![睾丸MIDNIGHT 第5話「失速」 睾丸MIDNIGHT 第5話「失速」](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/031/236/538/31236538/p1m.jpg?ct=29943dfbdf45)
全開で車速がジリジリと伸びていく。
普段の通勤時には直線だとばかりに思っていたトンネルも、この速度域だと若干左に曲がっている事が分かる。
「フン、何がRだヨ 見せてもらおうか、VR38の性能とやらを!!」
シュバァァァァァーーーーッ!!
Rが吠える。
高級感溢れ、それでいて回りそうなエンジン音がトンネル内に響き渡る。
オッサン、やる気かい!と思ったらアッチュー間に視界からRは消えました(笑)
何ソレ。
スズキ チョイノリと隼位の差があるんじゃないの?
抜かれ際にナビの女が手を振っていたような気がしたが、それどころじゃネーヨ。
しかしよく考えても見ろ、奴のクルマは一体ナンボするのか知らんが、ワシの悪魔は税込3万ポッキリ。
R相手にこれだけ張れりゃ立派です。 国民栄誉賞かカー・オブ・ザ・イヤー貰っても不思議じゃない。
明日辺りはカーグラフィックTVの取材来るかもね。
残りのコースはクールダウン。
市街地を抜け、通勤道最終の峠セクションに差し掛かろうとしたその時、前方に真紅のS15を発見。
ケツのエンブレムにスペックRっ書いてあるゾ?ターボか?NAか?
スペックSってのもあったよナ?ワカンネーな。
乗ってるのは、、、おっ、女?じゃNAでキマリだナ 多分ATだろう。
つーコトは160馬力位だから俺と似たようなモンか。こりゃ楽勝だゼ。
背後に付かれるのを嫌がってか、S15が速度を上げる。
峠の覇者S15シルビアと言えど見た所完全ド・ノーマル。
対する俺様駆る悪魔は泣く子も黙る本物のチューンド。
クルマもドライバースキルも格が違うんだヨ オネーチャン。別れても好きな人でも歌ってろ。
上りの中速コーナーを左右に切り返しながら悪魔がS15のテールを捉える。
完全に射程圏内に入った。
「悪いが実力差が有り過ぎるぜ。言っておくがこれはバトルではない、セミナーだ!」
そのまま抜くのも当たり前過ぎて面白味が無い。
本物の凄さを御理解頂く為には俺様の高度なドラテクをトーシロ姉ちゃんに強烈に印象付ける他ありません。
そしてこの体位から繰り出す最高技術と言えば、そう あの”ブラインドアタック”しか無いですよね、お母さん。
おもむろにライトOFF
うっは、思っていた以上に暗いぞ・・・・ サッパリ見えんワ。
これでガードレールに刺さったらタダのアホでしょ ヤメヤメ。
ライトON
ブイッとモーター音をコックピットに響かせながらライトがポップアップ。
パッシングされたと思ったのか、S15はしきりにミラーでこちらを確認している。
このままだと変質者と勘違いされかねないので一気に終わらせないと。
次の左でアウトから被せ、先の短いストレートで前に出る。
カーブミラーに対向車のライトは見えない 今だ!
インベタでロールしたS15のアウトから並ぶ。
ステアへの振動が気になるが、舵角を最小に保ちつつ、更にアウトへ立ち上がる。
ミラーで車間を確認後にS15の前に出た。
そして一気に引き離す。
ボフッ!ブモモモォ~ッ、ボフッ、ブォッ!
エキゾーストの音色が変わった
もう終わりが近いというのか…SW
俺様の命が先に尽きるか…
それともコイツが先に息絶えるか
答えろーーーーッ!SWーーーーッ!!
※因みに全てノンフィクションでお送りしております。
<つづく>
Posted at 2013/09/27 23:24:58 | |
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SW20 | 日記