超過

　全国紙・朝日新聞が運営するニュースサイト「朝日新聞DIGITAL」の配信記事から『老いる信号制御機　４万基が更新時期超過、事故招く恐れ』に注目。


　私が社会人生活を広島でスタートさせた前世紀末、旧市街中心部の中区幟町と橋本町の境にあった「橋本町6番11号」交差点の信号機は、今思い返しても信じ難い設定で運用されていた。

　深夜に横断交通が少なくなる郊外の幹線道路で、本線側・黄／支線側・赤の点滅信号となる信号機は多いが、その交差点信号は完全に機能を停止・消灯していたのだ。


　まだLEDが普及する前だったので、今よりも消費電力は多かったろうが、さりとて深夜時間帯に消灯していたからといって、大した電気代の節約にもならないし、電球の寿命が劇的に伸びるとも思えない。
　そもそも交通事故発生で人命が脅かされるリスクと、電気代・電球代を比較すること自体が不謹慎だ。


　しかし私が暮らしていた5年間で、死者が出るような甚大な事故が起きたとは聞いていないので、中途半端に信号を点滅させておくよりもドライヴァーや歩行者が慎重になり、意外と安全なのかもしれない。



　それにしても警察庁および各都道府県の公安委員会・警察組織は、時に過剰とも批判される交通取締りでせしめた反則金・罰金を、一体何に費やしていたのだろう。

　存在意義が希薄な外郭団体の運営や、効果不明の広報活動に支出するより前に、最優先で予算を投入し、交通信号機の心臓部にして頭脳たる制御器の更新を進めるべきだ。

　また故障の際には、自律的に点滅信号機の設定に切り替わる／通行するクルマ・歩行者へ信号機故障が発生した旨の情報が迅速に伝わるよう、改良を求めたい。



　併せて、通行するドライヴァー・自転車・歩行者も、信号機が故障している可能性を踏まえて慎重な交差点への進入が求められよう。

　デヴァイスに視線を遮られ、音楽で耳を塞がれたまま歩行または自転車／自動車を運転していては、信号機故障に因る事故発生を回避できない。