
台風の余波でめっきりオサカナの入荷が無くてヒマヒマだった昨日、ふと思いつきで試乗にお出かけしてきました(^^) 乗ってきたのは、日本デビューというニュースを聞いて私がずっと注目していた、新世代の省燃費かつハイパワーなディーゼルターボエンジンを搭載し、バーゲンプライスとも言える
ガソリンエンジン車+20万円という挑戦的な価格で日本上陸を果たした、
BMW320d BluePerformance
でございます♪ このBMWの3シリーズに追加されたディーゼルエンジン、とにかく我々の持っている「ウルサくてノロい、汚い排気を出す」といったディーゼルエンジンのイメージを覆す、とんでもない性能を持ったエンジンだというんです。
とりあえずスペックを確認してみると・・・2リッターの4気筒エンジンにツインスクロールターボを装着し、出力は184馬力、、なんですが・・・なんと最大トルクは38.7キロ(滝汗) しかもそのトルクが1750〜2750という低回転域で出力されるという、、ディーゼルの強みを最大限に活かしたパフォーマンスを持っているんですね。そして気になる燃費はというと・・・
19.4km/l
というとんでもない数字(爆汗)そりゃまぁイマドキだと国産のエコカーとかだとリッター30キロも走るような車もあるし、20キロ越えなんてザラですけども、こんだけ大きなボディを持ってて、しかも時速0→100キロ加速が7.5秒という瞬足を持っているのにリッター20キロ近い燃費を出すというのはスゴいことではないかと。
そしてこの燃費はハイオクでもなく、ましてやレギュラーでもなく・・・私がろくむし号に入れている燃料よりもリッターあたり40円も安い軽油で導き出される数字であるというこの事実(汗)
ちなみにろくむし号の実用燃費はリッターあたり約7.5km(涙) 300キロ走るとすると、消費するハイオクガソリンは40リッター。今の価格でだいたいハイオクが151円(いつも使っているセルフGSの価格)ですから、300キロ走って給油すると約6000円かかるわけですが・・。
これが320dだと、、仮に実用燃費がリッター15キロ、つまりろくむし号の倍であると仮定してみれば、消費する軽油は20リッター。そして軽油はリッターあたり111円だとすると・・・300キロ走って必要な燃料費は・・
約2200円!?
なんてこったい!な数字ですよね(爆汗) ざっと計算しても燃料コストは1/3近いわけですよ(涙) そんなとんでもないエコなBMW、じゃぁ実際に乗ってみてどうなのよ? っていうのはとっても気になるところなわけで。
だからこのBMWには日本デビューが決まったときから注目していたわけですが、その試乗車がようやく徳島のディーラーさんにも入ってきたってことで、なら乗るしかあるまいて、というわけですね(笑)
さて、ディーラーに到着すると、試乗車になっていた320dは・・・
なんと! Mスポーツのステーションワゴンでした。これってセダンに追加されるカタチでつい最近日本デビューした最新型ですね。しかもMスポーツって!(^^)/ 今のBMW3シリーズは
F30っていう形式なんだそうですが、このF30にはノーマルバージョンのほかに「ラグジュアリー」「モダン」「スポーツ」という3つのトレンドラインがあって、それと別に専用のエアロだとかインテリア、ホイール、そしてスポーツサスペンションや太いタイヤ、といった装備の奢られるMスポーツっていうのがあるんですけども、このMスポーツっていうのが一番高価格帯になるわけでして(汗) それをわざわざ試乗車にしてしまうっていうのが気合い入ってますよね(*^_^*)
このF30のBMW3シリーズ、装備によって上記のような大まかに5つのいろんなグレードがあるわけですけども、意外なことにノーマルバージョンでも3つのトレンドラインでも、そしてMスポーツでもエンジンは同じ、出力なども同じなんだそうです。
エンジンの話になったのでついでに。これは余談ですが、今回の3シリーズにはガソリンエンジン仕様としては320iと328iというモデルがあるんですが、これら2つのモデルのエンジン、ハードとしてのエンジンは・・なんと
同じなんだそうです。(ちなみに諸元表の上ではエンジン形式番号の末尾は違ってます)当然、モデルごとに出力などのエンジン特性は違うんですけども、それらの差を生み出しているのは純粋に
コンピュータのプログラムの違いなんだそうです(滝汗)
320iのエンジンは184馬力の27.5キロというトルク、対する328iは同じエンジンですがプログラムチューンで245馬力の34.7キロというトルク・・。これだけの差がメーカーによるプログラムの差で生まれるっていうのは・・なんか時代はすっかりと変わってしまったんだなぁ〜 とちょっと思っちゃいました(^_^;)
さて、毎度のコトながら前置きが思いっきり長くなってしまいましたが(^_^;) さっそく試乗にお出かけです。今回、いつも担当していただいている営業さんが別のお客さんの納車があるとかで、「適当に30分ぐらい走ってきてくださっていいですよ」とおっしゃってくれたので、お言葉に甘えて単独で鳴門方面に走って行くことにしました(^o^)
最近のBMWなんてもう、とりあえず内装その他の快適装備なんてのはフル装備ですし、BluetoothオーディオやらETC、カーナビも標準装備です。まずは私のiPhone5をさくっとクルマのオーディオと勝手にペアリングしてやり(爆)iPhone5からお気に入りのアニソンを流しながら極楽ドライブとしゃれこむことに(ちゅど〜んっ!) カーオーディオの音・・・う〜ん、思っていたよりはフツーな音かな(^_^;) っていうか、このへんは好みの問題かも知れませんが、私が好きな音質よりも低音を強調しすぎた感じのセッティングになってるかな?(まぁちゃんと調整すれば大丈夫なんでしょうけど)
まず、イマドキのクルマらしくエンジンスタートはプッシュボタンなので、ブレーキを踏んでボタンをポチっとな。ぐるるぅん、っていう感じで普通にエンジンがかかりました。
以前にX5のディーゼルに試乗したこともあったんですけども、X5よりもディーゼルっぽい音がするな、っていうのが正直なところ。X5はホントにエンジンがかかっていても、かなり気にしないとディーゼルだとは気がつかないぐらいのレベルでしたけども、320dは「あ〜こりゃディーゼルだな」と明らかに分かる音質ですね(^_^;)
ブリッピングすると、吹けはいいですけども、
「ガラランッ! ガラランッ!」っていう感じの音がします。このへんはBMWのシルキー6なんかを想像してしまうとちょっと、いやかなり興ざめが部分であることは事実ですね(苦笑)
さて、気を取り直していよいよ試乗に出発です。ちょこんとアクセルに足を乗せると機敏に反応するディーゼルエンジン、8速ATが組み合わさっているんですけども、普通に本線合流して加速をしていくと、、あんまり回転を上げないままでどんどん、というかするりするりと変速していきますね。感覚的には2000〜2500回転あたりをタコメーターが数秒おきに行ったり来たりしながらどんどんと車速は乗っていく、という不思議な感覚。
ディーゼルエンジンはちょっと濁った低音を奏でつつ、低くくぐもったような感じで回っているだけなのに、どんどんと普通にスピードは乗っていくんですよ。まさしくこれ、
トルクで加速していく
っていう感じですよね。 試しにクルージングからぐいっと床までアクセルを踏んでみると・・・ひと呼吸おいてキックダウンし、
ぐぉぉぉお〜 って感じで加速。これがまた、ガソリンエンジン車のようなキックダウンを想像するとちょっと拍子抜けするような感じなんです(苦笑) ガソリンエンジンでキックダウンすると、レッドゾーンまでガーーー!っと回って音も盛り上がるもんですが、このディーゼルエンジンの場合、もちろんギアダウンして回転は上がるんですけども、こっちがイメージしている「キックダウンするとエンジン音がこれぐらい大きくなるぞ」というのよりもずっと控えめな感じで
「ん? 回転上げます? ほーい」っていうぐらいのお気軽な感じなんですよね(笑)でもけっこうしっかりと加速していくんですね、これがまた(汗) やっぱりトルクで引っ張り上げる、という感じになるわけです。
最初こそ違和感バリバリだったんですけども、ちょっと走っているとけっこうなれてきますね。流れに乗せて走ってる限りにおいては、ゆるゆると低回転で回っているだけで十分に事足りるという感じ。緊張感なさ過ぎなぐらいに安楽です。トルクがあるエンジンっていうのはこんな感じなんですね〜。ずいぶんと印象が違うものです。でも町乗りするのにはこれってホントに疲れないんじゃないかな(^^)
鳴門方面に向かうと、市街地に入るのにかなりキツい坂を登って山を越えていくっていうルートがあるので、わざとここを通ってみます。仕事で使っているトラックとかだと、3速フルアクセルでもどんどん車速が落ちてしまい、2速でガーガーいって登らないといけないぐらいの急坂なのですが・・・320dだと、まぁラクチンっていうかなんというか(^_^;) 全然シフトダウンする様子もなくするすると・・ホントにぐいぐいって感じじゃなく、
「何かありました?」っていうぐらいにフツーにエンジンが低回転を保ったままでするすると登っていってしまいます(汗) ホントにトルクのあるエンジンですね〜(^_^;)
登り切った後は急な坂を駆け下るようになるので、今度はパドルシフトを使ってシフトダウンしつつ右に左にステアリングを切ってちょいと元気よくダウンヒルしてみましたが・・ちょっと元気に走ったぐらいでは破綻するような気配すらなく、実にFRらしいナチュラルなハンドリングを披露してくれました(^^) いやはや、この辺はさすがにBMW、ドライバーズカーの面目躍如といったところでしょうか。
けっこう堪能したし、それじゃディーラーに帰ろうか、、と思ったのですが・・ここで思いっきりスケベ心がムクムクと湧いてきた私・・・320dのノーズはディーラーのある徳島市方面ではなく、鳴門市の北のほう・・・
某スカイラインのほうを向いていたのでした(どっか〜んっ!)
平日の昼下がりの観光スカイラインはほとんどクルマも通ってなくて、そりゃもう気持ちよーく走らせていただきました(^o^) ろくむし号よりも大きなボディなのですが、全然そんなふうに思えないですね。実に軽快な身のこなしには驚くばかり。これがBMW、FRなんだな〜ということを再認識させていただきました。やっぱりこういう所を走るとFRっていうのは実に気持ちがいいですね。自分のイメージするラインとクルマのノーズがキレイにリンクするというか・・・思った方に勝手にクルマが何のストレスもなく走って行ってくれる、というんでしょうかねぇ・・とってもナチュラルで気持ちのいい走り。これはホントにいいものです。
頂上の展望台ガレージでちょっと休憩しつつ、タイヤのチェックなんてしてみたのですが、もちろんちょっとスポーツ走行したぐらいではタイヤは全然問題なし・・っていうかなんですかこのリアタイヤ!?(滝汗)
255/40R18
なんつーぶっといタイヤ履いてますのん!?(爆汗)ちなみにフロントは225/45R18というサイズでした。前後で幅の違うタイヤっていうのはMスポーツならではの仕様のようですね。Mスポーツ以外のラインアップはノーマルが205の16インチ、トレンドラインの3種類は225の17インチという仕様になるようです。
帰りはダウンヒルを堪能して、これまたスケベ心を起こしてそのまま鳴門北インターから
高速へ(ちゅど〜んっ!) ETC車載器もルームミラーに最初からビルトインされているので、自分のETCカードを入れてそのままゲートをノンストップで通過します。
本線合流してからフルスロットルの実験。これまたひと呼吸おいてからキックダウンして加速するんですが・・ん? まぁたしかに加速はそれなりにはしてくれてますけども、タウンスピードからのフル加速よりはだいぶおとなしいというか(^_^;) なるほど、高速域では巡航は得意だけども、そこからの加速は上の伸びがちょっと足りないか、という感じです。 まぁねぇ、エンジンは5000回転ちょっとからレッドゾーンに入ってしまうので、これはもうディーゼルですしやっぱり馬力で引っ張り上げるのではなくて、あくまでトルクで車速を乗せていくっていうキャラクターなんですね〜。
高速道路を降り、一般道に出てから今度はシグナルスタートをチェック。これがもう今度は逆のほうに意外だったというか、とりあえずすんごい鋭い加速をするんですよ(滝汗)追い越し加速のときとはまた印象が違うんですよ〜 これまたエンジンの回転は思ったよりも上がらない、エンジン音もイメージするものよりもおとなしい上昇のしかたしかしてないのに、スピードはなんかすごい勢いで乗っていくんです(汗)これが一番今回違和感を感じたというか、普通のガソリンエンジン車ではありえない加速のしかただなぁ〜と思いましたね。
0から時速100キロまでの加速が7.5秒っていったらかなりの瞬足ですけども、ゼロスタートでもあくまでトルクでするする〜っと車速を乗せていくというわけです。
なので、街中で本線合流するとか危険回避のためにブレーキで逃げるとかではなく、加速して危険回避するなんていうようなシチュエーションでは絶大な威力を発揮するエンジンキャラクターですよこれ。きっとこれ、町乗りなんかではとってもフレキシブルで乗りやすいんじゃないかな〜って実感しますね。
Mスポーツってことで、いわばスポーツ仕様なわけですけども乗り心地は・・・実にいいです(*^_^*) ダンピングがきっちりと効いていて、ボディはミシリともいわないガッチリとしたもので、これに減衰は高めだけどもしっかりと動くサスペンションの組み合わせ。ぶっといタイヤを履いていますが、ネガな部分は全然ないですね。
中間加速、そしてゼロスタートと試してみましたが、このエンジンのターボは低回転から瞬間的にブーストがかかってくれるので、インプのドッカンターボのような気むずかしいところは皆無。このターボのフレキシビリティも実に町乗りにいいセッティングですよね。
アクセルを踏んでタイムラグなしにパワーが出てくるというのは、なんだかNAのようなキャラクターですけども、とっても扱いやすくていいですわ〜(*^_^*)
ってことで、すっかり堪能させてもらってディーラーに戻ってきたわけですが、だいたい35キロぐらい高速あり、山道あり、町乗りありで走ってみて、燃費はこんな感じ。。
リッター16キロ
も走ってます(爆汗) ホンマにたいしたもんですね〜(^_^;)
この新世代のエコでパワフルなディーゼルエンジンを載せたBMW、ネガな部分っていうのは
「ディーゼルっぽい音がちょっとだけ聞こえてくる」っていうことかな。
このクルマ、イマドキのクルマですからアイドリングストップも当然ついています。ブレーキを踏んで車速がゼロになると、右折待ちだろうと信号待ちだろうと有無を言わさずエンジンはすぐに止まるので、ブレーキを緩めて発進の準備をするたびに
グルルンっ!って感じであんまり官能的な感じではない音と振動でエンジンがかかるのはちょっと興ざめな面がありますけどもね(^_^;)
逆に言うと、従来のBMWの魅力のひとつであった
「エンジンの官能性」というものだけを割り切れるなら、現時点ではこれ以上は望むべくもないような魅力を備えたクルマである、ってことですよね。
まぁこの「エンジンの官能性」っていうのがBMWのクルマの中でも大きなウェイトを占めたものであることも事実でもあるわけですけどね(^_^;)
この部分に目をつむる、、いや耳を塞ぐことができるのなら、この320dっていうクルマは省燃費とパフォーマンスを両立させた、実にいいクルマであると思います♪
ホント、欲しくなっちゃいましたよ(爆汗)
で、気になるお値段ですが・・・ノーマル仕様で470万円、3つのトレンドラインだと490万円、Mスポーツは514万円 だそうです(ため息)
やっぱり高い、、ですよね。。。。