
散歩中に見かけたオールドベンツ。
これでドライブしたらどれだけ味わいあるのでしょう。
味わいを通り越してタイムスリップできるのでしょうね。
というように考えると、最新のタイムマシーンと言ってもいいかもしれません。
なお、もちろんハイブリッドではありませんが、故障して押し掛けすればハイブリッドです。

こちらも素敵です。
経済的なだけでなく、精神的に、そして時間的にも余裕がないと乗れません。
以下同文。
維持や面倒見が大変そうですがどちらも素敵です。
時は流れて2015年最新ベンツの一つ
メルセデスベンツ・
S400ハイブリッドに乗る機会を得ました。

ちょっと乗ってみて「このクルマはいい!」運転して「このクルマはいい!」
運転し終わって「このクルマは本当にいい!」 思わず何度も感じ、そして唸りました。
そう何度も思うほどに出来がいいクルマと出会うのも久しぶりです。
そして今まで乗ったどのクルマよりもすばらしいと素直に思いました。
また、最新のクルマや技術に興味も薄れ、新しい車種は分からなくなってきている中でも、久しぶりにクルマへ強い興味を持たせてくれました。

以前に同じW222の
S550ロングにも乗らせてもらいましたが、ショートホイールベースのボディとなるS400のほうが運転していて断然気持ちよいクルマです。
S400はボディバランスも非常に高度に作り込んできたと思いました。
贅沢な普段使い車、最高峰です。
現行CクラスからAMGまで幾通りかのベンツを運転させてもらったことがある中で、
ベンツで運転がこんなにも気持ちよい、と感じたのははじめてかもしれません。
ちなみにの余談ですが、以前海外へ渡航した際に現地での各メーカーブランドポジションの勉強も兼ねてディーラーへ試乗しに行ったのですが、ベンツでは
W222やBMWでは
F10など型式での呼称がまったく通じませんでした。「ディーラーの人間なのに知らないの?」と思いましたが、クルマ好きの人がコードネームで呼ぶことは日本特有の繊細さ、癖なようです。
コードネームで呼んだほうがどの代か一発で分かって便利そうなんですけどね。
さらにちなみにですがディーラーへ入ると「チャイニーズ?」と聞かれることが多く、中国パワーを感じました。旧バブルの頃はどこの国へ行っても「ジャパニーズ?」だったのでしょう。時代の変遷です。

余談ついでに、どこへドライブに行っても中国人が多く「えっこんなところも観光するの?」というようなところまで中国人が行きわたり、そして私が住んでいる近所の公立学校は1/3が中国人の児童だそうです。オーストラリアやカナダでは中国人児童がクラスの9割を占める地区もあるそうですが、もう身近でも三分の一ですよ、すごい比率です。
夜に自転車が広がって走っていくな、と思ったら、いろいろな国籍の外人だった光景もありました。群馬のブラジル人にしても、いつの間こっそり移民政策を採っていたのでしょうか、我が国は。とすら思います。
時代は想像以上に変わっています。
同じ日本人同士でも、攻撃的な人や、競争意識が高い人、あるいはいじわるな人、ずうずうしい人、世の中にはいろいろい人がいて、価値観が異なる中で社会で生きて、やり抜いていくということは大変なわけですが、
中国人とのマインド差はその比ではありません。
これからの子供達が大人になったとき、根底から感覚も価値観も異なり、そして競争心とハングリーさがある中国人と、この日本の中ですらも戦っていかねばならないと思うと、そこに一つこの先の大変さも感じます。日本で生きていても上司が中国人で当たり前、そんな時代も来そうです。
世界で最もSクラスや7シリーズ、あるいはベントレーに乗っているのも中国人な時代と言えそうです。

話しはそれましたが、Sクラスに戻って、
S550と比して基本装備や内装のマテリアルは若干落ちますが、それを加味してもこのショートボディのバランスは特出してよいと思います。
首都高のつなぎ目あるコーナーを極上の静音と滑らかさで走りつつ、そして太くてごつくて触り心地がこれまた抜群のハンドルを握りながら、強いボディ剛性と絶妙なバランスを感じ、最高に気持ちよいクルマでした。
ミッションとダンパーそれぞれに、コンフォートモード、スポーツモードが選べるのですが、
どちらのセッティングも文句のつけようがなく、絶妙です。
通常様々なメーカーや車種のスポーツモードは、日常標準設定としては使いにくいタイプが多いかと思いますが、S400のスポーツモードは日常標準として使える、十分心地よいながらレスポンスもいい味付けとなっていました。
S550は二重ガラスが標準で、S400では一枚ガラスですが、何ら問題ないというよりも、これで非常に静かです。
荒れた路面でもロードノイズもほとんど感じません。トンネルでも反響音が気になることもなく、終始十分に静かでした。
ダッシュボードに貼られたレザーもS550のほうがクオリティが高いですが、S400でも何ら問題ないレベルのレザー仕様です。
S400の後部座席は調整できないので、後部座席メインの場合はS550がよいのでしょう。

珍しいパラジウム・シルバーというボディカラーでした。
グレーに近い色で夜は鈍くて渋い艶やかさ。
珍しいカラーのため、ちょっと稀有なオーラも出ていました。

ハイブリッドは苦手ですが、総じてそれをも吹き飛ばす完成度を感じました。
それにしても
これに乗らなければよかったです。ボロ・ベンツが余計にボロく感じてしまいました。
猛暑でも風量1~2、温度22~24℃設定でも、寒いくらいに効くエアコンにもコストのかけ方が違うのを感じました。
激暑ではエアコンを強めにするケースが多いと思いますが、このエアコンから出る風の音って時には会話しにくいぐらいうるさいんだな、と気づかされました。
知らないほうがいいこともある。大人の鉄則を思い出しました。
現在市販されている世界最高のクルマ。その一台であることに間違いない完成度です。
中古で900万円前後からで、世界最高の完成度なクルマが手に入ります。
と考えると安い、とも言えそうです。
たまには違うクルマで、
ドライブへ行こう。
調べてみるとリチウムイオン電池を後方に配置したS400のボディバランスは51:49。
ここにボディ剛性、基本骨格の作りのよさ、が相まって、50:50の重量配分を持つBMWのそれとは方向性が違う、
けれど次元も違うハンドリングが完成したのだと思います。このクルマ、本当にびっくりしました。
クルマで10年以上ぶりに気分を高揚させてもらいました。クルマもカメラも作る人、会社すごい!