2013年11月08日
数日前に首をひどく寝違えまして、車をバックで車庫入れする時に首が上手く動かないもの
ですから、体を思いっきりひねりましたら今度は脇腹を痛めた辛口オヤジです(笑)やっぱ歳だわ・・・
さて、今回も心温まる良い話を一つ。
平成4年(1992)にスペインで行われたバルセロナオリンピックでの話です。
日本から3人の選手が参加した女子マラソンは18時30分にスタート。
猛暑と高い湿度、コースは高低差が激しく大変過酷なレースとなります。
20キロ地点を通過し、先頭集団は17人に絞られます。 日本人選手3人もその中にいました。
コースの途中数箇所に給水地点があり、選手は自分のドリンクを取って水分補給したり、頭から
被ったり、足にかけたりしながらレースを続けます。
空になったボトルはどうするか?
選手は全員、そのままコースに投げ捨てて先を急ぎます。
ところが、ただ一人コースを外れて道路の反対側まで走り寄って、空になったボトルを捨て、
再び集団まで戻ってくる選手がいます。
日本代表の有森裕子選手です。
TVでその様子を見ていた地元スペインのアナウンサーや解説者、そして視聴者たちは最初、
「あの選手は何をしているのか??」不思議に思ったそうです。
しかし、すぐに理解します。
有森選手は後続のランナーが空ボトルにつまずいて転倒しないように、わざわざ道路の端に
捨てていたのでした。
また有森選手は走りながら沿道の応援に向かって笑顔を返し、軽い会釈を送ります。
声援を送ってくれる方たちへの答礼でした。
30キロ地点、トップのロシアの選手と有森選手との差は56秒差。
そこから有森選手は猛烈な追い上げを見せ、36キロ地点でついに並びます。
その先は約6キロにわたる上り坂「モンジュイックの丘」になります。
二人はマラソン史上に残る熾烈な戦いを、そこで繰り広げます。
離されるか? いや、粘る! 抜けたか? いや、まだ付いてくる!・・・
そしてこの激しいデッドヒートの最中にも、有森選手は空ボトルをコースの端に捨てます。
結果、有森選手はトップと8秒差で2位となりました。
しかし彼女の素晴らしいマナーは多くのスペイン人に感銘を与えます。
スポーツは手段を選ばず、ただ勝てば良いというものではなく、その美しさも感銘を与えるもの
であることを多くの人に伝えました。
日本に帰ってから、有森選手が祝賀パーティーに参加したとき、出席者の一人が彼女の行為
を褒めたところ、「はあ? そうでしたか」と不思議そうな顔をしていたそうです。
彼女にとっては、意識して行ったわけではない、まして功名心や偽善者を装うつもりなんて
微塵もない、純粋な彼女のスポーツマンシップから出た行為でした。
それが世界に感銘を与えたのでした。

実は私、この話を知る前までは有森選手の事をあまり好きではありませんでした。
ガブちゃんをお婿さんにしたことは関係ありません(笑)
この次のアトランタオリンピックの時、3位でゴールした直後のインタビューで、確か「自分で
自分を褒めてあげたい」と言ったと記憶しています。
この言葉自体特に問題はないのですが、オリンピックでメダルを取るという事は個人の力だけ
では絶対に無理だと思うんです。
色々な面で自分をサポートしてくれた、或いは協力してくれた人たちが必ず居るはずですので
先ず、いの一番にその人たちへのお礼を言う。 やはりこれが筋だと思ったからです。
しかしこの話を知って少し気持ちが変わりました。
世界に感銘を与えた有森裕子選手、遅まきながらここに大和撫子認定です!
もちろんなんの権威もありませんが・・・(笑)
Posted at 2013/11/08 23:35:25 |
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