カロッツエリアのアンプGM-X602を簡単に整備しました。
◆不良と思われる箇所
①スイッチ・可変抵抗器類の接触部不良
②コンデンサー劣化
③電源インジケーターの球切れ(電球)
④冷却ファンの劣化?(動作不明)
◆整備内容
①代替を探すのが難しいので、接点復活材にて清掃
USA製のDeoxIT D5という強力なものです。
(ミキサーフェーダー用のグリス等もありますがそこまで必要ないかと)
②全て交換します。容量もUPします。
③電球は入手不可能なのでLEDに変更します
④冷却ファンは他のメーカーの物がありますがテストにて動作しました。
(かなりの高温にならないと動作しないようです)
コンデンサーはチョークコイル後の一次側が3300μF/16V一つです。
車輛に接続したらバッテリーの電圧が常時印加されていますので、低ESRかつ長寿命品の電源用としました。このアンプではコンデンサーの高さが30mmいけましたので6800μF/16Vに変更。サイズ容量が合致したものを見つけるのが大変ですね。同じお店ではなかなか揃いません。ルビコンとしました。
高周波トランスの二次側はFRDもしくはショットキーバリアDで整流してコイルにてフィルターされて4700μF/35VでパワーTr側に約26V駆動されます。
この電圧と供給容量で出力は決まります。
ここは4700μF/35V で変更なし。ニッケミとしました。
それにふさわしいパワーTrが使われているわけですが、結構高域の帯域幅が高いのです。カタログでは65kHzとなってますがそれにふさわしいTrです。
ドライバー側は330μF/65Vですが直径が10mmと細いのです。
高さは30mmいけるのですが中々見つかりません。電圧は50V以下なので、65V品にする必要もなく結局330μF/50Vとしました。ELNAとしました。
制御系は汎用品コンデンサーとし、カップリングはオーディオ用ニチコンMUSE ESのBPにしました。音に関係しそうな制御系デカップリングは東信としました。
オペアンプは変更していません。ゲインと位相反転用としてJRC NJM2068DDが使われていますが、2回路の一つをバッファとして1チャンネルで2回路使われています。画像では3個ありますが1つがLRのBASSブースト回路で残り二つが前段の位相変換兼増幅回路です。ですから容易にオペアンプ交換はしない方がトラブルが少なくなります。なぜならバッファ(ボルテージフォロワ回路)で発振するオペアンプもあるからです。NJM2068DDも悪くは無いのでそのままです。
フィルター等のアクセサリー回路は全てこの時期の定番のNECのμPC4570HAです。かなり安定しているオペアンプなんでしょうね。アクセサリー回路に関しては部品交換していません。あくまで2回路の純粋なアンプとしての利用を想定したものです。スイッチOFFにてバイパスされます。
このアンプもAlpine等と同様にLとRは位相が180度異なります。スピーカー接続にて位相を直すというやり方です。ですからLとRの極性はアンプのGNDとは異なります。LのマイナスはGNDと同電位でRのプラス側がGNDと同電位です。
電源のマイナスとスピーカーLのマイナスは同電位です。ですがRCAインプットのマイナスは電位が異なります。ハイローコンバーター等のアース接続でRCAのマイナスがバッテリーのマイナスと理屈的には短絡してしまいます。注意が必要です。
どうなるかは一度やってみたいです。壊しても良いアンプでいつかはやってみたいですね。
電源ランプとカロッツエリアの表示ランプは2Kの抵抗を介し、LEDに付け替えました。電源は赤色としカロッツエリアの表示は緑色としました。いずれもゴム製の電球カバーで色が変わるようになってます。それはそのまま使いました。
コンデンサーへの電圧をかける事で交換部品の慣らし運転(よくエージングと呼ばれますが)と、部品交換に間違いがないかの様子見確認を程よくして特性を測定しました。
整備前との比較ですがあまり変わってませんです。高域がカタログ値まで上昇したのとフラットになった。そして実効的な出力がちょっとだけ上がりました。
誤差ともいえるかもしれません。出力は正常波形としての64Wです。
これは両チャンネル同時駆動の測定ですので正確です。
出力に伴い電圧低下がありますから、最大出力に関しては現在の機材の環境では正確ではないです。パワーサプライの容量が30A以上のものが必要です。
さて音質ですが、初見(聴く)では低音が豊かでボーカルも浮き上がって聞こえるといういかにもポップスに合いそうです。で、Alpine3542改造品に替えると低音が締まるのが分かります。低音の制御はAlpineが良さそうですが普通に聞く分にはこちらの方が疲れなく良いと思います。低音も多少はボン付くのですがそれはそれで豊かに鳴るので良いのではと思います。
このアンプを車両につけてパワー感や低音などどうなるか試してみたいと思います。パワーも50W以上出ますからね。軽自動車とは言えやはり最低でも50Wは欲しいです。
Posted at 2020/12/18 21:04:01 | |
トラックバック(0) | 日記