穴を空け、床下まで通しました。
実車でこれだけの空間が有ったかは怪しいですが、まぁイメージという事で。
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CFD解析結果がこちら。
エアスクープから床下までの経路が青色になっており、流体速度が非常に低い事が判ります。
フロントノーズで跳ね上げられた気流はエアスクープ入り口付近でも上向きな流れとなっており、動圧で押し込まれる様な状態にはなっていません。
フロア下も単純に穴を開けただけでは、吸出し効果は見られません。


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WRCでは、昼間でもライトポッドを付けていたこの車。
ライトポッドを付ける事で、エアスクープへ風が入りやすくなったとされていますので、先程のモデルからライトポッドを外してみました。
ライトポッド有りと比べてエアスクープ前の気流が少し上向きになっています。
確かにライトポッドが有る方が良さそうですが、大した改善にはなっていない様です。
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ライトポッド無しを基にフロア下に段差を付けて吸出し性を改善してみましたが、こちらも大差無しといった感じです。
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エアスクープの位置を後方に移し、スバル車の様な形状にしてみました。
が、あろう事か床下からボンネット方向の流れが出来てしまいました。
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流体というのは、圧力が高いところから低いところに流れるもの。
何故、これ程までにエアスクープに風が流れないのかというと、エアスクープのあるボンネット上の圧力が、床下の圧力よりも高くないから という事。

こちらの画像はGT-R NISMO開発の動画よりキャプチャしたもので、車体周りの圧力分布をシミュレートしたものと思われます。
走行風が直接当たるフロントバンパやフロントタイヤ前側、リヤウイングの上側等は赤色で、圧力が高い事を示しています。
一方でボンネットやルーフの上、リヤウイングの下側等は青色で、圧力が低い事を示しています。
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やはりボンネット上にエアスクープを設けても空気が入りにくいというのは事実の様で、成立させる為には床下の圧力を如何に下げるかがポイントになりそうです。
市販車であれば様々な策を取る事も出来ると思いますが、ラリーカーの場合はフロア下にアンダーガードがガッチリ有って隙間が狭く、特にサファリの様な泥濘路では僅かな隙間も泥で詰まってしまうでしょうから、床下への排出はかなり難しいであろう事が考えられます。

では、当時WRCに参戦していた他の車はどうなっていたのかというと、前置きインタークーラが多かった様です。
車両最先端にインタークーラを置けば、気流はまっすぐ当たりますし、排出口をボンネット上に設ければ、開口部も大きく取れて泥詰まりの懸念も殆どありません。
セリカは通常のGT-FOURが空冷の上置きだったのを、ホモロゲ車のGT-FOUR RCで水冷の上置きに変更。
クーラを前置きする事で、冷却性とレスポンスの両立を狙っていました。
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同じく市販車では空冷の上置きなインプレッサも、後にレギュレーションがGr.AからWRカーになってインタークーラの搭載位置が自由化された際に前置き化していますので、やはりラリーカーとしての最適解は前置きという事なのでしょう。
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ということで、パルサーも前置き化してみました。
本当にボンネット内に収まるのか という声は無視。
あくまでもお遊びですから。
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これまでの解析結果とは異なり、相応の流速が生じている事が判ります。
取り入れ口となる車両先端部は圧力が高くて排出先となるボンネット上は圧力が低い訳ですから、当然の結果ですね。

パルサーGTI-Rにもセリカの様なホモロゲ車が発売されていたら・・・・
歴史にIFは禁句ですが、そんな事をふと思ってしまいます。
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Posted at 2020/06/19 22:17:11

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