![栄光のル・マン 栄光のル・マン](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/021/625/426/21625426/p1m.jpg?ct=75327e502c4a)
長丁場のレース開始です。最初の数周は様子を見ながら走るリズムを掴み、それから徐々にペースアップしていきます。
今回の走りのリズムを音楽で言うならロックですかね。
先が長いので体力も温存せねばならず、皆同じロックのペースで様子見かと思いきや全員目を三角にしてスプリントペース。
もうロックどころじゃなくて最初からヘビメタですよ!
チンタラ走ってた私は場末のスナックで小指立ててド演歌歌うオッチャンペースと言えば解りやすいでしょうか。
すぐさまパンクロックにペース変更で前を行くマシンをパスします。
しばらく走って順位も上がってきた所でライダー交代。
コンチ君はクレイジーなハイペースで周回して更に順位を上げていきます。
しかしそのペース故の転倒もあり、集中力がバラけたと判断してH君に交代します。
危なげない安定した走りでH君は前走者をパス かなりトップにも近づいた所でT村君へ。抜かず抜かせずで順位を維持。
そして予定時間を走り私へライダー交代です。
時間は昼前で気温も上昇 ライダーにもマシンにもストレスが掛かります。
そんな時にインフィールドで前方のマシンが転倒。
天才的なライディングでこれをかわしたと思った刹那、イン側に置いてあった廃タイヤに接触して吹っ飛んでしまいました。
空中で半回転「ヤバイ、このまま背中から落ちたら相当痛ぇ!」
柔道でもやっていたのならば受け身でも出来たものを、生憎と剣道部だった私はそのまま背中からコースに交尾失敗のカエル宜しく落下。
強い衝撃を背中と腰に受けて呼吸もままなりません。それでもコース復帰すべく身体を起こそうと必死。するとマーシャルのヒョロい兄ちゃんがハンディ無線機片手に近づいてきました。
「大丈夫ですか!?」大丈夫のワケが無い。
私は「お前!俺を起こせ!!」と言ったつもりが声にならず、「おぉう~」と洋物エロビデオ男優の喘ぎ声みたいな力無い声を発するのがやっと。
「そうですか!頑張って!!」彼はガッツポーズを私に見せて立ち去ってしまいました。
馬鹿者!助けんかい!
痛み堪えて立ち上がり、マシンを起こして再スタート。
マシンダメージは無い様子。背中は少し痛いがなんとか走れそう。
それにしても暑い、もう交代の時間では?私の転倒を見て心配して早めに交代の準備をしているかも知れない。
メインストレートでピットを見ると..
皆メシをむさぼり食ってます。
エースの転倒無視して昼飯とは不埒な悪行三昧。
一向にこちらを見ないのでストレート通過時にピット前でシールド開けて「変われィ!!」とシャウトしますがナニを勘違いしたか手なんか振って相変わらずメシ食ってます。
満身創痍のライディングを終え、やっと交代でピットロードへ。
満腹のアホ面で待つコンチ君もろとも跳ね飛ばしてやろうかと殺意渦巻くライダー交代。
そして長い8時間はチェッカーでレース終了。
気になる順位発表です。
水を打ったような静寂の中、アナウンスが響きます。
第三位はチーム●●!
そのチームなら確か数回抜いた筈、もしや二位では?
二位、そして優勝チームがアナウンスされましたが我々のチームではありませんでした。
T村君は異議申し立てに大会本部のテントに怒り心頭の面持ちで向かいます。
しばらくして帰ってきたT村君、まるでヨメに逃げられた千円亭主の様にフラフラとした足取りではありませんか。
彼曰くウチの急ごしらえテント作成時、ピット裏通路を塞いでいたのでペナルティ減算20周。
結果25位でした。もうワケワカ。
「テメエがダセエテント張るからだヘタクソ!」「呑気にメシ食いやがって!」「レギュ作った奴殺す!」
紙コップ飛び交い内輪モメ起こす漢達のバックで流れるアナウンス。
「...え~最後に特別賞であります目立ったで賞はチームHRCの皆さんで~す」
イマイチ素直に喜べない微妙な賞を胸に、放心状態の漢達を夕日が赤く染め上げる。
そして我々の夏は終わったのでした。
----------------------- 完 -----------------------------
Posted at 2011/02/28 20:00:53 | |
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高知市突撃 | 日記