イラスト・ギャラリー75／特撮夜話25（ダルニア for アクマイザー3）

諸事情で少しの間みんカラをお休みしておりましたが、ボチボチ復活していきます。今年最後のイラストギャラリーは「ダルニア」。何故だ？

ダルニアはご存知「アクマイザー3（1975年10月から放映、全38話）」に登場のヒロインです。女性をデザインしたキャラクターというより、女性そのものですね。後年「アクマイザー3」の書籍に写真が掲載されたスーツアクターの女性もかなりの美人で、そのまんまでいいじゃないかとの声が多数…。

当時は「仮面ライダーストロンガー」と「秘密戦隊ゴレンジャー」が同時に放送されており、石ノ森ファンにとってはなんとも夢のような時代でした（ウルトラマンは前年レオで一旦終了）。どれも甲乙つけがたい名作で、またこの時代の特撮は様々な挑戦が試みられていました。

なんといっても「アクマイザー3」の最大の特徴は「変身」がないこと（予算の都合だったらしい）。もとから異形なままなのですが、スーツアクターとベテラン声優陣の素晴らしい演技力・表現力で、絶妙な仮面劇に仕上がっていました。苦肉の策なのかどうか、ザビタンとイビルは目の表情が変わるのですが、これもまたいい演出になってました。しかし、仮面のみの演出に限界もあったのか、後半はザビタンのみ人間体に変身できるようになります。


（C）東映

ちなみにザビタンの声は「キャプテンハーロック」の井上真樹夫さん。
イビルは矢田耕司さん。マジンガーZのナレーションが有名ですね。
ガブラは八奈見乗児さん。やっぱりタイムボカンのグロッキーを思い出します。
そしてダルニアですが、吉田理保子さん。ハイジのクララ／魔女っ子メグちゃんですね。
表現力豊かな匠の演技によって奇跡の仮面劇が生まれたといっていいでしょう。後にはメタルダーも仮面劇のみの回がありましたが、なぜかこういうのって強く印象に残っています。

さて、吉田理保子さんのダルニアはホントに最高でした。モモレンジャーよりタックルより、当時の私はダルニアにメロメロでしたね（笑）。やはり声に感情が入ると本当に仮面に意志があることに違和感がない。


（C）東映

石ノ森ヒーローの魅力のひとつに、ヒーローが持つ『弱点』が上げられると思います。アクマイザー3のメンバーも各々弱点があり、物語に深みを持たせています。ザビタンは『悪魔の紋章』の前で正しい事を考えると頭が激痛に襲われる（頭にヒビが入る）。イビルは鏡の前では動けなくなる。ガブラはいつも水を欲している（体に溜め込んでいるらしく、お腹を攻撃されると水が吹き出して戦力ダウン）。やはりキカイダーも似たような弱点を持ってましたよね。

そして記憶に新しい、2012年「アクマイザー3」が「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」で奇跡の復活。…とはいっても純粋にあの3人ではなく、「アクマイザー3」をモチーフとした仮面ライダーとは敵対勢力の「アクマイザー（ザタン・イール・ガーラ）」としての登場です。悪いキャラゆえ、見た目も極悪、刺々しいナリがイヤ度満点なのですが、しかしこれがまた実にカッコいいんですよ！声のデーモン閣下も違和感なしで演技力もGOODでした。しかし同じく復活したイナズマンはちょっと微妙…だったかも…。


（C）東映

▼OP。主題歌も名曲中の名曲。演奏も素晴らしい。フェンシングを取り入れたアクションにも痺れました。


イラストのダルニアはフォトショップで作成。少々スーツをアレンジして、ヘアスタイルもオリジナルの天然パーマ形状からストレートに変えてみました（チリチリヘアが描きづらかったというのもありますが）。