
「いつか夜汽車で」。
なんという甘美でレトロな響きなのでしょうか(郷愁モード全開)。
あ、申し遅れました。私Nacky鉄郎です。バイクやクルマや自転車も大好きですが、血中鉄分濃度もべらぼうに高い生粋の鉄っちゃんです。
以前のブログで、北海道新幹線の開通に伴い廃止間近と言われている
寝台特急カシオペアの乗車レポートをお伝えいたしましたが、2015年3月に既に現役を退き、臨時列車化していた「北斗星」のプラチナチケットを奇跡的にゲットできましたのでレポートします。北斗星の臨時便も8月22日をもって廃止されるため、日本の鉄路からいわゆるブルートレインが全廃されることになります。昭和の時代から走り続けて来た花形列車が、遂に消えてしまうわけですね。
※記念撮影的に写真を撮っているため、見苦しいオッサンの顔が写っているのはご容赦ください(汗
いくら仕事が忙しいとはいえ、このチャンスを逃す訳にはいきません。当日は仕事もそこそこに切り上げ、15時過ぎに上野駅13番線ホームに向かいます。東北や北海道への花形特急が頻繁に発着していたヨーロッパ調の櫛形ホームも、今ではうら寂しい雰囲気です。年中繁忙期なので、札幌に着くなりその日のうちに帰京する行って来いトンボ帰りの弾丸ツアーです。
北斗星が機関車による推進運転で入線!コーフン状態のため手ブレしちゃいました。平日だってのに最期の北斗星を一目見ようと上野駅13番線ホームはえらい賑わいです。
本日の牽引機関車はEF510の510号機。番号的にはシャレになってますが、運用の関係なのか
ブルーの北斗星塗装機ではなくシルバーのカシオペア塗装機なのでそこはシャレになってません。
ご覧の通り先頭付近はすごい人で機関車の撮影もままなりません。まあ、自分もそのうちの一人なんですが^^;
切符がゲットできたのは、A寝台個室の「
北斗星ツインデラックス」です。
カシオペアのツイン個室とは違って部屋に洗面所とトイレはありませんが、昭和の夜汽車の雰囲気を残す車両です。写真の24系25型の長年風雪に耐えてきたベコベコの痛みっぷりが痛々しいです。隣の車両は食堂車。
これがツインデラックスの室内。時代を感じさせる妙にゴージャスなゴールドのカーテンやビロード調のソファベッドがイカしてます。右側のソファベッドはハシゴをかけて2段ベッドになる仕組み。
今では絶滅危惧種でもある食堂車の予約が残念ながらとれなかったので、北斗星限定のグランシャリオ弁当を買ってみました。もちろん発車前に買い込んだワインやビール、つまみ類も。
厳選された素材のグランシャリオ弁当はメッチャ美味かった!東京駅グランスタで買ったつまみやオードブルも美味い!酒もガンガン進むってもん。
3月に定期運用が廃止になり4月からの臨時便北斗星には、数年前に廃止になったフルロビーカーが復活していました!公衆電話ブースとシャワールームが設置されたロビーカーには、乗車前から長蛇の列ができていた理由が分かりました。B寝台コンパートメントのお客さんは、ここに陣取って飲んだり食ったりするワケですね。乗客はほぼ100%が鉄道ファンといっても間違いないと思います。
昭和の香りを乗せて、夜汽車はみちのく路をひた走ります。この時間が永遠に続けばいいのに…
上野から牽引してきたEF510電気機関車から、青函トンネル用のED79に付け替えるため、深夜の青森駅で運転停車。以前にカシオペアに乗った時と同じく大雨です。運転停車はドアは開かないので機関車の付け替えは見られません。車内は既に寝静まっています。
青函トンネルを抜け、早朝の北海道に上陸。また雨です…どんだけ雨男なんだよ自分。一緒にツーリングに行く際、私の雨男っぷりでみんカラの皆さんには度々ご迷惑をおかけしております…(弱々
写真はレトロ感いっぱいのA寝台の通路。
こちらは昭和の国鉄特急の面影を伝える洗面所と、ミラーの背後に写っているのはトイレのドア。洗面所やトイレといった水周りは長年の酷使により痛みの激しさが目につきますね。もちろんきちんとメンテはされているので、機能的には問題無いです。
青函トンネルを出て函館に向かう途中、老兵ED79電気機関車が故障により立ち往生。何とか蘇生して30分ほど遅れて函館に到着。ここで列車は再び機関車を付け替えるため、乗客と鉄道ファンはED79に殺到します。機関車をキレイに撮るのは不可能なので、群がる鉄道ファンを撮ってみました。
ED79は長年の青函トンネルの急勾配での酷使と湿度や塩害で痛々しいほどボロボロです。新幹線開通でお役御免となり廃車の運命でしょう。
函館から札幌までは電化区間が少ないため、昭和の古豪DD51ディーゼル機関車にバトンタッチ。かつては日本中にウジャウジャいたザコキャラの汎用機も、今では最大のヒーローです。北斗星仕様のブルーの塗装もカッコいい!
DD51は1962年から造られた昭和の名機で、
1,100PSの60,000cc・V12エンジンを2機搭載し、トルコンを介して動力を伝えるジャパニーズスタンダード。特急を牽引する姿は今や北海道でしか見られない絶滅危惧種です。こちらも
新幹線開業で廃車の運命でしょうね。
この写真は以前にカシオペアに乗車した時に機関車直後の展望車から撮ったものです(北斗星は撮影不可能)が、函館から大沼公園までの急勾配区間を、もうもうと黒煙を噴き上げながら全開走行。DD51は重連運転なのですごい迫力!
ブルーのDD51がブルーの客車を引っ張る美しい編成はガチでゾクゾクします。
長万部、洞爺湖と過ぎていくと、旅の終わりが近づいて寂しさがこみ上げてきます。スーパーカーやワイルドセブンのバイクとともに、ガキの頃から憧れだったブルートレインが、今まさに姿を消そうとしています。時代の流れに合わなかったりJRの企業努力が足りなかったのかもしれませんが、昭和から走り続けてきたこの車両に敬意を表する想いです。
最後の停車駅・南千歳を出発してガッカリしてるの図。一晩過ごしたこのレトロな客車ともお別れが近づいてきました。窓の外も涙雨でやんす。
終着駅・札幌に到着。途中ED79の故障でかなり遅れましたが、老兵のDD51が頑張って回復運転に努め、最終的な遅れは20分でした。正直なところ、もっともっと遅れてほしかったです。
写真には写ってませんが、DD51の先頭付近は最期の北斗星のヘッドマークを写真におさめようと、もの凄い人だかりで近づけませんでした。
見苦しい記念撮影然とした写真ですいません…
北斗星の回送を見送り、札幌駅構内の売店を見てみると、やっぱり北斗星&DD51のグッズが多いですね。
仕事があるのでそのまま新千歳空港に向かい羽田までトンボ帰り。途中、中央アルプス上空に巨大な積乱雲がかかっていました。
幼少の頃、松本零士の「銀河鉄道999」をワクワクしながら観ていました。そして、そのルーツとなった宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読みふけり、いつか夜汽車でという想いと憧れが膨らんでいきました。
ブルートレインには仕事や旅行で何度か乗りましたが、今回の北斗星は“乗ることが目的”だったので、トンボ帰りでもいいんです。これで心残りはありません。
数年前に、ゴダイゴの「銀河鉄道999」をカバーした動画です。ほぼ即興なので演奏も歌も稚拙な上に歌メロとコードを間違えてますが、美しい宇宙の写真をたくさん使っているので、もし気が向いたら是非ご覧ください。実はエグザイルより先にカバーしてました^^;
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よろず | 日記
Posted at
2015/08/16 22:53:48