
それは一本の電話から始まりました。。それも唐突に。。
日曜日はすでにBlogにも書きましたとおり、私はのんびりとした休日をGRBろくむし号と水入らずで過ごし、子供達や嫁さんもお友達と楽しいひとときを過ごし、夕食は簡単にホカ弁で済ませ、風呂にも早めに入ってあとはゆっくりと寝るだけ、まさしく私は布団にはいろうか、という時でした。
嫁さんのケータイが鳴り、嫁さんが誰かと話を始めたのですが・・・突然に声のトーンが変わり、なにやら切迫した雰囲気が(汗)
「何か分かったらすぐに連絡ちょーだい。私もすぐに行くから」というやりとり。どうやらすぐ近所にある嫁さんの実家にいる母親と話をしているようでした。
どしたの? と怪訝な顔で聞く私に、嫁さんは深刻な顔をしてこう言いました。
弟がクルマで事故を起こして救急車で運ばれた
なにっ!?(滝汗)ホントに・・・こういう話は当たり前なんですがたいていは突然に降ってかかります。
こりゃえらいことになった。。。嫁さんの母親の所に警察から電話があり「単独事故で救急病院に運ばれたのだが、本人がしゃべれない状況なのですぐに来て欲しい」と連絡があった、とのこと。断片的に分かっているのはこの情報が全て。事故った本人の容態などは何も分からないまま、とにかく病院に来て欲しい、という連絡があったのだと。。
この時点で心配性の嫁さんはもうパニックです。つとめて冷静に、正確に把握して行動しないと・・と私は思うのですが、突然のことにとにかくも着替えて子供達をモビリオに放り込んで、まずは病院に行くということしか思い浮かびません。
嫁さんには「単独事故なんだし、そんな大きな事故じゃないって」と、半分意味不明のことを言って励ましつつ、嫁さんの実家で母親をピックアップして病院へと向かいました。
嫁さんはもう半泣きで震えているし、かける言葉も見つからないという状態。。私もこれから展開されるであろうサイアクのシナリオが頭をよぎっては消えよぎっては消え・・という状態。なにせ本人の容態がなにも分からないのです。ただ・・
「本人はしゃべることができない状態」というのが猛烈に頭に引っかかるのです。。
病院まで15分ほど。到着して救急受付のカウンターで「事故で運ばれてきた者の親族」であることを告げ、凍り付いたような時間の中で待つことしばし。。
雨合羽を着た警察官が二人、救急処置室から出てきました。まずは弟の容態を真っ先に聞いてみたところ・・・。
全身を打ってますが、骨折もなく内臓にも異常はないそうです。
大丈夫、すぐに出てきますよ。入院の必要もないそうです。
あのクルマの状態からしたら奇跡みたいなもんですよ。
と言われました。全身から力が抜ける、っていうのはこういうことを言うのでしょうね(^_^;)その場に居合わせた全員(もちろん、子供以外ですが)は半分へたり込んでしまいました(苦笑)
まずはひと安心したところで、事故の状況を聞いてみました。場所は我が家にあと数分というあたりで、河川敷の土手の上の道路。幅はクルマが対向できるぐらいのギリギリの幅があるのですが、センターラインがなく、私でもけっこう緊張する道です。(嫁さんは怖いからまず走らない道、でもあります)地元の走り慣れた人はけっこう速度を出しているところでして、私も離合にはドキドキしながらも時速60キロぐらいで普段走っているところ。川に沿って緩やかに左カーブしている地点で、何が原因か分かりませんが右に急ハンドルを切り、コントロールを失って横転、後続車のドライバーの目撃情報によると、
道路の上で横転を何度も繰り返し、ルーフを下にして5メートル下の土手に頭から突っ込んだ。
というハリウッドのカーアクションばりのド派手なクラッシュシーンだった、というのです(滝汗)
警官が言うには、
「波消しブロックのコンクリートが散在している場所で、波消しブロックの間に突き刺さっている状況」だというのです(爆汗)
そ、それでたいした怪我もせずに生還したって・・・かなりの奇跡じゃないの?(>_<) という感じです、話を聞く限りにおいては。
今回は単独事故のため、相手もいないので本人さえ問題なければ物損事故でも処理できる、とのこと。免許証を確認しようとしたんだけども、クルマの中に積んでいると本人が言うのでグローブボックスを開けようとしたけども、開かないので親族の方に確認を、ということだったようです(^_^;)
おいおい、
グローブボックスが開かないぐらいにまで壊れてるってこと?(汗)(汗)
そんな感じで簡単な事情聴取をしていると、当の本人が這々の体で処置室から出てきました。片方を警官に支えられて。どうやら極度の打ち身のために一人では歩きかねる状態のようです。
それでも、骨にも内臓にも異常がないってことらしく、入院の必要はないんだそうで(^_^;) しかしこれ、見るからに翌日とか痛いだろうな~という様子でした。
どうやら「本人がしゃべれない状態」っていうのは、正確には
「処置室に入っていて話が聞けない」ということだったようです(爆)こういうのはやっぱり人づてに情報が伝わっていく過程で簡単にニュアンスが変わってしまうんですね。
「本人がしゃべれない」というのと「本人から話が聞けない」というのでは、こういう状況ではまるっきりイメージされる結果が違ってしまいますからね(苦笑)
とにかくも、簡単な説明の後で警官は帰っていき、私たちも精算を済ませて引き上げることに。
しかしまぁ・・・雨の夜に土手の上で起きた事故、本人がしゃべれない・・っていう状況からしたら、こうしてみんな揃って病院を後にできるなんて、ほんとに不幸中の幸いでした(^_^;)
事故った本人は無事だということが分かったし、本人も痛がっていますが大事には至らず、とりあえずは安心、、ってことになると・・・次に気になるのはやっぱりクルマのこと(^_^;)
嫁さんや母親は「命が助かったんだからクルマなんてどーでもええやんか!」と言いますが・・・
気持ちは分かるぜ、義理の弟よ(^_^;)
本人の希望で帰りがてらに現場を見に行くことにしました。これも本人が無事だからできることですよね(苦笑)本人が大事に至っていたら、二度とその現場を通ることすらできないでしょう。。
なんせ河川敷の道で街灯などはひとつもなく、現場は真っ暗なはず。土手から河原に落ちてひっくり返っているクルマなんて分かるだろうか? と思いながら現場へと向かったのですが、真っ暗な道をワイパーを動かせながら走っていくと・・・現場はすぐに分かりました。
土手の下のほう、
中途半端な位置でこれまた
中途半端に斜めになって光るハザードランプがあります。
ありゃ~ あれに間違いないだろ?(^_^;)
近づいてみると・・・画像の通りですわ(爆) 暗くてよく写ってませんが、手前で揺れているのは道ばたの雑草です。奥にぼんやりと浮かび上がっているのが弟の愛車、BMWの3シリーズ。これは私も知らなかったのですが、最近まで彼は同じBMWのZ4に乗っていたはずなのですが、話を聞くと最近乗り換えたんだそうな(核爆)
地面は暗くて写っていませんが、ほんとにこれ・・現場で見ると・・・
ボディの裏を空に向けた状態で、ノーズが地面に突き刺さってリア部分は完全に空中に浮いている
という状態(ちゅど~んっ!) で、むなしくハザードランプが点滅している、と(滝汗)
よぉ~く見ると、突き刺さっているビーエムのノーズのすぐ隣には、波消しブロックの巨大なコンクリートの塊が横たわっています(滝汗)
ほんと・・・あと1メートル着地する地点が左にずれていたら・・・クルマは木っ端みじんで弟の命も無かったでしょう。。。現場を見て背筋が凍り付きました(>_<)
しかしまぁ横転を繰り返したっていうだけあり、ルーフもサイドもグニャグニャ(涙)こりゃもう確実に廃車確定でしょう(号泣)まだ購入したすぐだったこともあり、一般車両保険に入っていたらしく、保険は下りるでしょうけども・・・。
本人曰く「気に入ってたから30万キロまで乗るつもりだったのになぁ~」だそうです(^_^;) いやはや、こりゃどうにもなりませんわな(苦笑)
このビーエム、最新型もしくはそのひとつ前のモデルのようで、かなり年式は新しいんですね。なので、エアバッグは当然ですけども、サイドエアバッグも装備しており、本人はシートベルトも装着した状態だったので、これらが有効に作用したことは容易に想像できます。
そして・・・横転を繰り返した車体が浮き上がるほどの衝撃でノーズから地面に突き刺さっている、という割にはボディは原型をとどめ、またキャビンも変形していません。イマドキのクルマ・・・特に頑丈だと言われるドイツ車に乗っていたということが彼の命を救ったと言えるかも知れません。。。
彼が最近まで乗っていたZ4、そしてその後しばらくは軽バンに乗っていたらしいのですが、それらのクルマで横転を繰り返して土手下に転落していたら・・・同じように彼が生還できたかどうか。。。
彼の命を救って、彼の愛車は昇天した。。。ということなのかも。イマドキのクルマの衝突安全性の高さを、このようなカタチで実感することになるとは思いませんでしたが(苦笑)
そしてこのハザードランプ・・・本人は当然ですが点灯した記憶は全くなく、逆に事故直後の動転した状態の中で(こういう時って妙に冷静でどーでもいいことをしてしまったりするもんですが)、チカチカと音を立てているウインカーを消そうとウインカーレバーを動かしてみたそうですが、チカチカは止まらなかったのでそのままにしたんだそうですが・・・これ、おそらくはエアバッグが作動した時に自動的にハザードランプが点滅する装置が作動したのでしょうね。
もちろん、事故の発見を早めるためのBMWの安全装備だと思われます。
しかしこれ・・・とりあえずこの状態ではクレーン車がないとサルベージも不能、という状況のため、警察も現場の処理もできずに本人も病院に行ってしまい、そのままの状態で暗い闇の中に放置されたもんだから・・・いやが上にも目立ってしまうんですよ(滝汗)ましてや当時は風の強い雨の夜。。。こうした事故が起きてもおかしくないような状況ということもできます。
ちょうど私たちが事故現場を簡単に発見できたように、通行している一般ドライバーからも不自然な位置で点滅するハザードランプに気がついてしまい、何本も110番通報がかかってきている、と警官は言ってました(^_^;)
とはいえ、その晩にはどうすることもできないですし、翌日の月曜になってから、ってことになりました(苦笑)
で、明けて月曜日の朝。。眠たい目を擦りながら私はいつも通りに市場に出勤したのですが・・・この事故現場っていうのはうちの社員たち数名の通勤路でもあるだけでなく、うちのお客さんたちが市場に来るルートでもあるんですよ(ちゅど~んっ!)
はい、目撃者多数です(ちゅど~んっ!)
中には「今日来るときに土手の下に白いクルマが転落しててな~ 慌てて110番通報したら、すでに処理済みですのでご心配なく、って言われたわ~」と報告してくれる仲のいいお客さんも(^_^;)
あの、それってうちの嫁さんの弟の車ですねん
っていうと「はぁ!? マジで??」だって(どっか~んっ!)そらそうでしょうね~(苦笑) いやはやなんともね~(^_^;)
ってなわけで、Blogネタにできるぐらいの話で終わってホントによかったわ、というこわ~いお話でした。。事故はホントに突然に襲いかかってきます。みなさんも十分に注意をしましょうね(^_^;)
私もほんと、気をつけようと心に誓った、そんな嵐の夜の出来事でした。。。