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2020年07月31日 イイね!

アンプ整確認用システムの再考察(ロックフォードEQの蓋開け)

アンプ整確認用システムの再考察(ロックフォードEQの蓋開け)ロックフォードのアナロググラフィックイコライザーの蓋を開けました。USA製ですからネジもインチなんですよ。確か持っていたはずなんですが見つからず結局ホームセンターでインチの六角レンチを買ってきました。

で、やっと蓋を開けたわけですが、何故蓋を開けたのかというと、ノイズが回り込んでくるんですよ。ナカミチのノイズ調査をしていたらこのEQが原因であることが判ったのです。これを繋いだら数mVのACリップルが全体のシステムに乗るんです。これも古いわけですから色々劣化が進んでいるのは想像できるので、修理できればと思ったわけですが、修理するよりもこれを使わない方が良いと結論に至ったわけです。

アナログですから周波数調整分のオペアンプがあるのは当たり前なのですが、これを眺めたらアンプの確認用には到底使えないと思ったのです。周波数の細かな調整もありかなり複雑で補正用には全く問題ないのです。もちろん車両に積んで使うのには全く問題ないのですが、只スピーカーの補正用として使うとしては? なのですよ。出来るなら何も途中に入れたくないんです。

元々のカー用デッキの内臓DSPのグライコの方が良いかもしれません。低音の持ち上がりがあるのもあるのですが、電源を入れるたびにプリセットを調整する必要があります。

理想を述べますと、
・CDデッキはデジタルですからアナログに戻さずデジタルのままでEQ補正をすると全く音の劣化は全くありません。処理は大抵24bitで、唯一音に影響あるのがADコンバーターだけです。
・手持ちの民生用・業務用プレーヤーにもデジタルアウトはありますからDSPのデジタルINでデジタル接続してデジタルのまま補正する。
・手持ちの機材で考える。昔はアナログミキサーに色々なアウトボードを接続して音作りをしてましたから、かなり捨てましたが未だにいくつか持っています。
・カー用DSPではなく業務用を使ってみる

再構築としては下図となります。




・デッキからデジタルのままマルチエフェクターに信号を入れる
・マルチエフェクターはSONYのDSP-V77(電池切れで交換面倒)ではなく、TC ELECTRONIC M-ONE(デジタルIN/OUTあり)とする

で、数年ぶりに電源を入れてみましたが表示がおかしいのですよ。キーも受け付けないし。
リセットをしてみました。以前リセット方法を調べて書いた記事があります。
この記事は結構沢山のアクセスがあるんですよ。SONYのアウトボード類のリセット方法とか電池改造もかなりの方たちが見に来ています。
見に来られた方たちはリセット後無事動作しているのだろうか?

アウトボード類の確認とリセット作業

これでいけると思ったのですが、通常操作できず・・・
1."ENTER"ボタンを押しながら電源ON
2.バージョン名が表示される



3.ロータリーエンコーダーで"Crear all presets"を選択して"ENTER"をおすと



"Clear/reset done" が出でクリア/リセットできました。



ロータリーエンコーダーを回し、"Reset sys param?"で"ENTER"で同じく"Clear/reset done"の後、操作できないのです。海外を色々探すがリセットの仕方ばかり。私の記事が出てきたりとか。
何度電源を入れなおしても同じです。

結局、分解調査、出来れば修理することにしました。コロナで自宅ばかりだし。デジタル部分なら無理ですけどね。多分電源類が壊れているのでしょう。使っていなくても消耗品が駄目になっているのだと思います。TC Electronicもいきなり安いものを出すようになってきましたからね。とは言ってもこれで定価8万ですよ。ぼったくりです。まだSONYの15万の方が価値があります。

次回は分解・調査・修理編を。

Posted at 2020/07/31 23:30:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年07月28日 イイね!

EV S-40スピーカー改造品にてアンプ確認用とします

EV S-40スピーカー改造品にてアンプ確認用としますカーオーディオパワーアンプをいくつか整備していますが、それらの確認用のスピーカーを正規のEV(エレクトロボイス)S-40からS-40改造品に変更しました。というよりは元に戻したというのが正しいかも。

EV S-40は家庭用というよりは、施設のBGMとかイベントの簡易PAとか楽器モニターとして作られています。業務用ですから丈夫で年中鳴らしても問題ない様に作られています。音質は良いですよ。聞き耳立てるというよりは聞き流すという感じでおおらかです。
販売もオーディオショップでは売ってません。楽器屋で買うという感じです。

予備品として新品のEV S-40を保管していたものを何かのついでに特性を測りましたら、結構バランスが良いのでこれに変更したわけです。しかしですよ、どうもアンプの違いが分からないのです。もちろんこのスピーカーは業務用ですからどのようなアンプでもきちんと鳴ります。万能なわけです。スピーカーのエージングが進めばとかよく言われますが、このようなスピーカーには当てはまりません。用途が違うわけですから、そしてアンプを選ばないというのは逆に確認用としては落とし穴となりますよね。

特性がこれです。



バランスよいでしょう。低音も良く出るんですよ。ぼんつきますが視聴用には問題ないです。ハウリングや室内のふわーんといった共鳴する周波数域が上手く減衰してますね。

実はEV S-40をもうひとペア持っており、それはウーハーが壊れていた物でウーハーをナカミチSP-50sに交換しただけのものです。特性が中途半端なんですよ。ツイーターの音圧レベルが違うというか。ナカミチSP-50sの方が能率が高いんです。



6Khz~12kHzの谷があるでしょう。これがあるから毎回EQで持ち上げていたのです。低音も一応出ていますが締まりがないです。オリジナルS-40より良いのですが...
最大の目的はスピード感がやはり違うんです。
周波数特性に現れない視聴して分かる違いというものです。
ナカミチ S-50sの方が断然アンプの違いや歪があるかどうかが分かります。
Alpineのアンプを整備した時に確実に違いが分かったんです。

で、色々調査しました。
ポイントは、
・ネットワークを調べてカスタマイズして6Khz~12kHzのディップを無くすことが出来ないか
・ツイーターをもっと能率の良いものに交換できないかです。

これがSP-50sです。シビックにてアウターバッフルで使用していて雨水の影響をあまり受けてませんので綺麗です。



マグネット側です。
マグネット側にひっくり返すときは絶対にエッジを床等で押さえつけない事は重要です。保管するときもこのようなインナーバッフルでエッジを保護して保管します。よくオークションとかで平気に裏返ししている画像がありますよね。あれは駄目です。写真撮るだけならまぁ良いとしても裏返して保管するとエッジが痛み。マグネット側のダンパーも伸びてしまいます。注意です。



このスピーカーは侮れませんよ。本当に貴重品です。
ツイーターは残念ながら壊れてしまいました。

ウーハーはこれを付けています。

EV S-40のツイーターを取り外してみました。



ソフトドームで振動板径は28mmです。キャビネット側の穴のサイズが28mmなので手持ちで交換できるようなものは無いです。

で、そのままこれを使用します。


S-40のディバイディングネットワークです。



係数はもちろん通常のネットワーク計算通りにではありませんでした。
色々なスピーカーを拝見しましたが、計算通りのネットワークのコンデンサやコイルの数値にはお目にかかったことがありません。そのユニットにあう設計値となってます。

保護回路が凄いでしょ。通常は光らない電球で全体を保護して、あのセラコンみたいなのはポリスイッチという一種のヒューズです。3重に保護してあります。業務用ならではですね。
係数を書きますね。LCテスターで測定したデータです。ウーハー側は0.16mHのみで-6dBカット。ツイーターは2.7μFと0.4mHで-12dBでシリーズに10Ω/20Wのセメント抵抗です。20Wも業務用ならではと言ったところでしょうか。最大入力も160Wだっけ? 10Ωの抵抗がATTだとするとそれを取っ払ったらちょっとはツイーターの能率を上げられるかもしれません。



ツイーターだけの特性です。S-40のネットワークを外しています。測定時の簡易保護用のコンデンサーは付けて測定しています。単体でこれですから全体としてはウーハー側に殆どの音の領域を任せるといった使い方です。



これはナカミチ SP-50sの特性ですが綺麗に6KHz以上は減衰していますね。
本当に使い易いユニットです。下手に高域にピークがあったらツイーターと上手く繋がりません。このようにウーハーはきれいに高域が落ちてくれた方が良いのです。

これとツイーターの特性を合わせるとネットワークを自作でカスタムしても上手くいかず意味なしという事が分かります。

ちょっと小細工で10オームのATTのセメント抵抗をパスしました。



これで特性を測りましたらマシになりましたので、パッシブの調整はこれで終わりで、あとはアクティブEQで調整します。まぁ比較できる音が決まったら少々ピークやディップがあっても良いのです。

バスレフはユニットが変わるのと低音の解像度というかスピード感が少なくなるので簡易密閉型とします。低音は落ちますがEQで上げればよいのです。
それから元々のフェルトは捨てて、目いっぱい新しいフェルトを詰め込みます。ポートもフェルトでふさぎます。



ガラスクロステープで塞ぎます。



テープで目立たないようにしました。



特性を測定します。



特性です。



バスレフポートを塞いだので低音は減少しましたね。このユニットのエッジがスポンジタイプのものがあるのですが、あれが密閉に合うといったものでしょうね。SP-350も持ってましたが低音のスピード感は素晴らしかったです。
本当の密閉型はエアサスペンションと言って、コーンを押したらゆっくりと元に戻るものです。空気漏れが本当にないのですよ。

高域のディップは相変わらずありますがこれ位ならEQで何とかなるでしょう。
Posted at 2020/07/28 23:46:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年07月20日 イイね!

ここ最近なりすましメールが一杯

ここ最近なりすましメールが一杯ここ一週間でなりすましと思われるメールが沢山来ています。
在宅ワークを狙ってでしょうか?

アマゾンからと思わせるメール




楽天と思わせるようなメールです。



トロイの木馬が入っているというビットコイン要求メール




最近は畳みかけるようにメールが来ます。
うっかりクリックしないよう注意が必要です。

以前、IT関係の業務もしたことがありますが、以前のコンピューターウィルスはデータを破壊するといったものでして、社内のPC数十台を調査したり再インストールしたりと本当に大変だった経験があります。
またトロイの木馬タイプもありました。それはまさにリモートソフトです。
インストールされているかが分からない為簡単にコンピューター内を探られてしまいます。当時は法律で規制されていませんでしたので、2台で実験したこともあります。例えばCDドライブの蓋を開け閉め、ビープを鳴らす。トロイに感染させたコンピューターからのファイルコピーは当たり前で、画面に相手の操作状態を映し出すとかですね。たしか10年前ぐらいに「ウィルス作成罪」という法律が出来て、現在は作成はもちろんの事、所持も出来なくなっています。

トロイの木馬は本当に怖いです。
Posted at 2020/07/20 20:02:10 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2020年07月19日 イイね!

アンプ確認用ボリュームBOX作成・PA302S動作確認

アンプ確認用ボリュームBOX作成・PA302S動作確認今日は朝イチでパーツ屋さんに行って、2連ボリューム、端子、アルミBOXを買ってきて、ボリュームBOXを作成しました。

カー用のデッキで確認していましたが、特性的に低音が持ち上がっているので民生用のプレーヤーから音出ししてみることにしました。
民生用のデッキはもちろんボリュームが無いので、そのままライン出力をRCAケーブルでアンプに接続すると最大出力で再生してしまいます。PA302Sは定格80Wですから大変なことになります。アンプのゲインを最小としても、ボリュームではありませんので左に回し切っても30W位は出るでしょう。
ですからボリュームが必要です。簡単なパッシブのボリュームBOXを作ってパワーアンプのボリュームとして活用できるようにしました。

BOXにRCA端子とシールドケーブルで可変抵抗器2連50kΩAに配線しました。



それから、確認用スピーカーはBOXタイプで施設用のエレクトロボイス S-40ですが特性に特徴があります。低音がぼんつくのです。中音等も補正したいのです。
施設音響に設置してある調整用グライコはたいそうですので、ほとんど使っていないロックフォードのアナログEQを使ってみました。



これで補正して確認用としたいと思います。カーデッキ内臓のEQは電源切ったらリセットされるので今まではいちいち調整していました。

これが、エレクトロボイス(EV S-40)の特性です。



150Hz付近が持ち上がっているでしょう。小型でも低音が出やすい様にバスレフ構造になっているのですがボンつくのです。低音に制御が無いというか。
ですのでグライコで補正します。これは耳での確認用です。

特性の確認ですが、通常の家庭用オーディオデッキなのでスイープ音源を再生しても20kHzまでもちろんフラットです。デジタルですから16bit/44kHzのDAコンバーターで20kHzまでは確実に保障することとなっています。

再生してPA302Sに入力しスピーカーにダミー抵抗を取付、その信号をSDカードレコーダーに録音しPCにて波形を再現します。
そういう測定の仕方です。

もちろん20kHzまでフルフラットです。もし高周波域まで測定しようとすると、オシレーターの信号をアンプに入力して、オシロスコープで測定したり、サンプリング周波数が96Khzのオーディオインターフェイスで録音することでしか測定は出来ません。20kHz以上は可聴範囲外なので現実的にあまり意味は無いでしょう。ハイレゾの効果としてなら意義はあるかも知れません。

普通に出回っているパワーアンプは平気で最低でも30kHz以上までフルフラットです。後はダンピングファクターとかスピーカーを駆動する能力とか、スピーカーに影響を与えます。それが音質として現れるんだと思います。YAMAHAのPAアンプは当たり前のようにライブで使用されていますが、それをアムクロンに変えたら低音が良くなったとかあるんですよ。でもグラフィックEQで調整するのは当たり前なのでどちらでもよいんです。スピーカーが昔ならBOSEのあの115mm万能スピーカーを8個並べた802?が流行ってたり、その後はEVのSX-300が流行ったり、今は格安のクラシックプロとか価格の安さと手軽さが幅を利かしていますよ。
小規模のライブハウスや簡単な野外ライブではマイクが1000円位のを使っていたりとか時代は変わったものです。シュアーだと思ったらクラシックプロとかですよ。でも音は悪くは無いんですよ。それが十分に使えるのです。

で、動作確認としてのPA302Sの周波数特性ですが、下の画像のようにフルフラットです。



動作確認だけの為、とりあえず必要と思われるコンデンサーを交換しました。
交換したのは一部だけです。動作確認後、取り替えていないものは交換する予定です。



・右中央のコンデンサー4個は平滑回路でオーディオ用の1000μF/50Vです。これは元のまま
・右上は保護用リレーです。その横は保護回路用のICですが見えにくいです。
 電源を入れた際にボンとかプチという音を消すため遅延し又保護用のリレーです
・中央がパワーTrで放熱板に取り付けられています
・その左側がドライバー用のTrでこれも小型の放熱板に取り付けられています。
・青いコンデンサー類は既に交換したものでオーディオ用の105°Cタイプで寿命がちょっとだけ長いです。たしか2000時間。
・パワー部は見事にディスクリート回路です。ドライバーICとか使っていません。
・中央上の緑色のコンデンサーは両極性(バイポーラ)で保護用リレー駆動ICに接続されています。基板にはBPが指定されています。カップリングではありません。
・左上に前段増幅用のオペアンプがあります。ソケットで交換できるように改造されています。元々はNECのはずですがバーブラウン製のものに交換されています。
数百円で買えるものです。まぁ特別良いものではないですね。マニア向けで一万円以上するのもあるんですよ。オペアンプがですよ。標準物で100円位です。
・左上の半固定可変抵抗はゲインですがオペアンプの前のボリューム方式です
 抵抗をシリーズにグランドに接続されていてゼロにはならないようになっています。それから昔流行った高音補正用のコンデンサーがありますがこれはどうなんでしょうか? ほんの少しラウドネスのような効果もあるかと。
・カップリングは緑色のフイルムコンデンサーです。左下の下から2番目と左上のゲイン調整用トリムの下の二つです。これはオリジナルかと思います。
カップリングは音が通過するので良いものをという流れになります。

動作確認としてこのままで組付けました。アイドル調整用の半固定可変抵抗器があるのですが、上手く電圧が調整できないので、若干熱が出ない方向で調節しています。サービスマニュアルが無いので確実な調整方法が現時点で分からないのです。

・現時点でスピーカー端子のDC漏れ電圧は14mV~15mVですね。
 何とも言えませんが異常ではないです。

音出し確認しましたが普通でした。凄くクリアになったとかは判断できません。
普通です。アルパインと交換しても差が分かりません。
それとも耳が悪いのか??
スピーカーがEV S-40(3万位のもの)なので、もっと良いもので鳴らしたら違いが出るのかもしれません。家庭ですから音量も大きくできませんからね。

一応、動作は確認できたのでアンプ側の方の残りのコンデンサーを交換していきます。平滑コンデンサーをオーディオ用105°Cのものに。フイルムコンデンサーを他の物に。やれることはそれぐらいですね。ゲインポットはガリがあったら交換します。アイドル電流はもう少し流しても良いかも位です。

何しろ回路図が無いのと調整マニュアルがないのがつらいです。
電源経路が二つあったりとかで複雑そうです。

まぁコンデンサーは消耗品なので自動車でいえば10万キロ交換部品みたいなものです。正常動作しているのなら良いコンデンサーに交換で、性能を維持できると思います。
Posted at 2020/07/20 00:32:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年07月18日 イイね!

アンプ修理メモ (Nakamichi PA302S) 電源部

アンプ修理メモ (Nakamichi PA302S) 電源部以前、ナカミチのアンプを落札したのですが、数分で電源が入らなくなりました。
機種はPA302S でかなり以前の物です。このアンプはパワーアンプ部はディスクリート形式で家庭用オーディオのような贅沢な設計です。大抵はドライバー部はパワーICが使われています。アルパインも例外ではありません。

仕方ないので少しずつ調査・修理していこうと思い経過をメモ。
到着後にすぐに動作確認し動作はしましたが数分したら音が出なくなりました。そして電流計も低く電源が切れてしまっているようでした。
症状としては「電源が入らない」という事になります。
ヒューズも切れていません。

裏蓋を開けてみましたら、基板の裏が見えます。厄介ですねー
全てばらさないと基板のパーツ類が見えないのです。

基板を筐体から外していきます。



これは、修理中の画像ですが、電源部とアンプ部が分かれています。
放熱グリスなど全て拭き取る必要があります。

実はこのアンプはコンデンサー等が交換されているのです。一度は人の手が入ったものは経験的に厄介です。民間の修理屋さんでもミスはあるし、メーカーの組み立てでも些細なミスもあったし。
とりあえず、アンプ部は壊れていないと判断。
アンプ部へのケーブルを外して回路を調査してみます。



電源部です。ちよっと複雑ですね。回路図等は無いので基板のパターンからある程度調査が必要です。毎日少しずつ解析していきます。
・バッテリーからの電源は、チョークコイル~一時側コンデンサーは常時通電しています (一時側は4700μF/16Vを2個並列)
・パワーTrが8個並んでいます。スイッチング回路です。これも常時印加されています。
・リモート回路はTrに電圧が掛かることでPWMのICでパルスを発生させます
・パルスによりTrのスイッチングでAC発生し高周波トランスで昇圧~整流ダイオード~平滑コンデンサーで高電圧DC化
・高周波トランスはタップがあり電源は二つとなってます。
・1つはサンケンのダイオードで大電流を整流し約±35Vの電圧を発生。これがパワー部でしょう。ダイオードは放熱板に付けられています。
・もう一つはドライバー段だと思われます。小電流でブリッジダイオードで整流しています。電圧は±40V付近です。定電圧回路はツェナーとTrです。
・パワー側の電圧調整と思われる半固定抵抗があります。
・パワー側はチョークコイルが±それぞれあります。
・パワー側の平滑コンデンサーは220μF/63Vがオリジナルと思われます

◆画像での説明

・右上のIC はPWMコントローラーICでNEC製です。
・上の放熱板接続アルミ板には4個ずつ計8個のTrが並んでいます。
・左上のコンデンサーは、バッテリーに接続したら常時電圧が掛かっているスイッチング一次側のコンデンサー。これは電源用で長寿命品が必要と思われます。
・左側のトランスはチョークです。
・右側は高周波トランスで一次側センタータップあり、二次側センタータップと2回路分のタップがあります
・右横のTrは40V位の平滑回路、ブリッジとコンデンサーと定電圧回路のTrとツェナーです。
・右下はパワー側電圧調整用の半固定抵抗です
・中央下のコンデンサーはパワー用です。プラス側マイナス側それぞれ220μF/63V
・右下コイルはパワー側フィルター用コイルと、放熱板に接続された平滑用ダイオードです。
・左下がサーミスターとリモートからの電源ON制御と保護回路類?です。

◆テスターにて調査

・一次側の不具合〇
一次側の平滑回路は14Vで正常に動作しています。リップルも2mV位です。
Trにパルスが来ていないようです。
高周波トランスにもACは流れてません。ですからスイッチング回路が怪しい。

・リモート回路の不具合△
まずはリモートの経路は4個並んだTrに接続されています。そしてPWMコントローラーのICのVCCに接続されていますのでまずはそれを測定。ICへの電圧が6V位しかありません。動作しないはずです。
通常は12V以上で動作し始める筈です。
どうも4個のTr付近があやしいです。

大体の目星をつけて部品類を発注していきます。
・NECのTrは偽物らしきものがヒット。東芝製の2sc1815が代用できそうです。
 PNPは2sa1015でしょうか。2sc1815はアルパインを整備した時で購入したので交換しましたが治らず。どうせならオリジナルのNEC製を発注。
・コンデンサーは交換されていますが、型名で調査しましたら標準類か2000時間程度の寿命品ですから、この際、電源系は105°Cで長寿命品に変えることにしました。低ESRタイプでかつ長寿命とし、いくつかの通販サイトで発注。
5000時間から10000時間の物はなかなか手に入りません。
オーディオ用は大抵は2000時間以下で83°Cです。オーディオ用でゴールドとかありますが寿命は短いです。SW電源部に使用しても意味ありません。コンデンサーの価格もオペアンプの良いものと標準品のような凄い価格差ではないので、コンデンサーは奮発し良いものを選択します。消耗品ですからね。

制御系のコンデンサーも105°Cで良いものを。価格も数十円~ですがまとめて購入しますので、他のアンプの修理にも使えます。交換されていたコンデンサーの容量がアップされていましたが、あまりにも大きいと電源ONでかなりの突入電流が流れますから容量アップの程度を考えないと駄目ですね。何でも高容量が良いとは限りません。

パーツが揃ったら一つずつ交換~測定で壊さないようにしないと駄目ですね。
むやみに交換したら訳が分からなくなります。

◆コンデンサー交換
一次側は3300μF/16Vに交換 2個
二次側は220μF/63Vに交換 それぞれ計4個
その他のコンデンサーも全て交換(コンデンサーは消耗品です)
左のゴールドの物も83°Cでしたので、取り外し105°C長寿命品に交換

◆トランジスター交換
左下の5個(多分1つが不良)交換(全てオリジナルのNEC製に)

右下の半固定抵抗器も後々交換しました。調整していたらガリで電圧がバラツキました。

◆確認作業
・リモート電圧印加しTrが動作するのを確認
・PWMコントローラーICへの電圧印加13.1V確認
・高周波トランスへのAC印加状態OK
 テスターの周波数は約50KHzでした。
・二次側トランス電圧20v以上ありOK
・二次側パワー用電源電圧約+33V-33VでOK
 リップルは約2mV(テスターにて)
・ドライバー段用電源電圧約+39.8V-39.8VでOK
 放電用の抵抗は無いのでショートしないように(コンデンサは痛みます)
 テスターに数100オームの抵抗を付けて放電
・半固定抵抗にて二次側パワー用の電圧変化OK(33Vに一応調整)

電源電圧としては問題ないようです。回路図が無いので何とも言えませんが・・・



これでアンプ部の整備をしてケーブル類を取り付けて再確認となります。

半田状態も確認して丸く山状になっていたのは吸い取りして再半田。
半田付けも個人により特徴があるみたいです。多く付ければ良いとは限りません。



追加されていたパスコン類は全て取り外し。オリジナル状態としました。
動作確認が完了してからの調整で必要となったら追加します。

ナカミチのこの時代の基板はパターンが剥がれやすいようです。基板側に押さないように注意です。スルーホールではないので。

これだけでも一週間以上かかっています。回路解析と部品が複数のお店に発注ですからね。いまだに一部の部品は届いていません。壊れてませんでしたから良かったですけどね。

動いているパワーアンプ(壊れていない)の消耗品(コンデンサー)交換は誰でも出来ると思いますから、是非挑戦してほしいですね。でも一度手にかかったもの(改造等)はメーカーは修理してくれませんから注意です。
Posted at 2020/07/18 23:22:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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