ワークスが入院していた時、昔乗っていたS2の補強パーツのパーツレビューを書いたら思いのほか反響があったので、今回も他のSNSに昔書いた日記を転載してみます。
画像は今回外して具合が良くなった部品。画像奥側の穴にボルトが入りボディに固定され、手前の赤いアルマイトの皿状のパーツがブレーキマスタの先端にあたり、この皿を後ろのボルトで締めこんでブレーキマスタをバルクヘッドへ押し付けるパーツです。アルミ製かと思ったらスチール製で、見た目よりずっしり重い(600g超)です。
S2は自分が買った時12年落ち・10.5万キロだったのですが、色々社外パーツが交換・追加されてました。 爆音穴あき砲弾マフラーを静かで地味な藤壺・レガリスR(中古)に交換した際、あまりにも乗りやすくなった(低回転のトルクが戻った)ことが発端で、交換されていた吸気系その他も順繰りに純正に戻してきて、今ではマフラーも含めてほぼドノーマルです
ホンダのファクトブックを読んでいて、残っていた数少ない先オーナーの社外パーツの1つ、「ブレーキマスタをボディを使って補強する」パーツを外してみたら、ブレーキングが非常に分かり易く、やりやすくなりました。…というか、先オーナーのパーツ、ハズレばかり…
ファクトブックのS2000ページ・シャーシの項で「ブレーキマスタ周りの剛性をブレーキタッチの為に最適化」とあり、「今までついていたブレーキマスタの補強パーツはやばいかも?」と思ったのが今回のきっかけです。
そういえば、先オーナーのパーツの中に硬すぎるビルシュタインのサスキットもありました。
路面からの突き上げやそれに伴う車内のミシミシ音が大きく、車高も低すぎて駐車場の縁石でも場所によってはバンパーあたるぐらい。我慢できずに早めに中古の純正サスペンションに交換しました。
謎のミシミシ音は飛び石によるひび割れでフロントウィンドウを交換したら直ったので、事故ったときにフロントウィンドウの一部が剥がれていたようです。いくら安くて見た目は奇麗でも、修復暦有りの車なんて買うもんじゃないですね…
その後、「もう使わないだろう」と車高調は中古パーツ屋に売ってしまったのですが、今思うと少なくとも車高は上げられたし、ダンパーの硬さを軟らかめに設定できただろうし、有償ですがメーカーでオーバーホールもしてもらえたし、取って置いても良かったのかなぁ、と。ただ、純正サスでも十分固くお山を攻めても不安感をあおるフワフワ感は出なかったし、純正の方が耐久性(ショックの抜け・バネのヘタリ)が優れているので、自分には十分でした。お山は基本的に路面が荒れているので、スポーツ指向の車高調よりも純正の方が合っているのかもしれません。
純正バンパーにぶら下がってたリップスポイラーもありましたが、デザインがケバくてバンパーの取り付け方もいい加減(数か所バンパーの固定ねじに共締めしてあるだけ)だったので、すぐに取っ払って売ってしまいました。
軽量化(600g)にもなるし、中古パーツ屋で多少の値はつくだろうし、ブレーキマスタの補強パーツは売却予定品になりました。…自分がノーマルの方が運転しやすい・燃費がいい等相性がいいので、先オーナーは自分と運転スタイルが違う人、と言うところが実際でしょう。
ホンダ車は割と繊細と言うか、下手な社外品をつけると返って乗りにくく、しかも遅くなる場合があると言われます。 パーツを追加・交換するにしても、1つの部品を交換してある程度試し乗りをしないと、元から良くなったかどうかが分からないです。社外パーツは基本的に純正に比べて高価(しかも短寿命)なので、慎重にモノ選びをしないと…
ちなみに、わずか600gでも常に車に乗せた状態で走っているので、燃費と言うか積算のガソリン代で考えると馬鹿にならない……はず。ライフの取説には「燃費向上のために、余計な荷物を載せっぱなしにするのはやめましょう」と書いてあるぐらいなので。軽量化はおまけで動力性能もわずかに良くなります。
でも、使い勝手や快適性を犠牲にしてまでの軽量化は今となってはできないです。昔は中古のスカイラインのエアコンをコンプレッサー・コンデンサー・配管・リキッドタンク一式はずして軽量化だと喜んでましたが(売りに出されていた時点でコンプレッサーが壊れていたので、交換・修理を無しにしてその分値引きしてもらった)、今はクーラーが無いと生きていけませぬ。内窓のくもり取りのための除湿器としても使うので、安全装備としても手放せないです。
ちなみに、先オーナーのパーツは、抜けのいい吸排気系にブレーキのタッチがドッカン気味になる補強パーツ、バネが固くて車高をガッツリ落とした車高調、前後タワーバー等、荷重移動で後輪が出やすいドリフト気味なサーキット向けの設定です。S2000でこういう設定をしたら、運が悪ければ事故るよね。結構重症な修復車なのも納得です。
吸排気系の抜けがいい→低回転のトルクはスカスカ、中回転(VTECのカムが切り替わる6000rpmぐらい?)からトルクが出始めて、高回転で怒涛のトルクがでる、というイメージです。ドッカンターボに近い性格で、NAのS2000でドリフト気味に走りたい人向けの設定。 サスペンションは固めで車高をガッツリ下げたビルシュタインの車高調、そしてブレーキマスタの補強パーツで、わずかな踏力でブレーキ力が急激に立ち上がるようになってたので、全体的にオーバーステアの出やすい(出しやすい)設定になってました。
サーキットメインならそれでもいいんですが、公道メインでは危険な設定です。S2000はスピンモードに入ると回るのが速く、しかも運転席と助手席の間ぐらいを中心としてスピンするので、オーバーステア・スピンモードを立て直すのが難しい車です。RX7や86/BRZ、ロードスター、MR2(MR-S)も似たような性格。
一方大型セダンの様なFR車だと、スピンの速さが比較的ゆっくりでダッシュボードぐらいを中心にしてスピンするので、オーバーステアのコントロールがやりやすいそうです。ドリフト車にマーク2やソアラ、セドグロの様な直6の大排気量車が好まれるのは、そういった事情があります。
修復はフレーム修正や助手席側サイドシルの交換、運転席側の車体前面と後端にも板金した形跡があるので、相当壮絶な事故をして全損扱いで先オーナーにドナドナされた物と思われます。フロントメンバーにやや大きめのゆがみがあったり(ステアリングのラックのボルトが素直に入らないレベル)、トランクの雨漏りが3・4回修理に出しても治らず(しかし、修理に出すたびに新たな雨漏りルートが見つかって修理している)、最終的には修理工場の人と相談して「雨漏りが治りきって無いけど、この辺で諦めた方がいい」という結論になったのも、今回のブレーキマスタ補強パーツ取り外しで妙に腑に落ちる・なるようになった結果だと納得してしまいました。
'16.11.02 mixiの日記にて
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1956532563&owner_id=63019286
Posted at 2019/02/26 20:46:24 | |
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