とある平日の午後、仕事の合間を縫って「日本の巨大ロボット群像」なる展示会を観に池袋まで行って参りました。実は以前、横須賀でもやってたらしく気付いたら展示期間を過ぎており激しく凹んだんですが、今回池袋サンシャインシティ(2年前、仮面ライダー展やってた場所)にて開催されるとの情報を得、これは見逃してはならんということでまさに2年ぶりに再訪。
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日本が世界に誇るカルチャー、「巨大ロボット」。それはアニメにとどまらず実写においても同様です。「ガンダム」や「ボルテスV」が外国人の手で実写化され、日本に逆輸入されている時代。海外の評価は日本のはるか上にあります!
このオープニングパネル。巨大ロボットのなんたるかをよくわかってらっしゃる!そう、内部図解こそ男のロマンなのです(^^)。
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まずは巨大ロボットの始祖鳥「鉄人28号」がお出迎え。
鉄人もリブート作品が多々あります。個人的には1980年のリメイク版のデザインはあえて無骨さを排除しない秀逸な出来だと思っています。
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鉄人のコントローラー各種。人型ロボットの操縦って情報量が多いはずだから100Gくらいの電波かも。ギガ不足で通信不能になったらえらいことです。
動きがカクカクして敵にやられちゃう(笑)。
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メカニックデザイナー・宮武一貴氏による今回の展示のためのパネル。
壁一面、天井までの高さの大迫力イラスト。魂で描いていることが観る側にも伝わってきます。デジタル(拡大印刷)もいいんですが実際の筆使いの迫力は何か訴えてくるものがあるのは確か。
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搭乗/操縦式巨大ロボのビッグバン「マジンガーZ」。説明不要、偉大すぎる発明です。
同時代隆盛を誇っていた特撮ヒーロー番組を駆逐していくきっかけにもなりました。2年後に「宇宙戦艦ヤマト」が放映開始ってのも、当時のSFアニメの黎明期の勢いを感じます。なにせスゴイ時代です。
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ポピー超合金第一号が「マジンガーZ」。
当時確か1,000円ちょっとだったと思いますが、持ってる友達は少なく私も買ってもらえませんでした。当時の飢餓時代を知る少年達が今やバンダイの上客になっています。もちろん私もその一人(笑)。
「ライティーン」はもちろんゴッドバードに変形します!
超合金が欲しくて何度テレビマガジンの懸賞に応募したことか。しかし当選経験はありません(涙)。
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「グレートマジンガー」。手書きの設定資料が萌える。
「マジンガーZ」の最終回での「グレートマジンガー」へのバトンタッチは見事でした。
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ダイナミックプロ系とは全く異なるテイストの「ライティーン」の登場は衝撃でした。
神秘のデザイン極まれり。
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「コンバトラーV」のリアルな合体には目が釘付けになりました。ポピー「超合金」でも5体メカの合体を実現、これまた驚かされたものです。そしてそのコンバトラーVの超合金のCMがまさに実写の「コンバトラーV」でしたね。
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「ガンダム」が如何に偉大か、ガンダムワールドの導入部としてわざわざこれらの資料が展示されていることからもそれは明白。
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ニッポンに「ガンダムあり」。
第一作の通称「ファースト・ガンダム」は現在でも様々な分野の専門家が深掘りして解説が尽きることのない、実に深すぎる作品です。
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しかし放映当時は、既定路線の「スーパーロボット」扱いだったのでした。スポンサーもさぞや期待したことでしょう。
ところが毎回敵のやられメカは出ないし、熱血主人公ではないし、派手にビームをぶっ放すわけじゃないし…で、ガンダムのおもちゃはさっぱり売れず、スポンサー激おこだったとか(苦笑)。
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おもちゃは売れなかったものの、プラモデル市場最大のヒット作になったのが「ガンダム」のプラモデル。これまでに7億個を販売しているとか。
↓これは最新の「パーフェクトグレード2.0」。もう開発陣が常軌を逸しているレベルの質感(笑)。放映が打ち切りになったガンダムがここまでのコンテンツになれたのはガンプラのおかげもありますよね。
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ガンプラブームの頃、とあるMOOKに掲載された伝説的なイラスト。アニメとは違ったアプローチでリアリティ・カンブリア紀爆発といった衝撃を界隈に与えました。
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さらにブームど真ん中の時代に衝撃を与えたのがコレ。
表紙は一目瞭然、↑のイラストの再現です。
ガンプラの作例集なのですがもちろん私もコレ持ってまして、どんどん塗装や改造に挑戦していきました。それまでのキャラクターモデルとは違い、作り手が「自分が考えるリアルとは?」に挑戦する想像力を鍛える授業でもありました。
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どこかで見たようなメカですが、なんと「ルパン三世」最終回に登場したんんですね。
もちろん監督はあの人です!
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ガンダムブースのフロアに実物大のガンダムが(18m)。
お台場や横浜のリアルサイズを見るとものすごく巨大ですけど、こうして床に平面になると「アレ?こんなんだっけ?」と思いの外小さい印象。
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ガンダム登場後はリアル路線のロボが次々に登場しました。
ガンダム以上にリアル路線だったのが「ダグラム」。他にも「ボトムズ」「ザブングル」「エルガイム」他の展示もありましたがとりあえず割愛。
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「メガゾーン23」に登場する変形ロボ。バイクからロボに変形した最初は「電人ザボーガー」ではないだろうか。「ガーランド」はアニメならではのリアル変形ですけど、サイズ的に実現可能では?
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そうそう、コレですよ。巨大ロボの真骨頂。感性を刺激する説得力
!少年が何かを目指すのに十分すぎるエネルギーに満ち満ちています。
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再びメカデザイナー宮武氏の手による巨大イラスト。
「スタジオぬえ」の宮武氏のメカデザインは昔から好きで、氏がデザインしたメカのイラストをアニメ雑誌『ジ・アニメ』に投稿して初めて掲載された思い出があります。あれは嬉しかったですね。
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なぜ、巨大ロボなのか?に対する識者の考察パネル。
科学的な視点もありますが、ロマンがあるからこそそういった視点や考察が産まれるんだと思います。
巨大ロボは大人が語るに足る深い素材故なのです。 大阪に行っちゃう「横浜ガンダム」も開発企画は実際に歩くことを前提にスタートしたはずで、結果的にはあのような動きにはなりましたが、日本のトップ企業が大真面目に実現に向けて検証したことは言うまでもありません。
外国人があれを見て「日本人はクレイジー!」と言っているのは、同じ日本人としてとても嬉しい。
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巨大ロボットにガチな疑問…こうした考察もまた観たものそれぞれの想像力を掻き立たせ、我々を惹きつける魅力のひとつ。これもロマン。
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…というわけで、成長期の記憶の整理と定着と考察に有意義な時間となりました。
思えば「仮面ライダー」と「帰ってきたウルトラマン」のリアルタイム視聴が異常な幼児体験となり、親の顔より多く見た「マジンガーZ」の透視図が更に私の性癖を歪めました。
同時期に放映されていた他の良質な特撮ヒーローと70年〜80年代に続くスーパーロボットアニメの相乗効果でこじらせが進み、今や完全にねじ切れております(笑)。
↓こんなふうに(笑)。

マジンガーZの罪は重い(笑)。
今回の展示、扱っていない作品も多く(あまりにも多いのでスペースとコスパ的に選択せざるを得なかったか?)、どちらかというとある程度エポックメイキングかつメジャー作品が中心。子供の頃に見たものを懐かしむ層向けかな。
平日だったせいか、来場者に子供はもちろん若い人もまばら。8割は中高年以上だった印象…(^_^;)。
できたら簡素でもいいから「スーパーロボット」ジャンル全作品を網羅した年表みたいなものがあれば…、また、人気作品が世界で活躍する様子も伝えてほしかった。少なくとも外国資本で制作された「実写版ボルテスV」、海外で大人気の「グレンダイザー」等の紹介がなかったのは残念というのが偽らざる感想です。。。マニアには少々物足りなく感じるかもしれません。
画像が多くて恐縮ですがこれでも展示のごく一部です。
日本で生まれた「巨大ロボ」「特撮」というジャンルの偉大さと世界の評価は厳然。クールジャパンは世界に誇れる文化です。
スーパーロボットにときめいた幼少の頃を過ごした世代には間違いなく刺さります。
またどこかで開催される機会があったら是非足を運んでみては(^^)。