
さてさて、GRBろくむし号に発症していた
「しゃっくり」の症状についての続報です。
症状は大きく2つありまして。
ひとつは
「発進時の低回転域でいきなり失火したような状態になり、エンジンが揺さぶられてガクガクとなってしまってどうにもならない」というもの。
これはいつも出るのではなく、何らかの条件が重なったときに出る症状なのですが、その後、症状が出たときに追試を行ってみました。
ガクガクなり始めると、エンジンマウントが揺さぶられて揺れ続けているのだと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。
いったんガクガクなり始めると、どうやら燃料の供給がずっと不安定になってしまっているみたいです。断続的に燃料を噴射しているようで、ガクガクはずーっと続きます・・・というかどんどんと揺れが大きくなってしまうようです(汗)
そしてもうひとつの症状は「
3000回転付近まで回転数を上げていくと3000回転ちょうどでふっとトルクの落ち込みというか、明確な谷のようなものを感じる」というのもの。この症状はどうやらGRBの持病のようなものみたいでして、あちこちで同じ症状の報告が上がっています。
さて、この2つの症状についてディーラーさん経由でメーカーであるスバルに問い合わせをしているのですが、いくら待っても返事は来ないようです(^^;)
そこで、某巨大掲示板に上がっていた「
A/Fセンサーを交換したら症状はかなり緩和された」という情報を元に、ディーラーさんにセンサーの交換をお願いしてみました。
ディーラーさんでもスバルからの返答がなかなかないという状況の中で「やってみましょう」ということになったのです。前のBlogにも書きましたが、症状が出ているときのエンジンの状態を故障診断コネクタから取ってみると、A/FセンサーとO2センサーの正常稼働状態への移行が妙に遅い、というデータが残っていましたので、そのデータとも一致する部分があります。
02センサーっていうのは本来、エンジンの排熱で温まってきて初めて正常にデータを送るようなセンサーですので、正常稼働するためにはある程度の熱が必要なのです。このため、エンジン始動直後などセンサーが冷えている状態では強制的にあたためるために、セラミックスなどのヒーターを使って無理矢理O2センサーってのは過熱されているんですよ。
(これは前職時代勤めていた企業がこのO2センサーヒーターを開発・製造していた関係で、新開発部品のプレスリリースを書いたことがあるので、妙にそういう部分だけ知ってたりするんですが・・ただし10年以上前の話ですので、今のセンサーが同じ構造だとは限りませんが)
部品が届いてディーラーさんに出向いてみると、A/Fセンサーだけでなく、関係するセンサー類を全部交換してみようと気を利かせてくれてまして、A/Fセンサー、前後2つ付いているO2センサー、そしてエアフロセンサーの合計4つを一気に交換してくださいました。
もちろんこれは無償交換ってことになります。
で、1週間以上追試をしていたわけですが・・・結果を申し上げると、
発進時のガクガクはすっかりなくなりました(^^) 正確に言うと、発進時にちょっと無理にクラッチを繋いだりとか、低速時に高いギアのままでアクセルを踏み足したりする、いわゆる「低回転状態での高負荷」になると若干「ガク?」って感じで失火気味になる様子も見受けられるのですが、これはおそらく失火ではなくてノッキングが出そうになってるのをECUが補正してるのかな? っていうレベルでほとんど気になりません(^^)
以前のようにクルマ全体がギクシャクガクガクなるような情けない状態にはならなくなりました。
ということで、やはり原因は燃料供給に関係するセンサー類のいずれかに不良があった可能性が高いですね。
それと、二つ目の「3000回転のトルクの谷」ですけども、これはやはり残っていますね(^^;)
ただし、以前よりも谷が小さくなっているような感覚があります。これはひょっとしたらプラシーボかもしれないのですが。
でも、この谷が発現してくるのはIモードで乗っているときにイチバン顕著で、Sモードでは若干、そしてS#モードではほとんど気にならないレベルだということにも気が付きました。
そしてこの谷、1速や2速のときに体感できるレベルで、3速以上だとほとんどわかりません。センサー交換前はもうちょっと分かったような気もしていたんですが。。
ただしこれはエンジンが初期化されていることも考慮すると、学習効果の度合いにも左右されるのかもしれませんね。
さらに気が付いたこととしては、気温が高くなった休日に初めて本格的にエアコンを入れて走行していたのですが、エアコンを入れていると症状がほとんど出ない、ということ。
おそらくエアコンを入れると、ECUがエンジンマネージメントのパラメータを変更してくるのでしょう。エアコンの負荷を軽減するために、低回転域での燃料噴射や点火時期を変更しているのかな? とにかくエアコンを入れているとトルクの谷はほとんど感じません。
前にも書きましたが、この3000回転の谷っていうのはおそらく・・・3000回転以下のタービンによる過給が期待できない回転数のときにはNAでトルクを出すようなマッピングになっているのが、たぶん3000回転で過給を前提としたマップに切り替わっているのではないか? ということ。
Iモードでは極力ブーストをかけないようにとECU側で制御をしてくるので、3000回転からマッピングが切り替わったときにはまだタービンがほとんど仕事をしておらず、そのせいで3000回転になったとたんにトルクダウンしてしまっている、ということなんではないかと勝手に推測しています(^^;)
でも、そう考えるとなんだか納得できるんですよね。Sモードでは谷はあるけどちょっと小さい、S#モードではほとんど谷を感じない、っていうのは、同じ3000回転でもタービンを回して過給をどれぐらい積極的にしてやろうかということに違いがあるからではないかと。
じっさいブースト計を見ていると、同じようにアクセルを踏んでいても明らかにブーストの数値に違いがありますからね。実際にはブースト圧を直接制御しているのではなく、アクセル開度がSIドライブの各モードで同じ踏み方でも明らかに違うらしいので、同じアクセル開度、同じ回転数でもスロットルの開き方が各モードで違っていて、結果としてブースト圧に違いが出てくるのかもしれませんけども。
でも実際のブーストメーターの動きを見ていると、同じ状況でもSとS#では過給開始のポイントが違いますし、ブースト圧の上がり方のレスポンスにも差がありますから、やはり直接ブーストのレスポンスも各モードで違いを持たせてある感じがしますね。
まぁとにかく、これは
ECUの制御の結果として現れてくる一種の「仕様」ではないか? っていうのが私の結論です(^^;)
Iモードで顕著に分かるこの谷、3000回転にありますが、Iモードを使うシチュエーションを考えると、1速や2速では3000回転まで引っ張ってからシフトアップするようなことはなく、もっと手前でポンポンとシフトアップをしていくことになりますもんね。
それを促すようにインパネにもシフトアップインジケーターが2000回転~2500回転ぐらいで「シフトアップしてね~」と点滅しますし。
実際私も慣らし運転で3000回転までに回転を抑えて運転していたときにはまったく気が付いていませんでしたからね(苦笑)
ってことで、この「「トルクの谷」についてはこれにて追求をひとまず終結にしようと思います(^^;) そういう仕様だと納得して乗っていた方が精神衛生上もラクですし、メーカーとしてもIモードでの運転では3000回転以下でのシフトアップを前提としてSIドライブのマッピングを調整している、っていうことではないかと。
そう思ってしまえれば、意外とこの谷も気にならないんですよ(爆)
ま、トルクの谷についてはそういうもんだと思うことにします。考えてみれば、ごく普通にフラットトルクで同じように加速感を保って低回転域から高回転域までずーっと加速していくっていうほうがレシプロエンジンが本来持っている構造と動作原理からしても不自然ですもんね(^^;)
高度にチューンの進んだレーシングエンジンなどは、低回転域なんてハナから調整範囲からは切り捨ててますから、乗ってみるとほんとに低回転域では「なにこれ?」っていうぐらいにカブったようにもたもたとしてますもんね。(過去に乗ったスーパーセブンのコスワースBDRエンジンがまさしくそうでした)
GRBのEJ207はGDBからさらに馬力アップして純正レベルで308馬力を発生する高出力エンジンです。低回転域に妙なトルクの谷があってもおかしくない、っていうふうに考えたら、それだけチューニングされているっていうことですもんね。
それを高度なECUマネジメントなどで極力フツーに町乗りでもこなしてしまえるように柔軟な特性を持たせてくれていると思えば、これぐらいのことでウダウダ言う必要もないかな? ってことで。
比較的深刻な症状だった「発進時の失火現象」はすっかりと治りましたし、これでひとまずは安心、ってところですね(^^)