前回の付随車編に引き続き、KATO製動力車のNj (6.5mm) 長軸改軌の概要についてご紹介します。興味のある方は、以下①~⑤の5つのステップで解説しますのでお付き合いください。(^-^)①動力台車の分解*まず分解前に… 台車のトラクションタイヤの位置やウォームギアのロッドの方向をメモしておきます。写真の部分左右2箇所にピンセットなどで「台車軸方向へ引きながら、下に押す」とロックが外れギアBOXが下方に分離します。取り外したパーツ。台車枠、ギアBOX、ウォームギアAssy、集電板、ギア付き車輪など・・・②ギア付き車軸の長軸改軌事前に車軸長確認・・・。 この場合は13.2mmのタイプです。 写真のように、ギア部に触れないようラジペンでクランプし、ニッパー先端をテコ代わりに車輪を抜く。このように、3つに分け、加工に移ります。ギア部を中心にスリーブ左右を均等にカットし、バックゲージ 5.25mm にする。*私は少し余裕を持たせたケガキ線(矢印部)を目安にカットし、カッターで寸法を追い込んでいます。 ↓*2014.04 精度向上のため治具化しました。仕上がったスリーブのバックゲージを確認(5.25±0.1mm 程度)車軸を治具受け台にセットし、ゲージ (A;13.2mm 用 2mm厚) をセットする。バイスで軸を押し出す。(右上:加工前、右下:加工後)車軸をスリーブに取り付け、仕上がり軸長を確認(13.1~13.3mmならOK)③ギアBOXの加工車軸下部分をカッターで切り込み線をいれ、ラジペンでカットする。(右部写真は 上:加工前、下:加工後)改軌済車軸を基に、ギアBOX黄色部をカットする。*ヤスリで仕上ても良いが、切粉防止でアイドルギアを外す必要があり、その際ギア山破損のリスクが高くなるので、最近はカッターのみで加工しています。④台車枠の加工黄線部をカットし、右図のように大まかに加工する。車軸を入れながら、フランジ接触部など細部をリューター加工します。⑤ギアBOX組み込みと走行性チェックウォームギアを外した状態で、転がり性・車輪の振れなどがないか最終確認。問題なければウォームギアを取り付け、車体にセットして、実走行性の確認で終了となります。<ご注意>------------------------------------------------------------------------------------------ ・KATOより基準寸法や公差が公表されておらず、本記事での寸法はあくまで筆者の経験値です。 ・Nゲージ車両加工の経験をお持ちのモデラーの方は、それほどハードルが高い内容ではありませんが、 なるべくスペアの台車を準備の上、加工されることをお薦めします。 (Nゲージにも台車入れ替えで戻りますので・・・) ・このシリーズのKATO車両であれば、大半改軌可能と思われますが、特に加工が必要なアイドルギア部 やギアBOXがバックゲージを受け入れる余裕がある寸法及び構造か十分確認の上、自己責任で実施 してください。 ・動力車は大変デリケートです。 切削時の小さなバリや切削粉でもスムーズな走行は望めなくなり、特にギア傷は僅かなものでも致命的な ものとなります。十分時間をかけ、あせらず加工されてください。動力車の改軌が終われば、1編成の山場を超えたも同じ、先日ご紹介したように付随車の改軌は比較的スムーズです。 by shonan breeze