すっかりと秋の風情です。気が付けば九月も半ば。早くて怖くなります。
名古屋・
大阪・
千里川ドライブ、最終話です。
本当はまだ帰りたくない、久しぶりとなった往復1,000km超のロングドライブ。

「どうする広島あたりまでいっちゃう?」
「それは無理」
家人の一言により、先般の伊丹から東京へ一気に帰ることにしました。
いや実は深夜に高速道路を長距離運転する機会がめっきりなくなっていたのでワクワクする気持ちのほうが強くありました。真っ暗な高速をひた走る。ドライブ好きには悪くありません。釣りやらサーフィンなど特段の趣味もない私は夜はだいたい旅館か食事でいっぱいやるわけで、まさか年を重ねると夜のドライブがこんなに減るなんて若いころは想像もしていませんでした。
千里川土手でテンションがピークを迎え、世間様的にはさしたる写真を撮ったわけでもないのに、自己満足は峠を越えて何かをやり切った感に包まれながら、
まさか美人と出会うとは思いもよらない帰路になりました。

夕日が影を
広角の歪みのごとく伸ばしている中で、帰路の
新名神。やっぱりこの高速は雰囲気がなんともいえなくいい。そんな主観的な感想でハンドルを握りながら、
大阪王将も悪くない
吹田SAの、その名も
コバラスイタという、いかにも大阪なネーミングのお店でお持ち帰り焼きそばとたこ焼きを、このあたりを走りながら食べて帰っているわけですが、
これがまた美味しい。さすが大阪です。

行きは寄れなかった大好きな
新名神の上りSA・PAを全部制覇、と言っても二ヵ所のみなのですが、まずは
甲南PAによって、小山を登る。

次の同じく甲賀の里な
土山SAに着くころには日が沈み、ここも小山を入念に登って、まるで反抗期かのようにゆっくりゆっくり帰路につく。

すっかり日も落ちました。まだいます。
「あぁ~夏の終わりにこんな「氷」が入った写真がほしかったんだよ」と心のない会話をしつつ、シャッターも適当に押しながらさらに時間稼ぎ。焦る理由はなにもありません。とにかくゆっくり。そんなドライブも悪くありません。

まだいます。
近くに湘南ナンバーの消防車が止まっていました。なんらかの訓練に参加したようです。と、またこんな写真も撮って、無駄に時間稼ぎ。

だいぶ暗くなってきました。まだいます。
いや実はこの先で事故渋滞もあって、渋滞にはまるのが分かっているので必要以上にSAでのんびり。少しでも事故片付いてほしい、と懇願気味にそろそろ出発です。

SAに居過ぎて、残すはトイレを堪能するぐらいしかなくなりしかたなく出発し、渋滞に到達。
そんな道中はほとんど
半自動運転。渋滞も半自動運転が大活躍。
この技術は今後数年内に進化をしながら多くの車種へ装備されていくと思うわけですが、これはかなり事故が減るのではないか、と思います。
メルセデス・ベンツニューSクラスのインテリジェントドライブと名付けられたそれは、前方だけでも
ミリ波レーダー二種類、近・遠赤外線、ステレオカメラという5種の目で注視し、加えて超近距離は超音波センサーで周囲をモニターしながら、半自動運転を支えます。
追従型クルーズコントロール、あるいは対歩行者を含む自動ブレーキだけでなく、ハンドルもある程度操作をしてくれます。半自動の定義は、各メーカーによって日進月歩で変わっている中だと思いますが、
アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作をクルマがしてくれ、「運転者がほぼ座っているだけの状態を可能にする技術」からが一つ半自動運転と言えるのではないかと実感をしました。
ちなみにS400の場合は、ハイブリッドですから、加えてエンジンもONにしたり、OFFにしたり忙しそうにしているさなかで、ハンドルは動かしてくれて、アクセルもONにしたり、抜いたり、ブレーキもかけてくれて不思議な感覚です。加えてそれでもレーンを逸脱しそうなときはブレーキを調整してレーン内に戻す仕事をしてくれます。
さらにS550以上にオプションの
MBCまでつけると、サスペンションまで自動制御で上下に動かす仕事もしてくれ、もう至れり尽くせりになるわけです。知能を持ったクルマSクラス。メーカーが謳うほどのことはあります。インテリジェンスすぎます。

四日市まで続いた渋滞中、伊勢に行ってビジネスホテルにでも泊まって、翌日に
伊勢湾フェリーで三重から愛知県は伊良湖町へ渡って静岡経由で帰ろうか、と迷いながら、結局、木曽川を渡り
伊勢湾岸道、
湾岸長嶋のあたり。
半自動運転は自動車業界でもっともホットなテーマであり、各国の法規もある中、これから多くの車種に導入されていくわけですが、なんといっても特筆すべき安全性に加えて、疲労が桁違いに少ない。つまりは、人間の疲労が減ることにより、さらに安全な方向へはたらく技術であるといえます。イメージで言うと半自動運転があることにより、通常の運転と比べ
疲れが半減以下、
いや三分の一程度の疲労具合です。
半自動運転ができるなんてオーダーしたときは知りもせず、また興味もありませんでしたが、技術の進歩を実感するとクルマ好きの端くれとして
「将来は自動運転になったらつまらないな」と漠然と思っていましたが、180度考え方が変わりました。運転好きの私でも「これはいい」と思い、そしてますます「進化してほしい技術だ」と思いました。

このドライブコースも悪くない。どうしようか悩んだあげく新名神亀山JCTでハンドルを左にきって、東名阪の道を選んだわけですが、東京から大阪、または伊勢へ行くとき、あるいは逆行程にフェリーも楽しい思い出となります。
今回は夜の高速を長距離運転する楽しみをとったわけですが、年を重ねれば、まして日中は千里川で直射日光も浴び、強い日差しの中往復一時間もカメラを持ってヒイヒイし、朝は4時半から散歩も三回しているので眠気がきます。知らない間に旅の疲労も重なり、危険性も増していきます。そこでこれまた大活躍、半自動運転です。
疲労が大きいときほど、半自動運転のドライブアシストが心強く、頼もしくてたまりません。
もちろん過信は禁物ですが、集中力が落ちても安心してクルマに命を預けられる心象を持ちます。いや気は張って運転するのですが、ものすごい安心感をもたらしてくれる技術です。
信頼して命を預けられるクルマであり、技術である、という実感に至りました。

年間の総貨物取扱量は実は一位な
名古屋港のあたり。この道、この大橋梁、本当に立派です。A型の橋塔が三連続で続く
名港トリトン(名港東大橋、名港中央大橋、名港西大橋)。
半自動運転が2015年9月現在できる車種は、スバルのレヴォーグ、メルセデスベンツのCクラス、Sクラス、先ごろ新型が発売されたVW社のパサート・同ヴァリアントあたりです。ほかにもあるかもしれませんが。
来年発売される
メルセデスベンツEクラスはさらに進化するそうです。またトヨタやGMもここ1~2年で順次、半自動運転モデルを投入していくそうです。となればほぼ全メーカー投入してきそうです。
半自動運転は高速道路や幹線道路と相性がよく、Rがきついカーブや山道などコーナーの先が見えないところ、交差点はまだ対応できません。また至近距離の急な割り込みも対応できていない、と言って差し支えないでしょう。

トリプルA。
メルセデスベンツは市街地も含め100km、トヨタは首都高にて、それぞれ全自動運転のテストも成功させているとニュースで見たことがありますが、
将来は「ナビをセットすれば目的地へ自動で連れて行ってくれる」ところまで技術が進んでいきそうです。
ところで「半自動運転」という概念は非常に便利なものであると思います。事実上全自動運転が可能となってもだいぶしばらくの間は「半自動運転」という言葉が用いられると思います。要は運転者が事故責任を持つという建前を崩さず、新しい技術が想像以上に進化していくと思われます。
相当に技術が進み、歩行者との事故も減ったころ、それでも起こる事故が類型化され分析され、さらにその段になると、運転者あるいは所有者に重大な過失がなく、
それでも事故が起こるようなケースでは歩行者側に大きく過失を認めるような社会的変遷が起こっていき、技術的課題に大きく遅れて、法的課題がクリアされていくのではないかという予測を考えさせられる技術です。と、
マイキーが言ってました。

名港トリトン、全部のAを厳密に含めれば、トリプルどころではない。
そんなことを思っていると、小腹がすいてきました。

伊勢湾岸道を抜けて、

新東名に入り、トラックのブロックに合いながら、でも向こうは仕事だ、こっちは余興だ、どうぞどうぞ、と思いつつ、

ここでアンビエントライトをいろいろ試しているとあることに気が付きました。
(色彩)心理学の実験によると、同じ味でも黄色いカレーと青いカレーでは違う味に感じることもあり、
あるいは食品添加物の世界で有名な話としては
かき氷のシロップはほぼ全部同じ味で、色が異なるだけであり、
というように、思ってみれば色が人間に与える影響は大きいわけなので、
前はピンクやむらさきの使いどころが分からない、と思っていましたが、
色の効果を意識して色を選択すると、安全性を強化できることに気が付きました。
とくにロングドライブで、眠気が来れば冷静になる青にしたり、気分を高揚させて疲れを忘れさせたいときは赤にしたり、冬に青は寒すぎるので少し赤も入った紫が丁度いい、穏やかな気持ちになるためにピンクにしてみる、などこれも安全に向けて使える機能なんだと、メルセデスのすごいを思いました。

そんなことも考えつつ、心の中は関東系のしょうゆ色した温かい蕎麦で決まっています。さすがに醤油色のアンビエントライトは用意されていません。
コクもほしいのでたぬき蕎麦が食べたい、どうしても。
しかし久しぶりの深夜のドライブで忘れていました。新東名に過大な期待を寄せていたのかもしれません。ほとんどSA・PAのお店が閉まっているではありませんか。空いているところのメニューはうどんのみ。次のSAに行くことにしました。

掛川SA。

ここのSA内だけ霧が出ていました。まるで夢の中にいるかのような。そんなわけはないのですが、

う、ここも温かい蕎麦がない、次へ行こうかと思った瞬間。
たぬき蕎麦(温)の決心を変えて、かつ丼とうどんのセットにした、そのわけは、

これも美味しそうと思ったのもありますが、なんとこの
掛川SA上りのこのお店に、ものすごく美人がいるじゃありませんか。しかも深夜に。
いや、本当に可愛かった(家人共有済)。さっそくトラックのうんちゃんに口説かれていました。
口説かれていたその瞬間に奥でうどんを茹でていたおじさんのするどい眼光が光ったのを忘れられません。こんなに可愛いのに、夜の仕事もしないで、こんな深夜にうどん屋さんで働く。けなげさも男心をくすぐります。
心を鷲掴み。そういえばなぜか小3ではじめて買ったビジネス本のタイトルが「人心掌握術」(絶版)という本だったのを思い出しました。もしやあの子も読んだのかな。だとしたら性格は悪いかも、けど性格もよさそうと思いつつ、疲れも吹っ飛びました。話しを総合するとこの子は半自動運転よりすごい。

あの子のことを思い出しながら、他のSAもさらに寄って、可愛い子を探したけど、いない上に、掛川の子がダントツ可愛く、
清水PAは夜景も綺麗で、久しぶりの深夜高速ぶっ通しドライブを楽しみました。

安全なドライブをありがとう。おつかれさま、と声を掛け家に着きました。

往復1000キロ超のドライブ行程。また行きましょう。
次の買い替えは半自動運転付きにして、ナビに可愛い子がいるところをセットして
安全に
ドライブへ行こう。