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2011年03月16日 イイね!

ニッポン放送

毎日予断をゆるさない福島第一原発。現在も命がけで原発の復旧作業をされている作業員の方、そのご家族の心情を思うと、私の語彙ではかける言葉も思いつきません。必死の努力が報われる事を祈るばかりです。

仕事では東京の方のクライアントの会社も自宅待機になったそうで、今の通勤の状況、物理的にも精神的にも大変になってきています。考えてみれば当たり前の生活のウラで、どれだけの人の苦労に支えられていたか少しわからせてもらったのかもしれません。被災地でない私たちが今できる、節電、節約、義援金、不要な買いだめをしないなど、これまでの便利に感謝してのお返しです。

また、被災地の方が1日の食事がおにぎり1個とか、笹かまぼこ1個とか聞くにつけ、賞味期限切れの大量の弁当が容赦なく破棄されていく映像を思い出してしまいます…。今、弁当が余っても同じ事ができるのでしょうか?

                ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

さて、3月11日の14:46。
いつものようにラジオを聞きながらPCに向かって仕事をしていました。ちなみにこの日はニッポン放送の「上柳昌彦のごごばん」を聞いていたのですが、上柳さん(ニッポン放送のアナウンサー)が番組の中で誰かと電話で会話をしているところでした。

いきなり「スタジオが揺れています」と言った少し後、自宅が揺れだしどんどんその揺れが大きくなってきました。壁や天井がミシミシ音を立て始め、モノが倒れないよう必死で本棚など押さえつつ身を屈めましたが、背中の方から何かが床に落下する音がして、「こりゃいかん」と太い柱の方に移動しました。仕事場になっている部屋は半地下室で天井はコンクリート。正直「もしかして…これで…」と最悪の状況が頭の中をよぎります。恐怖の時間はホントに長かった…。やっと揺れが収まり家族の様子を見にいきましたが、幸いみんな怪我も無く、棚が倒れたりモノが散乱したりとかの被害はもなかったようです。仕事場も、いくらかの飾り物が落下したくらいですみました。しかしその後のTVで見る惨状は想像を絶するもので、今更ここで語るべくもありません。各部屋など大きな被害も見当たらなかったので、仕事に戻りそのままラジオで地震のニュース放送を聴いていました。

この時の上柳アナウンサーの対応が実に冷静沈着で、揺れたその時から、その後の状況の移り変わりの伝え方が実に見事だったのです。経験したことのない揺れにおののきながら必死で身を守っている時に、ずっと「落ち着いて行動してください」とのラジオからの声が絶え間なく聞こえていた事でこちらも少し冷静になれたように思います。ラジオのスタジオだって相当に揺れていた事と思います。これがタレントだったら失礼ですがこうはいかないでしょう。本当に的確な放送でした。

この上柳アナウンサー、「ごごばん」という番組内では、カタカナの単語をよくかむので、ゲストやアシスタントから突っ込まれる事が多いのですが、さすがというか有事のときは何一つ間違えず、彼自分の中で情報を租借してわかりやすく伝えようとする姿勢がよくわかります。かたやTVのニュースに目を移すと、原稿棒読みにもかかわらずとちってばかりの女子アナ。この期に及んで一刻を争うニュースがあるのか?出来ないなら出来ないなりに少しくらい時間をとってもいいからもっと分かりやすく情報を伝えて欲しいと、見ているとイラついてくることもしばしば。本来の仕事、ちゃんとニュースを読めないアナウンサーはTVに出ないで被災地に物資を運んで欲しい。

地震があって何時間か後、石原都知事の会見がありました。この頃にはただ事ではないと誰もが認識し始めていましたから、都知事がどんな手を打つのか期待しながらその内容に注目したのです。ところが、しばらく聞いていて具体的な内容は皆無で、今の内閣にはたいした事できないとか、昔の偉人がこういっていたとかKYなことばかり…。何を言っているんだ、いつ本題に入るんだと思い始めたそのとき、上柳アナウンサーが「こんな時にそんな事言ってる場合じゃないですよ!」と都知事の会見中継を途中でカット、刻々と入ってくるニュースを再び伝え始めました。この対応、全く正解で上柳アナウンサーとニッポン放送のとっさの判断に敬意を表します。その後の都知事の物議をかもした発言からも、もとよりこの人に庶民感覚などないんだとあらためて思わされました。このときの放送、マスコミのあるべき姿の一端をかいま見た思いです。

                ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

停電になって初めてラジオを聞いた人が多いそうです。もちろんラジオの放送が全てだとは言いませんが、ラジオの情報はTVと違って一方的ではなく、自分の頭で整理する作業が加わります。そうすることで情報を精査する知恵が養われるような気がします。またTVより、話している人(パーソナリティ)を身近に感じます。もちろん映像による情報を否定するものではありませんが。

こんな時にニュースがワイドショーにならない事を望みます。コメンテーターも多すぎではないですかね? 節電・節約を言うのなら民放各局も輪番で放送する時間帯を決めたらどうですか? そしてガソリンスタンドに延々と並ぶクルマの列や買いだめしている腹立たしい人たちを映すだけでなく、関係各所にもちゃんと取材をして、具体的にこの状態はいつ解消する予定なのか、配送計画や生産の状況などもからめて不安を解消するような報道をしてほしいものです。

最後になぜインターネットラジオが「ラジコ」なのかというと、ラジオ(ラジ夫)に対してラジコ(ラジ子)なんだそうです。

追記(3/17)
ソニーが3万台、パナソニックが1万台のラジオを被災地に提供するとのこと!
安定した情報の収集、心のケアの為にもラジオは必要だと思います。他のメーカーさんにも期待します。

Posted at 2011/03/16 21:27:36 | コメント(3) | トラックバック(0) | 雑感 | 日記

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