今回は九州/沖縄/四国の旅の番外編です。
実はあの旅は“無事”に終了した訳ではありませんでした。
途中の奄美大島2日目に単独事故を起こしていました。
損傷具合によっては旅を中断か? と、その瞬間は愕然としましたが、走行には支障が無い事が判ったので旅を続行しています。
但しその後の旅中は気分が沈み気味だった事は言うまでもありませんが、不思議とクヨクヨはしていませんでした。
それは『自分に過失は無い』と自負していたからです。
2月25日午後1時30分、瀬戸内町で昼食をとった僕は海岸沿いの県道79号を西に向かって走行していました。
リアス式海岸沿いの道は湾が入り組んだ場所には集落が在り、次の湾までには山越えをすると言うルートです。
集落の近辺ではセンターラインがある良く整備された道で、山道になると道幅が狭まりセンターラインの無い対向車とのすれ違いがギリギリな道になる事を繰り返します。
その様な走行を繰り返していると!
上り坂の頂点に差し掛かり、今まで見えていなかった路面が目に入った瞬間!
左前輪が通過するコース(赤ライン)にとんでもない轍/段差が!
咄嗟にその左に進路を変更して通過しています。
対向車が心配で右には避けられませんでした。
あまりに突然だったので避けるコースの判断とカーブミラーの確認を瞬時に行えませんでした。
そのままの進路で進んでいたら左に横転、もしくは下回り/オイルパン等に重大な損傷が有ったと思います。
何とかその危機を脱したと思った瞬間!
左前輪走行ライン(青線)の先に今度は盛り上がったコブが!
そこに乗り上げた瞬間に左前輪は完全に路面を離れたと思います。
その後にハードブレーキをかけるも間に合わず、左のガードレールに接触して停止しました。
慌てて少し車をバックさせて損傷状況を確認しました。
フロントバンパーとヘッドライトとその横パネルに助手席ドア前縁が損傷していました。
車内で感じた衝撃から予想したよりは軽傷だったので良かった。
「ガンッ、ガガーー」だったので。
しかし恐る恐る車体中部を確認すると?
自作したステンレス排水タンクがベッコリと凹んでいます。
このは後日に撮影した損傷部分。
一番心配していたシェル部分は奇跡的に全くの無傷だったのが不幸中の幸いでした。
もしシェルの外壁部分をへこましてしまっていたら・・・。
分解/修復/組み立てに何日掛かるやら。
そのままでは危険なので車を一旦安全な場所へ移動して現場検証しています。
路肩の土の部分ではブレーキが効くはずもなく、右前輪はスリップマークをこのしながらガードレール方向に進んでいます。
先の赤丸付近にフロント部分をぶつけ、手前の赤丸部分で排水タンクを凹ましたようです。
その後にドラレコの映像データで確認してみると、衝突前の速度は時速35キロと記録されていました。
少し気持ちが落ち着いたところで色々と検証してみました。
確かに手前にはこの標識が有ったのは確認済みです。
しかしあの窪みの深さは単に『段差』で済まされる問題ではないでしょう!
最低地上高に問題がない我キャリイ号でも亀状態になる事は必然で、もし僕の仲間の2.5m高の軽キャンパーがそのまま通過したら確実に横転していたでしょう。
普段からフロントの突き上げに閉口している僕なのですから、『段差有り』を確認したら速度は充分に落としています。
それでも避けたラインに今度は突起が在るなんて・・・。
知らない状態で何回通過しても同じ状況になると思います。
これが「自分には過失が無い」と思う所以で、それ程落ち込まなかった原因でしょう。
そして路面には轍に嵌まった車が残したガリ傷が多数残されていました。
ガードレールにも補修跡が何箇所も確認出来ました。
この日は生憎日曜日だったので、翌日月曜日のフェリー船内から当局へ一言連絡を入れました。
「あれは段差ってもんじゃ無いっ、パイロン置いて片側交互通行にするべき」と。
この午前中に遭遇した、手前に一切の標識無しに現れる崩落現場の事も付け加えた事は勿論です。
「離島恐るべし!」
もう二度と行くことは無いだろうけれど位置を正確に記録しておきました。
助手席ドアはこの時点で開閉時に引っかかりが有り異音が発生しています。
その場に有った落ちていた木の枝を挟み込んで何とか一時的に修復していましたが、沖縄で合流後の娘には雨漏りの洗礼が待っていました。
どうやらドアが歪んでしまった様です。
敢えて告知しなかったので娘は旅中にクルマの損傷には気付きませんでした。
案外、所有者ほどにはヒトの車には興味がないのですネ! (笑)
さて、帰宅後に修復作業を始めました。
車体の方は自動車板金修理工場へ任せるとして、排水タンクはDIYです。
幸いにも点検パネルの方は裏から軽く叩いて研磨で修復できましたが、その後側はこの状態なので切り貼り作業が必要になります。
この部分、製作時に一番手間がかかった場所なんだよな〜。
もうこうなってしまったら裏から叩いてもどうにも成りません。
ケース全体も歪みが出てしまっています。
兎に角やれるだけやってみて、自己審査合格点まで到達出来なかったら造り直しを覚悟しました。
損傷部分のパネルを切断しています。
修復に一番良いラインでカットしました。
この部分を切り離したら全体の歪みが戻り、少しの修正で戻せそうです。
外してある点検パネルとのチリ(隙間)を考慮しながら修復用部材の寸法取りをします。
難易度の高い作業なので失敗した時用に部材を2枚用意しました。
原寸の1ミリ手前位でカットしたパネルを現物合わせで擦り合わせして行きます。
正確に寸法合わせが出来たので溶接して研磨しました。
ここまでで本業終了後の残業時間を使って2日掛かっています。
点検パネルを取り付けて各部のチリを確認しています。
100%復元とまでは行かなかったけれど、オマケで90点の出来かな?
これで再製作はしなくて済みました。
車体の方はまだ戻ってこないので、その間にもう1箇所の補修をしています。
cwシェルの乗り降り用のアルミステップの踏み板位置決めFBが想定外の角度で降りてしまった時にシェルを凹ませてしまった時があります。
その凹みを体裁良く隠すためにパーツの製作をしました。
シェル下部のRに合わせた側板と固定用の裏板を溶接/研磨しています。
微妙に違いが出ているRに合わせる研磨が大変でした。
相手側Rが取り付け時に少し無理しているので規定(57R)が狂っています。
へこみが隠れる位置に取り付けしています。
もしも用にゴムクッションをつければオーバーライダー風の見た目になります。
この計4枚の側板の擦り合わせにも2日掛かりました。
ゴムもステンレス板も在庫品だから費用はゼロです。
車体の右側の2箇所だけだと見た目のバランスが・・・。
しかし、機能的に必要ない物を無理につけてもな〜。
と、自分に言い訳して逃げちゃいました。 (笑)
後日、板金修理の終了連絡が来たので引き取りに行きました。
ヘッドライトレンズは研磨のみで終了しています。
ドアの歪み?から起こっていた雨漏りも無くなりました。
シェルの赤塗装をお願いした板金屋さんです、腕は確かなので安心しました。
帰社後にすぐに排水タンクを取り付けました。
※ この傷跡が消えたことによってやっと旅が完全に終わったと思っています。
過失の自覚が無いので懺悔はしませんが、敢えて言うなら「あそこは時速10キロだな」(そんなの無理)
【^_^;】