
今年の夏は仕事を調整してうまく連休が取れたので、思い立って東北にツーリングに出ることにしました。秋田の温泉宿を予約して準備を開始してウキウキと道路状況を見たところ、当然のように東北道はお盆帰省の大渋滞…この時期はどうしても全国的に民族大移動ですよね。
なるべく渋滞を避けるべく、16時に自宅を出発して半地下構造が目新しい
開通したばかりの外環・高谷JCTから東北道に向かいます。東北道に乗ってからは渋滞こそ無いものの車の流れは多く、法定速度で北関東を駆け抜けます。
途中ゲリラ豪雨に降られながら、19:30過ぎに宮城県の菅生PAに到着。実はここまでの間、途中の大型PAはどこも満車状態で立ち寄れず、空いていそうな小規模SAで休憩をしていました。老眼が進行し夜間はあまり走りたくないので(泣)、今日はここ菅生PAで仮眠をとることに。しかし、もう1台も入れないほど隙間なくビッシリの大混雑です。さすがニッポンのお盆。

■菅生PA名物牛タン定食は営業時間に間に合わず…
菅生PAで仮眠し、翌朝は4時に起きて仙台南ICを出て、山形に向かいます。仙山線に沿ったR48は、早朝からかなりの交通量で抜きどころも無く、ガマンのチンタラ走行を強いられます。マップルで脇道を調べるも、宮城から山形に向かう楽しそうな山道って意外に少ないんですね~。

■R48は朝5時過ぎでこの交通量
R48からK29をかっ飛ばして、朝8:30から営業している山形の「
最上川千本だんご」へ。その日のうちに食べないとすぐに固くなってしまうというもっちもちのだんごは、どれを頼もうかと悩んだ末に“ずんだ”“くるみ”“しょう油”の3本をオーダー。うおぉぉ、こりゃ~うんめえ!

■ビジュアルだけでテンションが上がる「千本だんご」
山形の夏といえば、やっぱり冷たい肉そばですよね。存在は知ってはいたものの食したことはなかったので、最上川沿いのR347から紅花の栽培が盛んな河北町に向かいます。
山形にはいくつもの肉そば有名店がありますが、まだ昼前だっちゅーのに、山形の人って夏の昼飯はみんな肉そばを食うのか?ってほどどの店も行列です。
初めて食べましたが、意表をつくダシの味とシコシコの蕎麦、そして旨味が染み込んだ鶏肉とのマッチングが激ウマー!一発でハマってしまい、こりゃ都内でも山形の肉そばが食べられる店に通ってしまいそうです。

■山形の夏の名物肉そばは、冷たくて旨くて最高!
せっかく山形に寄ったので銀山温泉にも立ち寄ってみました。若干「作られた感」のあるレトロ空間ではあるものの、温泉街の町並みがいい味を出していますね。山形には行ってみたい秘境の温泉もたくさんあるようです。

■銀山温泉のレトロな町並みにオッサンもご満悦
尾花沢市からK28→R47湯けむりラインのワインディングをかっ飛ばして東北道に乗り、200km離れた秋田県と岩手県の県境を目指します。隣の県と軽い気持ちで走ってみたものの、いや~遠い!東北道ではポックリ逝くと思いました。東北道を松尾八幡平ICで下り、本日のハイライトである
八幡平アスピーテラインを駆け上がります。夕方の時間帯だったので交通量は少なく、911のタイヤを削りながら韋駄天のように登っていくと、岩手山を望むワインディングは絶景の連続です。

■岩手県側にある源太岩
八幡平アスピーテラインは4月〜11月のみ走れるそうで、雪深い場所にあるため、深い森林地帯から溶岩地帯を貫くスノーシェルターが連続する変化に富んだコースです。

■異次元へのトンネルのようなスノーシェルター
アスピーテラインを一気にピークまで駆け上がり大絶景の高原地帯へ!・・・と思ったら、そこは深い霧の中でした。

■標高1000m以上の場所は生憎の濃霧
日没とともにアスピーテラインのピークを過ぎ、少し下ったところにある
後生掛温泉が本日の宿です。一軒屋の宿のため賑やかな温泉街はありませんが、山あいの秘境温泉で、山のそこここから湯けむりが立ち上る古くからある湯治場です。

■夕方の後生掛温泉に到着
強烈な硫黄の匂いと湯気が立ち込める温泉宿は、真夏なのに肌寒いぐらいの気温です。こんな辺鄙な場所なのに、意外に首都圏ナンバーの車が多いことに少し驚きました。

■羽を休める911カレラ
レトロというよりは昔から変わらなそうな古い風呂は、白濁した熱めの湯が心地良く、木製の湯船に浸かった瞬間に「おお〜めっちゃキモチええ〜!」と思わず唸ってしまいました^^;
それほど心地良い湯で、翌朝の出発までに4回も大浴場で入浴しちゃいました。

■風情ある木製の大浴場(写真はオフィシャルサイトから拝借)
旨い晩飯を食って爆睡し、翌朝も旨い朝飯を腹いっぱい食って早朝のアスピーテラインを秋田側に下っていきます。ツキノワグマが出てきそうなうっそうとした森林や、釣りキチ三平が歩いていそうな河原沿いの道をカッ飛びながら、田沢湖湖畔の木陰が気持ちのいいルートをのんびり走って角館に向かいます。

■田沢湖畔の森林の中のワインディング
■ほんの少しだけ立ち寄った角館の町並み
秋田市内は帰省の車で混むと判断して、秋田自動車で男鹿半島まで北上します。街道のあちこちになまはげを冠した橋やランドマークがあり、巨大ななまはげ像が出迎えてくれます。

■青空に睨みをきかせる巨大なまはげ像
厳冬期は雪と日本海から吹きすさぶ寒風で厳しい土地柄だと思いますが、夏はブルーとグリーンの超爽やかな世界の男鹿半島は、八郎潟沿いの雄大な景色からアップダウンが連続する海沿いの道まで、こちらも絶景の連続です。ランチとして途中で食べた「
男鹿しょっつる焼きそば」が激ウマでした!

■八郎潟を見下ろす寒風山展望台
半島を巻いて走るアップダウンと絶景がキモチいいK55、K121、K59は、また来てみたいと思わせる素晴らしい道でした。途中の店で、思わず2皿目の男鹿しょっつる焼きそばを注文(笑)。

■抜けるように広いみちのくの青空

■日本海へと駆け下りるK121

■ブルー&グリーンの世界にモノトーンの灯台が美しい入道崎
さてさて、ゆっくりしている時間は無く、今日中に新潟まで行かなくてはなりません。秋田自動車道に乗り直し、日本海東北自動車道から日本海側を突っ走ります。日本海東北自動車道から見えてくる美しい鳥海山を駆ける絶景ワインディング・
鳥海ブルーラインをどうしても走りたかったのですが、通行時間は17時までということで泣く泣く断念(この時点で既に17時過ぎ)。

■鳥海ブルーラインは次回のお楽しみに
酒田市の手前からR7→日本海東北自動車道に乗り、日本海に面したあつみ温泉を目指します。庄内平野の広大な米どころを貫くように走っていると、夕暮れの雲が東北の広い空を彩り始め、一瞬自分が幼少の頃に見た心象風景の中に引き込まれたような不思議な感覚に捉われます。

■まるで秋のようなあかね雲が庄内平野を黄金色に染める
急いでいたのはR345から日本海に沈む夕陽を見たかったから。しかし秋田〜山形〜新潟への路のりは想像以上に遠く、R345に入った頃には既に太陽は日本海に沈んだ後でした(泣)。それでも夕暮れの日本海の景観は素晴らしく、爽快なシーサイドラインを走り続けます。

■R345から望む夕暮れの日本海と粟島

■羽越本線の特急・E653系「いなほ」と競争
ところで、このR345を走っていて非常に不思議だったのが、狭い海岸線に無数に建つテントの数々。笹川流れ付近の10km以上にも渡って、暗い海岸線におびただしい数のキャンプ用のランタンが灯り、決して民家は多くないにも関わらず、駐車場に溢れるように停めた車から続々と人が降りてきて歩いています。
最初はこの地域のお盆の風習か何かで、家族や親戚が海に集まって一晩中ご先祖様を偲ぶのか何かだと思っていたんですが、よくよく見ると単に海岸キャンプを楽しんでいるだけのようで、きっと冬が長く厳しいこの地域は、短い夏を思いっ切り楽しんでいるんだなと納得。それにしても美しい日本海沿いでサマーキャンプとは羨ましい!

■日本海にかかる爪痕のような三日月と宵の明星
新潟市内で渋滞に巻き込まれ、夜のビジネスホテルに到着。ホテルの隣にあったアイリッシュパブでギネスとエールをしこたま飲んだあとは、死んだように爆睡。翌朝は早起きして、関越道の上り渋滞に巻き込まれる前に東京を目指してひた走ります。

■赤城山〜榛名山にかかる超巨大な入道雲
関越道をのんびりと走り、上りの渋滞に巻き込まれることなく昼過ぎに千葉市の自宅に到着。こうして「2018夏の東北グランドツーリング」は終わりました。4日間の走行距離は1727kmで平均燃費は11.4km/lと、山道をブン回してカッ飛んだ割には比較的優秀な燃費でした。オドメーターも6万km近くなってきていますが、今度は時間があったら山陰か瀬戸内に行ってみたいですね。

■無事故・無違反・無故障で無事に帰着