免取

　全国紙・朝日新聞が運営するニュースサイト「朝日新聞DIGITAL」の配信記事から『右翼団体２０人の運転免許取り消しへ　街宣車で暴走』に注目



　鳩山元首相への好悪の感情、また言動の適否はさておき、極めて当然の処分である。
　東京以外にお住まいの方、あるいは平日昼間の時間帯にしかお出かけでない方はご存じないかもしれないが、土曜休日の麻布・飯倉界隈で狼藉の限りを尽くす右翼団体の行為は、あらゆる法律を駆使して排除しなければならない。


　それこそ流れるような名調子で滔々と主張を述べ、大型バスを改造した街宣車のスピーカーから、エッセンスとして軍歌が流れる程度ならまだ許せる。

　ところが昨今の右翼団体は、比較的小型のワンボックスカー・四輪駆動車・マイクロバス等で長い隊列を組み、大使館街へ突入を試みる。
　警察は飯倉・二ノ橋などの交差点にバリケードを張り、外交施設の平穏を尊厳を護るべく、街宣車の侵入を防ぐのだが、頭を抑えられた隊列が交差点を塞ぎ、周辺の道路交通を麻痺させてしまう。

　ある時など比較的広大な飯倉交差点の中で、隊列が渦を巻くようにデモンストレーション走行を始め、好き勝手し放題。
　偶然の通りかかった都営バスに乗車していた私は、10分近くも足止めされた。


　右翼団体が原因の交通渋滞で、週末の行動予定が狂うぐらいならともかく、帯同する子どもの耳を塞ぎたくなるような汚い言葉の数々は、日本語の美しさを至高のものとする人間にとって看過し難い。
　バリケードの最前線に立つ警官の個人名を大音量で読み上げ、更に暴言の限りを尽くし罵る。
　これが日本の在るべき姿を目指して活動する人間が、為すべき行いだろうか。仮にその団体の主張に誤り無しとしても、正当性を喪わせしめるほどに聞き苦しい。


　違反行為を遺漏なく検挙するだけでも、恐らくは相当な抑止力になるだろう。
　国土交通省とも協力し、違法な改造なども炙り出して車輌の運行を停止させることも想定しうる。

　彼らの狼藉を、社会の平穏に害為す犯罪として罰せられなければ、昨今議論を呼んでいる「共謀罪」などはいったい誰を処罰するんだ……ということにもなりかねない。