「パパ、キャンプ行きたいんだけど。」
・・・
・・・
は?
え?
こんにちは。TYLORです。
小学校を卒業して4月から中学生の長男。
春休みは絶好調で堕落している。
「首都高行きたいんだけど」
みたいないつものトーンで、「キャンプ行きたい」とか言ってきた。
キャンプ、、、とか。
最後にやったのは北海道に原チャリでツーリングというか「旅」した時だった。
転職を機に、当時ハマっていた原チャリツーリングとキャンプ。
それの集大成ってことで、大洗(茨城県)からフェリーに乗って北海道に行ったんだ。

北海道の苫小牧でフェリーを下船してから5日間。宗谷岬まで原チャリで走った。
いま「行け」と言われてもまぁまぁ行きたいくないですが、当時のはその行動力があったな。
若かったな。
で、その時の旅でライダーハウスとかキャンプやったんだった。キャンプは1日だけ。
当時はmixiでそのネタをライブで発信していて「なう」とかやったんだけど。。。
キャンプした事は発信しなかった。
・・・
キャンプ場でテント張ったら、バイク旅で疲れて少し寝たんだ。
ご飯とかカップラーメンがメインだったし、あとでお湯わかせばいいやとかの勢いだった。
で、周囲が真っ暗闇に包まれた頃、誰かにテントを叩かれて目を覚ました。
「お兄さん、この辺クマの目撃情報あったから、キャンプ気をつけて!」
たぶん地元のおじさんだった。
クマいるから気をつけてって・・・
簡単に言うけどね。
ビビった自分。
慌てて設営したテントを片付けて撤収した。
その日はそれから2時間くらいバイクで走って、日付が変わるくらいになって旭川のビジネスホテルにチェックインした。
今だと笑えるけど。。
情けねぇなと思って、それは「なう」とか発信しなかった。
さも、最初からビジネスホテルに泊まるテイのシナリオにして旅を進行させたんだ。
思えばそれが最後のキャンプだった。
実家に放置したキャンプ道具。。。。朽ち果ててた。

まぁ春休みだし。10数年ぶりのキャンプだけど、まぁまぁ暖かいし、クルマだし、死にはしないだろうとS660に過積載して出発しました。

雨が続いていましたが、この日と翌日は晴れマーク。
青空が気持ちよかったので、S660をオープンにして走らせました。

目的地は千葉県の下の方。
何日か寒かったけど、こっちの方は凍えるほど寒くは無いだろうと思って、キャンプ復帰戦に選びました。
自宅から2時間ほど。あっさりとキャンプ場に到着。

長男はキャンプ経験はおろか、キャンプ道具に触ったことすらない。
「なんでキャンプなの?」
と聞いたら、
「なんとなく」
とかそんな。
いや、こういう所も自分に似てきたなと失笑。
おれも思いつきで行動する。
ある日、突然降りてきた。みたいな。
とりあえず、ハンマーでトントンとペグを打ってくれました。

テントに加えてタープも設営。
ペグを打ってくれた長男は、椅子を出してくつろぎ中です。
まぁ、いいか。

比較的空いているサイトで、同じ区画には自分たちを入れて3組。
S660を横に駐車してゆったりとスペースを使えたのは、久しぶりの自分と初めての長男にとって◎。
準備期間にシュラフとマットはAmazonで購入しました。
朽ち果てて使えなくなった北海道ツーリング以来のキャンプ道具。

テントは、亡くなった父の実家を建て壊す時にもらったボロいテント。
親戚のおばさんは自分の父のだと言うんだけど、ウチの親父はキャンプしない人だった。
絶対に親父のじゃないと思ったけど、まぁもらってきた。
今回、実はソレを使ってみたくて、、、というのが裏の理由。
すごい時代を感じさせる「mont-bell」のロゴ。軽く30年は倉庫で眠っていたらしい。
アニメ「ゆるキャン」でリンちゃんが使っていた「ムーンライト3型」がプレ値だけど、おれはタダでゲットしたぜ。 ボロいけど。
金具が時代を感じさせるというか昭和っぽい。カラビナとか無い時代だし、全体的に今売っている「ムーンライト3型」と微妙に違う。
まぁ雨漏りとかしなかったから、これからも大切に使おうと思います。

こっちは自分が持っていたキャンプ道具で唯一生き残った「snow peak」のタープ。
これも軽く20年近く前のボロ。
ソロキャンプとか多くても二人くらいのキャンプしか想定してなかったから、全体的に使用しているキャンプギアは小さめ。
息子と二人。
ちょうどよかったと思う。
テントにタープは年代モノ、シュラフとシュラフの下に敷くマットは新調した。
コレでなんとかキャンプらしき行為は最低限できる。
で、夜飯はお湯を沸かしてカップラーメンでいいかな?と思っていた矢先に、新たなキャンプ道具を部屋で発掘した。

ナイフだ。
刃渡は5cmくらいの小さい折り畳みのヤツ。
原チャリツーリングにハマった当時、キャンプするからナイフ買おうと思って秋葉原のキャンプ用品店(昔あった)で店員に言われたんだ。
「初心者って大きめを選びがちだけど、このくらいのサイズが実用的だよ」
みたいな。
そうだよ。
バイオハザードで出てきたコンバットナイフみたいなのを買おうと思ってたよ。おれは。
まぁまぁプライドを傷つけられた当時の自分。
でもまぁ言われたから渋々このナイフを買ったんだ。
で、直後に行ったキャンプ。
料理は一切できないし、したこともない自分。
ナイフは彼女(後の嫁)が野菜切って、魚を捌くのに器用に使った。
おれは未使用で終わった。
それ以来お蔵入りした俺のナイフ。
長男とキャンプだしな。

まぁ、ソーセージ茹でる前に切り込み入れる程度はコイツでやるかな。

一通り準備が終わったところで、まったりタイム。
「ゲームなんて持って行くなよ」って言ったのに、しっかりSwitch持ってる長男。
自分は仕事あったのでMacBook開けたら、息子も当然のようにコーヒー片手にSwitchやり出した。
まぁお互い様ということで。

カップラーメンにしようかと思ったけど、飯盒を買ったのでご飯は炊こうと準備を始めた。
ご飯にスープが欲しいかなと、一応玉ねぎだけ買ってきて、長男にカワ剥けと手渡す。
まぁまぁ楽しそうにやってた。
そして、10数年越しで初めて使うナイフで玉ねぎを切った。

アレもコレもと食材を揃えていたら、結局まぁまぁ「キャンプ飯」みたいなのになってきた。
家から失敬してきたコンソメを鍋にぶっ込んで、塩と胡椒を適当に振ってフタしめたスープ。
分量とか知らん。不味かったら「思い出」ということで。
・・・
まぁ長男には言ってないけど。
おれ、飯盒でご飯炊くのも、ソーセージ焼くのも、ましてや、スープ作るのも。
人生で初めてなんだけどな。
「パパ料理してるんだけど、キミは何か作れないの?」
人生で初めて料理するオレ。 ドヤ顔で長男にマウント。

長男は調理実習で習った「ゆで卵」作ると言って作業を始めた。
卵も家から持ってきた。 ホントはチキンラーメンに入れようと思ってた。

完成した。
「人生で初めて作ったけどそれは息子には内緒のキャンプ飯」
飯盒で炊いたご飯、ソーセージとハムを焼いただけのヤツ。
ベーコンと玉ねぎをぶっ込んだだけのコンソメスープ。
あと湯せんで出来る100円のハンバーグ。
トドメの長男が茹でたゆで卵
→コレは微妙に茹で時間が足りなくて半熟だった。しかも美味しかった。
カットサラダでも買ってくればよかったなと後悔はしたけど、
まぁまぁ美味しくて、長男はスープとご飯をおかわりした。
キャンプで作るご飯て、どんなに特売品でもウマいってホントの事だな。と思った。
なんか、カラ入ってるとか生煮えとか。
ドラマあるかなと思ったけど、ノーミスだった。なんかモノたりねぇ。

キャンプ場に到着したのは昼過ぎ。
テントとタープ設営して、飯盒のご飯を水につける時間とか、野菜切ったり湯を沸かしたり。
色々やってたら夜になってた。

自宅でもクルマの横でキャンプもどきをやったことあるけど。
やっぱマジのキャンプで、S660の横で過ごせるのってのは自分にとってデカい。
チラチラと時折クルマを眺めてしまう。
意味のない行為ではあるけど、車好きにはあるあるだと思います。

夕食終わって、またまったりとコーヒータイム。長男はコーラ。
まぁまぁ腹いっぱいなんだけど、長男が買い込んだお菓子を片方にアマプラで映画を見た。

興奮してなかなか眠れなかったらしい長男。
朝は叩き起こされて、テント内のシュラフとマットを撤収。
夜中に雨が結構降ったけど、テントは浸水してこなかった。やるな30年モノ。
たぶん親父のじゃないけどオヤジの形見。

長男がテント内を片付ける間、自分は朝ごはんの準備。
昨日余った玉ねぎとベーコンをオリーブオイルで炒めて、鍋にぶっ込む。
オイル量も適当だし「ほんとに全体に火が通ってるのか?」は知らん。
そして、ウマいのかも知らん。

朝食は昨日のコンソメスープの具材をオリーブオイルで炒めた版と、スティックパンを火で少し焼いたヤツにした。
長男的には「このスープまた作って」と言うほどだったらしい。
すまんな息子よ。
ぜんぶ目分だから、同じ味は再現できないぜ。

楽しかった息子とキャンプ。
いよいよ撤収の時が来た。
S660にマグネットのキャリアをつけて、それに旅行カバンのゴロゴロを縛り付けた。
その中にクッカーとかの小物類を満載した。

ゴロゴロの他に二人分のシュラフと息子の着替えが入った防水バック。
もし万が一に積載が崩壊しても、バックとシュラフと息子の着替えの3種だと分かるし。
個別に縛り付けて、最後にネットをかぶせた。
S660唯一のクソ使えねぇフロントのバケツ。ユーティリティボックス?
なーにがユーティリティだよ。とか思う。「便利」では無い。
そこにはテントとタープとか設営用のキャンプ道具を入れた。
フタはしまったというか無理矢理閉めた。歪な形になった。
車内は座席の後ろのスペースにも荷物が満載。
コレ、助手席は長男だからなんとかなったけど、大人二人だったらS660でキャンプは無理そうかな。

撤収からのワインディング。荷物をキャリアに満載してるし、このキャリア、まぁまぁ信用していないからスピードは控えめに。

S660の屋根の幌は運転席側にクルクル巻いて固定してある。だからオープンで走れた。
2日目も天気良かったから、首都高に差し掛かるまではオープンで走りました。

昨日の夜、温泉とか近くになくて風呂には入れなかったので。
ちょっと走った所にあるスーパー銭湯的な場所に立ち寄ります。
スゲー気持ちよかった。やっぱ旅のシメは温泉だな。温泉じゃないけど。

高速乗っても良かったけど、家族にお土産買ってしばらく海沿いをオープンドライブ。
男同士だし海を見て感動〜って感じではなかったけど、アニメとゲームの話で盛り上がった。
ご飯美味しかったし、キャンプ楽しかった。と長男は言ってくれた。
おれも数十年ぶりだったし、プロみたいなキャンプ飯とかDIY技術的なのは魅せられてないけど。
とりあえずノーミスで無事に終えられたからホッとした。
コレ、小学生の締めくくりとして「いい思い出」になってくれればいいと思います。
キャンプ。

S660で行くから楽しい。 おれは。
「キューブで行った方が良くない?」
とは、最後まで長男にツッコまれなかった。
その辺はわかってるな。長男も。
そんな感じです。