
昨日は市場でAED講習会が開催されました。
AED・・・というと「自動体外式除細動器」のこと。 突然に誰かが気を失って倒れ、心肺停止状態だというような場合、 救急車が到着するまでの間に一般市民が使えるようになったこの新しい医療機器は、いわゆる「電気ショック」で 心臓を蘇生するために使われるものです。
ワタシもAEDのことは知っていましたが、実際に現物を見たのはコレが初めてでした。 最近はこのAED、 けっこういろんなところで見かけるようになってきましたよね。 公共施設などでは、大きく「AEDはココ!」みたいな掲示もあります。 じつはこのAED、最近市場にも取り付けられたんですよ(^^)
ただ、いくらカンタンに誰でも使える機械であるとはいえ、その使用には一定の手順もありますし、咄嗟の時に きちんと使えるようにと、講習会が行われたというわけです(^o^)
講習には徳島市の救急センターから、現役の救急隊員さんたちが 来てくれて行われました。 AEDじたいの使い方は実にカンタンです。
スイッチを入れたら、あとは音声ガイダンスの通りにすればきちんと電気ショックを与えられるようになっています。もちろん心臓が元気に動いている場合など、電気ショックが必要ないような場合には、キカイの方で心電図からちゃーんと判断してくれるので、無駄な電気ショックを与えてしまうようなこともないんだそうです。 きちんと動いている心臓に電気ショックを与えるってのは、雷に打たれるようなもんですからね~(爆)かえって心臓が止まってしまうことがあるそうですよ(滝汗)
ここで言われている心臓の「細動」というのは、カンタンにいえば心臓はまだ動いてはいるんだけど、鼓動を刻んでいるような状態ではなくて、けいれんをしているだけで血液を正常に全身に送り出すという機能は失ってしまっている、っていう状態のことなんだそうで。
まだ動いている心臓を、電気ショックで正常な動きに戻してやるために、この心臓の「細動を取り除く」のが「除細動器」というわけです。
このAED、ちゃんと心臓が動いているときには、除細動の必要がないから電源を入れても無用な電気ショックが行われることはないんですが(AEDが勝手に判断します)、ちょっと切ないのは、完全に心臓が停止してしまっている状態のとき。
このときにも、AEDの診断で「心肺完全停止」となってしまうと「電気ショックしても、もう蘇生の可能性はない」と判断され、やはり電気ショックはできないんだそうです(^^;)
これってなんか、ちょっと哀しいような気がしちゃいますね(^^;)
さて、それでじゃAEDがあるから、それだけでOKというわけでもないんですよ。AEDはあくまで心肺蘇生措置の補助であって、あくまでメインは心臓マッサージなんですよ。
徳島中央市場の場合、連絡を受けてから救急車が到着するまでに10分ぐらいかかるんだそうです。この間、心肺停止状態の人が放置されてしまったら、助かる確率は限りなくゼロに近いんだとか。
逆に救急車が到着するまでの間に、AEDや心臓マッサージを適切に施した場合、助かる確率は8割にまで上がるんだそうです。いかに初期の対応が重要なのか、というようなことも教わりました。。
せっかくですから、実際に倒れた人を発見したときの手順をカンタンに書いておきましょう(^^)
倒れた人がいた場合、まずやるべきことは
意識があるかどうか確認する
ということ。意識があるという場合には、救急車が到着するまでの間にその人が死んでしまう、というような緊急性を要する初期対応が必要だというケースは少ないんですね。
具体的には、
大丈夫ですか? 聞こえますか?
などと、大声で耳元で話しかければいいわけです。
そして、意識がないということが確認できた場合、次にすることは
息をしているかどうか確認する
ってこと。同時に、救急車の手配や、AEDを持ってきてくれ、ということを周りにいる人にお願いしておく、ってこともしておかなくてはいけませんね。
息をしていれば、これも救急車が来るまで待っていても大丈夫。息をしていなければ、これはヤバい状況です。息をしていない人がそのままでなんとか耐えられる限界は3分なんだそうです。だから、この3分が言ってみれば、最も大事な
「命の3分」ということになります。
息をしているかどうかの確認も別に難しくはありません。鼻や口に手を当てるなり、顔を近づけるなりしてすーすー言っていれば問題ない、ってことです。
さて、それでは意識もない、息もしていない、ってことに なった場合・・・これがいわゆる初期救急処置の必要な場合、つまりAEDを使うべき状態ということになります。
AEDが近くにない場合、あるいはAEDが来るまでの間は
心臓マッサージ
をします。
これは実際に体験するのが一番なのですが、みぞおちの部分を掌の付け根で押します。1分間に100回程度の早さで、ってことですからけっこう早いリズムなんですよ。
この早さで、胸が4~5センチ沈みこむぐらいに押す、ってことになります。これ、実際にやってみるとけっこう重労働ですよ(^^;) 間違ってもお腹を押したりしないように(汗)
心臓マッサージをしながら、AEDが届いたら
AEDを使用
となります。手順はキカイのスイッチを入れたら勝手にしゃべってくれます。 まずは電気ショックを与えるパッドを取り出し、AED本体に接続してパッドを倒れている人の胸をはだけて取り付けます。
基本は右肩と、左の脇の下あたり。心臓に電流が流れるように貼る、ということになります。
パッドの準備ができたら、AEDが勝手に心電図を読み取ります。心電図から、電気ショックが必要だとキカイが判断すると、
電気ショックが必要です、離れてください
みたいな感じのアナウンスがされるので、現場にいる人、介助をしているしている人に
下がって!
と言って、誰も触れていないことを確認した上でAED本体に点滅しているボタンを押す、これでOKです。 もちろん、倒れている人に触っている人がいると、この人にもキョーレツな電撃がお見舞いされる、ってことになっちゃいますからね(^^;)
よく映画なんかでありますけど、あれですよ。通電した瞬間に、ドンッ! って感じで人がけいれんして跳ね上がる、ってのを見たことあると思いますけども、あれが起きるわけです(汗)
AEDはあまり連続して使うとよくないので、2分間は自動的に停止します。パッドを取り付けたままで心臓マッサージを続け、2分経っても蘇生していない場合は、またAEDがアナウンスを流すので、同じ手順を繰り返すことになります。
そうこうしているうちに救急車も到着、、ってことになるわけですね。
AEDの使用や、心臓マッサージで倒れている人がうめき声を上げたり、体を動かしたりするようになれば心肺機能が蘇生した、ってことなので、その時点で蘇生措置は終わりです。
AED、市場に設置されたことは知ってましたし、あちこちに案内カンバンも出ているのですが、実際にAEDというキカイを目の当たりにしたのも初めてですし、AEDだけではなく、心臓マッサージが重要なんだということも初めて知りました。
こういう場面には、できれば遭遇したくはないものですがもしも遭遇してしまったとき・・・あるいは、自宅で急に家族が倒れて意識がなくなってしまったとき・・・
助けられるのは自分だけという状況で、少しでも的確な救命措置が取れるかどうか・・。そう考えると、こういった講習には積極的に参加しておいてソンはないですよね(^^)
なんとなく知っている、っていうことと、実際にやり方を見て、練習をしてみるってことは全然違いますからね。(^^)
ワタシがもし、そういう場面に遭遇したとして講習で教わったとおりに的確にできるかどうかは分かりませんけども、少なくとも何も知らない人よりはマトモに動けるだろうコトは間違いないでしょうからね(^^)
みなさんもこういった講習が近くで行われているようでしたら、ぜひとも参加されておくといいと思いますよん(^^)