
すっかりとご報告が遅くなってしまってましたが、ろくむし号がジムカ走行会の最中に
突如としてブレーキが効かなくなってしまい、積車でディーラーに運ばれてしまった、っていうお話の続きでございますm(_ _)m
あの恐怖体験の翌日の朝、ろくむし号をディーラーさんまで運んでくれた所長さんから電話があり、ろくむし号のブレーキの様子について教えてくれたわけですが、なんとまぁ翌朝になってみれば
ブレーキはちゃんと効くように直ってた
という状態だった、ってのは前回の顛末でしたね(^^;) その後、たんにブレーキフルードを新品の純正DOT3に入れ替えただけというメンテナンス内容で今日まで普通に通勤その他に乗ってるんですが、ハッキリ言って
何にも違和感を感じません(爆)
まったくもって、あの事件の前と何にも感覚は変わらない、つまりは
普通にブレーキは効いてる状態なんですよね(苦笑)まぁ結果的にはよかった、ってコトになるんでしょうけども、おそらく原因はベーパーロックであるにしても、それが正解なのかというのは確実に検証したわけでもなく、ましてや今回のことでブレーキキャリパその他に大幅に熱が入ってしまったことは確実なわけでして(キャリパーのSTIの白い文字がうっすらと黄色く変色してることからもこれはまぎれもない事実です)。
通常走行に支障を来すだけの熱が加わったことは確かなわけですから、このブレーキをどのへんまでメンテすべきなのか? っていうこともちゃんと分からなければ、正直毎日通勤でも使うわけですしやっぱり安心して乗れませんからね(汗)
そんなわけで、ディーラーさんで一番メカに詳しいと評判のUさんに電話連絡を取りました。さてさてたぶんろくむし号の場合はベーパーロックだと思うんですけども、プロの目から見ていかがですか? とまず聞いてみました。すると・・・
100%間違いなくそうでしょうね
とのこと(^^;) 所長が撮影していたデジカメの映像や動画など、そして所長の見たこと、私が報告した使用状況を総合すると、まず間違いなくこれはブレーキフルードが過熱して沸騰したことによって引き起こされたベーパーロック現象だろう、とのことでした。。。
まぁこれについては予想通りなのでとくに驚くこともなかったのですが、さてそれでは本題です。
ベーパーロックを起こしてしまったろくむし号のブレーキはどこまでメンテをすればいいのか?
とりあえずは無事に無傷で帰投することができたろくむし号に対して、次に私がしてやることはこれですよね。一度熱が入ってしまったブレーキシステム、いったいどのへんまでメンテをすべきなのか、ってことになります。もちろん、ブレーキのメンテキットを購入してシールキットから何から関係するパーツを全て交換して、ステンメッシュホースに交換、フルードもDOT4以上のものに交換、ってところまでやれば完璧なんでしょうけども、そこまでしたらパーツ代と工賃を合計すればゆうに10万円を超えてしまいます(号泣)
できるだけキチンとはしたいけども、過剰なメンテをする余裕もないわけで(苦笑) そこでメカさんに相談したというわけ。
まず、ベーパーロックによる熱害でどれぐらいキャリパーっていうのは傷むモノなのか? これについて私はなんせ今までこういうことをやらかした経験もなかったので、全然分からないわけですよ。
これについては、
3年以上も交換していなかった純正フルードの沸点が下がっていたことが予想され、このフルードが沸騰したとしても、キャリパーがそれほど長時間高熱になっていたわけでもないだろうから(DOT4が沸騰してしまった場合と比較して、ですが)、ピストンのシールなんかもそれほど痛んではないのではないかと思いますよ、とのことでした。
そして、シールが傷んでくるとピストンの戻りが悪くなってくるため、ブレーキピストンがきちんと戻らなくなってきて、結果としてブレーキを引きずるようなことになってしまい、音が出たりとか走行しているだけでローターやキャリパが熱を持つ、ということになるんだそうです。
このメカさんは私の通勤ルートもよく知ってるので、毎日の通勤の際に、会社に着いたときにフロントのホイールのハブのあたりに触ってみて、ほんのりとあったかい程度なら問題ないですが、もしも触れないぐらいに熱くなってるようだとブレーキを引きずってる可能性が高い(=ピストンシールが傷んでいる、メンテが必要)ってことになる、と。
というわけで、このアドバイスをもらった翌日、実際に通勤で会社に到着した直後のろくむし号のフロントホイールに触ってみました。すると・・・ほんのりあったかいどころか、、
全然冷えてて冷たかったっす(ちゅど〜んっ!)
あれれ? って思ってブレーキロータじたいに触ってみたのですが、ローターがほんのりとあったかい程度でしたわ(苦笑) つまり、ろくむし号のブレーキは全然
引きずってるような気配なし、っていうことのようです(^^)/
とくに走行中、あるいはブレーキを踏んだときでもキャリパから異音は全然出てませんし、ホントに以前のままのフィーリングです。
なので、おそらくブレーキについては現状で普通に走ってる分にはまるで問題なく、メンテの必要もとりあえずはなさそうだ、ってことでメカさんからもお墨付きをもらうことができました(^o^)
ただし、今度またジムカで走るときにはさすがにちょっと心配なので、ジムカの前にはフルードをDOT4に交換して、その作業の時にキャリパやパッドの様子のメカさんに直接確認してもらおうと思っております。
とりあえず、それまでは現状のままで乗るつもりです(^^)
交換するフルードですが、なんでもディーラーさんに評判のいいオススメなDOT4のフルードがあるそうです。それはいっときスバルが扱っていた、オペルの7人乗りのミニバンである「トラビック」の純正交換用フルードなんだそうですが、この純正指定のフルード、さすが独逸車ってことで純正でDOT4が指定なんだそうですわ。この純正のDOT4フルードが使われている材質的にも耐熱温度的にもいいらしく、オススメなんだそうです。実際にクローズドで走っている人達の中にもこのフルードはファンが多いんだとか。
ってことで、今度ジムカで走る前にはこのフルードに交換しておこうかと思っています。あと問題はパッドを交換するかどうか、なんですよね(^^;)
そうそう、それと次回にフルード交換するときには緩んできているサイドブレーキもキッチリとまた締め上げてもらおうかと思っております。やっぱり最近、利きが甘いのでちょっとサイドターンもしづらかったりするので(苦笑)
そんなわけで、TKLで大騒ぎをしてしまった割には、意外とろくむし号の傷は浅かった、というわけでほっと胸をなで下ろしているのでした(^^;)
そういえばメカさんから興味深いお話を聞くことができました。いわゆる
「コゲンボ」のお話です。ほら、よくブレンボのブレーキって制動性能は高いけども、フェードしやすいとかベーパーロックしやすいとか、すぐに熱を持ってしまうからサーキットで走るんだったら放熱対策が必須、って言われてますよね。
そしてサーキット走行をする車に装着されているブレンボは、塗装が熱害にやられてしまって色がどす黒くなってしまう、いわゆる
「焦げンボ」と呼ばれる状態になってしまう、っていうヤツ(^^;)
じっさい、ヒドい車になると金色のキャリパーに書かれた赤いブレンボの文字が茶色く変色するだけでなく、金色のキャリパー自体が焼け焦げて古い10円玉みたいな錆色になってしまう、なんてところまで逝っちゃうらしいですね(滝汗)
これってブレンボっていうブレーキが熱をため込みやすいとか、放熱特性が悪いとかそういうのではなく、なぜかというと
ブレンボがよく効くブレーキだから
ってコトの証なんだ、というんです。これ、言われてみたら当たり前のコトなんですよね。つまり、ブレーキってのはブレーキローターをブレーキパッドで挟むことによって摩擦抵抗を生み出し、
運動エネルギーを熱エネルギーに変換してやる装置と言えるわけですから、制動性能が高いってことは、イコール、より多くの熱エネルギーを発生させている、っていうことに他ならない、ってわけなんですね。
もちろん、発生した熱を効率的に逃がしてやるような仕組みをふんだんに盛り込んでやればいいわけですけども、いろいろな対策や仕組みを導入するにしてもやはり基本としてはサーキットだけを走るレーシングカーではなく、インプレッサはロードゴーイングカーなわけですから、あくまで一般公道で通常走行することを大前提としていろんなパーツの性能も決定されてるわけだから、最も過酷な条件といえるサーキットでの限界走行にも常にキッチリと耐えられるだけの性能が純正の状態で備わっているわけではない、ってわけなんですね。
なので、何にも対策しないでサーキット走行をしてしまうと、あまり効かないブレーキシステムの車よりも、ブレンボを装着している車のほうが他の条件が同じなら、よりフェードやベーパーロックを起こしやすいといえる、ってわけなんです(^^;)
考えてみたらこれ、当たり前のことなんですけどもね(汗) なんかやっぱりブレンボ=高性能ブレーキ、っていう思い込みがあるから、熱害への耐性にしたって通常のブレーキよりも優れてるんでしょ?って勝手に思い込んでましたよ、私ゃ〜(^^;) これにはじっさいのところ、目からウロコでしたね(^^;)
そんなわけで、あのジムカの夜からやたらと大騒ぎをしてしまったろくむし号のブレーキトラブルについては、まずは一件落着、ってことになりそうです。皆様大変お騒がせいたしましたm(_ _)m