
昨夜の夕食はお刺身でございました(^^) 赤身のほうは「ホンヨコ」、白いのは「アオリイカ」です。
ホンヨコっていうの、知らない人も多いかも知れませんね。ホンヨコっていうのは、ホンマグロの幼生、つまり「子供」です。
通常、マグロっていうとイメージするのは、でーん!と大きな魚体だと思いますが、まぁざくっと20キロ以上になるとマグロ、それより小さなマグロがホンヨコというのが徳島での分け方になります。
ヨコは正確には「ヨコワ」といいますが、マグロの子供には、胴体に輪っか状の模様が入ってるのすが、これを「横輪=ヨコワ」ってことで名前が付いたんだそうです。
東京のほうではホンヨコのことをメジマグロって言うんでしたっけ??
ちなみに、本マグロよりも値段の安い「キハダマグロ」(日本で一番たくさん売られている一般的なマグロです)の子供は「ビンヨコ」といいます。これは、ホンヨコに比べて左右のヒレが長くて「ビン」のようだってことでビンヨコ、なんですね(^^)
さてさてこのホンヨコ、徳島ではとても好まれている魚でして、徳島で単に「刺身」というとホンヨコの刺身を指す、といってもいいほど(笑)
このホンヨコの旬はちょうど今頃からなんですね。冬場に脂が乗ってきて、おいしくなってくる冬の魚ってわけです。
そしてアオリイカ。これも冬が旬のイカです。アオリイカっていうと、マツイカやヤリイカとならんで「イカの王様」なんてよく言われるほどおいしいイカでして、寿司ネタ用の高級イカでもあります。
あんまり知られていないんですけども、このアオリイカも徳島は全国的に見てもかなり上位の水揚げを誇っているんですよ。
今はこのアオリイカが大量に水揚げされてまして、まだ活きているような透明なアオリイカがいっぱりセリに並んでいます。
指でつつくと、「ぴくん!」と反応するぐらいなんですよ~(^^) あんまり面白いからってツンツンしすぎると、ぶしゅーーっ!! なんてスミを吐かれることがあるとかないとか(核爆)
ホンヨコにしてもアオリイカにしても、今が旬でおいしい季節なんですが、同時に量も獲れているため、お値段はめっちゃ安!(^^)/ おいしい上に安いという、消費者にとっては理想的な食材なんですよ。
そんな二品が昨晩の我が家の食卓に並びました(^^) そらもうおいしくないわけがない!(笑)ホンヨコは本マグロのように脂ゲトゲトでまったり、っていうことはなく、あっさりしつつももっちり、という感じ。マグロよりもあっさりとした味なんですけども、赤身全体にまんべんなく脂が乗っていて、モチモチとした食感が楽しめます(*^_^*)
そしてアオリイカ。こちらも徳島のアオリイカは他の産地からも「徳島のアオリを送って欲しい」と名指しでオーダーがくるほどのものですから、そらもう旬を迎えた今のアオリイカは肉厚で、噛めばしみ出るほんのりとした甘みがサイコーに美味!!
この二つのお刺身に、スダチをきゅーっと絞って(徳島はなんでもスダチぢゃ!)、ワザビをちょちょっと付けて口に放り込めば・・・とたんに広がる旬の美味!(^o^) くぅ~まいう~じゃ!(笑)
昨日も帰るのが遅かったので、子供たちは先にご飯を終えていたのですが、刺身を食卓に並べると、なぜか集まる家族一同(ちゅど~んっ!)
子供たちも嫁さんも、二度目の夕食をワタシと一緒にいただきましたとさ(笑)
あ、そうそう! 実はこの刺身、アオリイカは市場で買ったのは食べた日、つまり昨日なんですけども、ホンヨコはその前の日、つまり火曜日に買ってるんですよ。しかも買って帰ったのはその日にセリに出たホンヨコではなく、その前の日、つまり月曜日にセリに並んだホンヨコの中で、うちの会社の店前で売れ残っていたもの。
なぜ月曜日のホンヨコをわざわざ買って帰って、さらに一日経過、つまりセリに並んでから二日もしてから食べるのか?? それは・・・
売れ残った魚がもったいない(核爆)
っていうだけではありませんよ(^_^;) もちろん、それもありますけどね(苦笑)
よく「魚は新鮮な方がおいしい」っていうふうに言われますよね。グルメ番組でも水揚げしたてのピチピチ跳ねている魚をその場でさばいて、まだぴくぴくしているような切り身に醤油をつけて、食べるなり
コリコリとしてておいしい!
なーんて言ってますよね。そして視聴者である我々も、知らず知らずに「新鮮な魚のほうかおいしい」って思いこまされているわけです。
でも、私たち市場マンは、鮮度バリバリのとれたての魚をすぐに食べたりしません。
冷蔵庫で少し寝かせてから食べるんですよ。
それはなぜか。
とれたての魚の身って、たしかにコリコリしてるんですが・・・言ってみればコリコリしてるだけなんですよ(^_^;) 味もへったくれもない。極端に言えば、
どんな魚も同じ味なんですよ。
ほんとにね、ハマチでもシマアジでもカンパチでもイサキでも・・とれたてをすぐにさばいて刺身にするとどれもコリコリしてるんだけど味がしない。なんか生臭さのほうが勝ってしまってる気がします。
この「コリコリ感」が刺身のおいしさだという人にはやっぱりこれが「おいしい刺身」なのかもしれないですが、それならわざわざ高い魚を買う必要はありません。
安いけれども新鮮な魚でいいのです。
新鮮な魚を少し寝かせるとどうなるか。とくに旬を迎えて脂の乗った魚は、寝かせることで脂分が身全体に浸透していき、甘みが出てきます。そしてコリコリ感は消えて、もちっとした食感へと変化します。さらに脂と一緒に旨みも身に回り、
「それぞれの魚特有の味」が生まれてくるんですよ。
ホントに魚が好きな人って、けっこうこういう食べ方をしてるんですよ(^^) かくいう私は元もと魚はほとんど食べない人だったのですが(^_^;)、ハタチを越えた頃から魚がおいしいと思うようになって魚を食べ始めたわけですが、市場にくるまではやはり「コリコリした魚がおいしい」って思ってました。
でも、冷蔵庫で寝かせた魚っていうのを食べてみると・・・マジうまいんですよ(*^_^*) こりゃいったい!? っていうぐらい。 それからですね、すぐに食べなくなったのは。
とくに魚体の大きなマグロなんてことになると、水揚げされた直後の身なんてのは、ゴリゴリでとてもじゃないけど食べられたもんじゃないそうですよ。ゴムみたいで味もへったくれもないそうな(^_^;)
だいたいスーパーで売られているマグロ、お寿司屋さんで寿司になっているマグロっていうのは、水揚げされてから1週間ぐらいは経ってるんじゃないかあ? それぐらいのほうがおいしいんですよ(^^)
(もちろん冷凍マグロはまた違いますけどね)
よく牛肉でも「腐る直前の肉がいちばんおいしい」なんていうじゃないですか。わざとカビを生やしたりして腐る寸前まで「熟成」させるわけですよね(^^) あれといっしょです。
ってなわけで、意外ととれたてピチピチの活魚料理のお店なんかで刺身を食べるよりも、適度に寝ているスーパーの夕方の特売シール付きの刺身の方が実はおいしい、なんてこともあるんですよ(^^)
さぁ、今日はみなさんもおうちでもお刺身、いかがですかぁ?(*^_^*)