本日の帰宅時に、某「お受験学習塾」の広告を見かけましてね。
そこに某私立中学の入試問題がありました。
その問題を要約すると
①2017年の広島平和宣言に「原爆は絶対悪」という件がある。
②では、東京大空襲や他の攻撃と異なり「原爆は何故絶対悪であるのか」を述べなさい。
と、こんな感じであります。
一般的には
①一瞬にして多くの命を奪った
②原爆炸裂後、72年経っても後遺症に苦しむ被爆者が存在する。
③直接被爆していなくても、放射能障害で多くの人が苦しみ、亡くなった。
④被爆者に対する差別や偏見があり、多くの人が悲しい思いをした。
こういったところが模範解答なのでしょう。
それは判るんですが、アッシは素直に受け入れられません。
まず①に関して。
鉄砲の弾も当たり所によっては、一瞬で命を奪われます。
一瞬で命を奪われるのであれば、苦しむ時間が短くて・・・と考えちゃいます。
アッシの叔母は原爆投下の3日前に、艦載機(多分P-51)の機銃掃射を受けました。
叔母は当時16歳で、勤労奉仕という形で軍需工場で働いていました。
背中から胸に弾丸が貫通して、30分も「痛い、痛い」と苦しみ、亡くなりました。
こういう話を子供のころから聴かされていましてね。
東京大空襲だって、一晩で10万人が犠牲になっています。
多くの命だろうが、少ない命だろうが、一瞬だろうが、苦しみながらだろうが、罪のない人間の命は人為的に奪われてはいけないんです。
これ、原爆だけの問題じゃありません。
②③に関して。
後遺症とは違いますが、戦争や空襲で体の自由を奪われた人が居ます。
こういう人達の苦しみを、ほっといて良いわけ有りません。
ベトナム戦争では「枯葉材」が使用され、現在も苦しんでいる人が居ます。
戦争が終わっても、残った地雷で多くの人が手足を吹き飛ばされたり、亡くなったりしています。
これも原爆だけの問題じゃありません。
④に関して。
傷痍軍人は昭和30年代迄、街頭募金をしていたそうです。
街頭募金をしないと生活できない・・・ということは、彼らも差別され、普通の仕事に付けなかったと想像できます。
戦争孤児も世の中から邪魔者扱いされ、仕方なく駅舎内で生活していました。
なので、原爆の被害者だけが差別されていたのではありません。
以上よりアッシは原爆だけでなく「戦争そのものが絶対悪」であると思っています。
なので、この問題には「原爆だけ特別視するな。戦争こそが絶対悪である」と解答するでしょう。
もう一つ、
2017年の広島市平和宣言を読みましたが、「原爆は絶対にダメ」が強調されて、戦争そのものについては「世界の恒久平和の実現」と表現されております。
戦争は簡単に無くならないので、「まずは核兵器廃絶」・・・なのでしょう。
被爆した「広島市」としては、こういう表現で良いのかもしれません。
でも「原爆は絶対悪」だけを抜き出して、12歳の子供達にこういう問題を出したら、「ふーん、じゃあ戦争は核兵器じゃ無ければ何を使っても良いんだ」って捉えられる可能性があります。
そう考えると、「かなりアブナイ入試問題」です。
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学ぶという事 | 日記
Posted at
2018/10/22 22:53:11