2013年05月03日
今回は、財務省OBの志賀櫻氏と小幡績氏の対談を連載したいと思います。
両氏は、財務省時代の黒田東彦日銀総裁の元同僚です。
「国際買い上げのやり過ぎで金利が一気に上がれば日本は終わります」(小幡氏)
「溢れたマネーはヘッジファンドに流れて世界金融危機が再来する」(志賀氏)
小幡;安倍首相やブレーンの浜田氏らの主張は、「円安になって為替が弱くなれば
輸出企業が儲かる」というものですが、4月18日に発表された貿易統計を
見れば12年度の貿易収支は8兆1700億円の過去最大の赤字です。
赤字はもはや定着しており、輸出より輸入が多いのだから、日本は円安で
損をしています。
志賀;経済学的に言って、経常収支黒字と国民の貯蓄は必ず同じものとなる。
貿易赤字というものは、国民の貯蓄が減っていることになります。
国債も国内だけでは消化できなくなります。
小幡;円安でも輸出は上向いていません。この3月も、輸出額は1.1%微増
したものの、数量ベースでは前年同月比9.8%マイナスです。
円安でも輸出は伸びず、円換算の企業の利益が増えるだけで、
数量が増えなければ生産も雇用も増えることはない。
志賀;金融緩和しても実体経済がついてこないのは「凧紐理論」といって、
昔からの常識です。凧紐理論とは、凧紐をコントロールすることで凧が
風に吹かれて高く飛んでいくのを抑えることはできるが、風がないときに
凧紐をいくら引っ張っても飛ばすことはできないということ。凧紐が金融政策
のことで、つまり金融政策はインフレを収めるには役に立つが、デフレには
効かないということです。
小幡;アベノミクスで様々な指標がよくなっているというんですが、そういう数字は
アンケート調査の雰囲気指標ばかり。実際に企業が設備投資したかと
いうと、民間設備投資や機械受注は依然とマイナスで、4月に経産省が
公表した鉱工業指数(鉱工業製品の生産動向指標)も下がり続けている。
よくなったのは株高で沸く証券業だけ。企業経営者も馬鹿じゃないから、
ムードに流されて投資するわけがない。
志賀;お金を上からヘリコプターで撒いても、投資先がなければ、マネーゲームに
向かうだけです。
小幡;ただ、メディアはアベノミクスを礼賛してきましたが、流れが変わりつつある
のを感じます。私は、反リフレ派で有名ななって、いろんなところで排除され
てきましたが、最近は様々な媒体から声がかかる(笑い)。この4月1日から
小麦や紙、保険料などいろいろなものの値段が上がり、給料が上がらなく
て大丈夫かと、夢から覚めたような雰囲気が出始めた。急激に揺り戻しが
起きています。
・・・・・明日に続く。
一言コメント!
同じ財務省OBでこれだけ意見が違う事はないと思うのだが?
やはり、黒田氏は政策的に管理された総裁ということなのではないだろうか。
Posted at 2013/05/03 20:47:47 | |
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経済 | 日記
2013年05月03日
2013/5/2 日刊ゲンダイより。
安倍政権発足から半年。
日経平均株価が約4000円も上がったことで、
今年の連休には若干の明るさが見える。
おそらく、今後も株は上がり目なのだろうが、株が上がれば、
何もかもハッピーなのか。
異次元の金融緩和という“モルヒネ”で株価を上げているのがアベノミクスだ。
そうやって、国民をけむに巻き、その間に「国の形」を変えようとしているのが
安倍政権だ。
連休が終わり、参院選で自民党が勝ってしまうと、
その負の側面が一気に正体をあらわにすることになる。
まず、気になるのが経済だ。
株価高騰の裏では債券市場の異常な緊張が続いている。
黒田日銀の国債大量購入のレベルが「金融政策」を通り越して、
完全な丁半バクチだからだ。
国の借金が1000兆円もあるのに毎月、日銀が市場に出回る国債の7割、
7兆円を買うなんて、戦時国債みたいな話だ。
日銀が直接、国債を引き受けるわけではないにせよ、7割も買うなんて、
市場メカニズムを破壊する行為だ。
市場関係者はビビりまくっているし、これには安倍応援団の日経でさえ、
〈日銀が長期国債保有残高を増加させるということが続けば、
いつかは「日本は中銀マネーによる財政ファイナンスの選択をした」
との見方が広がることは避けられない。そうなれば、長期金利は大きく上昇する>
(コラム「大機小機」)と警告を発しているほどだ。
国債マーケットの第一人者、
ソシエテジェネラル証券・東京支店長の島本幸治氏もこう言っている。
「財務省が毎月発行する国債の7割を日銀が買うわけですから、
財務省と日銀で国債をキャッチボールしているようなものです。
これでは市場機能が働かないし、つまり、正常な価格がつかなくなる。
こうなると、国の財政規律が緩んだとき、市場が警告を発することができない。
ある日突然、国債が急落するリスクを抱え込み、
それが日に日に膨らむことになるのです」
日銀の異次元緩和を続ければ、あふれたマネーが株や不動産に向かい、
一時的な資産バブルを引き起こす。しかし、バブルだから当然はじける。
米国のファンドなどはその前に売り抜けるだろうから、
日本にだけすさまじい後遺症が残ることになる。
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日本国債の海外保有率は現在8.2%だそうですが、
いま海外に買われている可能性があります。
市場に出回る国債の7割を日銀が買うのですから、
確実に買い取られる国債ですので海外が買い増しすると思います。
G20で国際公約までしたのだから、買わないわけにいきませんね。
他国も買うかも?
そして、国債の大部分は銀行と生保が保有しており、
これも、日銀とのキャッチボールとなるのでしょう。
某国のQE3と同じようなことをしているのですが、
某国での緩和効果が薄れ、
これ以上の自国での金融緩和は無理なので日本にやらせよう・・・
ということかな~?
何れにしろ、某国の影がちらつくような~?
いま、高級品が売れていると聞きますが、
あるところにはあるのかな~?というより、踊らされている?
私が思うに、サラリーマンは踊らされないほうがいいような気がします。
多分、参院選が自民圧勝となれば、「産業競争力会議」での、
労働力の流動性(解雇の自由化)が緩和されるでしょう。
要するに、定年延長を見据え、
バブル入社組(50歳前後)の解雇が現実となるように思われます。
現在大手企業が「人材開発センター(追い出し部屋と呼ばれてもいる)」と称し、
バブル組を集めたのはそのための準備だと思うのですが?
サラリーマンは、スキルを磨き、自己防衛をするしかないと思います。
私個人的なことを宣伝させていただくと、
3年前に、再就職が難しい年代で早期退職しましたが、
会社に呼び戻されて今も務めていられるのは(給料は安いですが)、
やはり、技術部で身に着けた、
人よりちょっと特殊なスキルがあったからだと考えています。
2014年は、大変な年になるような気がしてなりません・・・
Posted at 2013/05/03 09:39:17 | |
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