浄土

　今日は、昨年身罷った義父の一周忌法要。
　命日よりも1ヶ月以上早いタイミングだが、諸般の事情でゴールデンウィーク中に執り行うこととなった。


　義父と同級生だったお坊さんは、読経だけでなく毎度毎度面白いお話をしてくれる。
　今日は浄土についてのお話だった。


　今日の一周忌、来年の三回忌、ちょっと開いて七回忌と集まるのは、生前の様子を懐かしみ故人を偲ぶだけでなく、魂が浄土へと昇りつつある故人の背中をポンと押してあげるプロセスなのだとか。
　故に浄土とは、どこか遠くにある場所なのではなく、私たちの身近に存在する。
　故人の魂が向かうだけでなく、その魂がいずれ新たな身体を得て輪廻し、母親の胎内に戻ってくる。

　お坊さんは我が子たちと正対して、君たちはそうしてこの世に生まれてきたんだよ、と諭してくれた。


　それらの教えを全て込めた一休禅師の歌(一部異説あり)を詠んで、面白くも有難いお話は終わった。


　「極楽は西にもあらじ東にも
　　　　　　　　来た路探せ皆身にぞ在り」