
今日もいいお天気で、ドライブ、ミニ弄りに絶好の一日でしたね。
タペット音の大きいのがずっと気になってたので調整しました。
しかしタペット調整なんて四半世紀ぶりなような。(大汗)
覚えているか微妙に心配でしたが意外と忘れてないもんですね。
ところでタペット調整っていうより「バルブクリアランス調整」って言う方が自分的にはしっくりきます。だいたい「タペットってどれ?」って思いません?(笑)「カムとバルブの間に介在して隙間を調整する部品」を指すんだと思いますが、OHCで直動式だとシムですね。ミニみたいにOHVだとロッカーアームがそれに相当するんですが、「ロッカーアーム」って言う立な名前があるし。アジャスティングスクリューもしかり。ま、余談ですが。(笑)
では以下作業手順を。
①外さなくてもできますが、タイミングマークを見やすいのでまずグリルを外します。
②プラグを軽く緩めます。ゴミ入ったり、万一ネジとか落っことすと大事件なので外さない方がいいです。圧縮を抜くためなので緩めるだけで十分。
③シリンダヘッドカバーを外します。くっついてたらプラスチックや木ハンマーで軽くコンコンと。
④1番か4番を圧縮上死点に合わすべく、クランクシャフトを回します。一般的にはクランクプーリーにメガネレンチを掛けて回すんですが、ミニは全然届かないのでオルタネーターで回しちゃいます。

オルタだけカラ回りしちゃったので、ここでベルトの張りが緩いことに気付いてまず調整しました。
⑤クランクプーリーに1ヵ所キリ欠き(タイミングマーク)がありますので、それをブロックに付いてるギザギザ(タイミングスケール)の一番大きいトンガリに合わせます。だいたいでいいです。

これで1番か4番、
どちらかが『圧縮上死点』になりました。
⑥1番か4番、どっちかっていうのはディストリビューターキャップを外してローターの向きで見てもいいですが、ロッカーアームをカタカタさせて動く方が圧縮上死点、動かない方が排気上死点です。
≪点火順序について≫
ミニを始めとする4気筒エンジンは点火順序が①-③-④-②になってるのがほとんどだと思います。
これはクランクシャフトの捻れや熱、振動などができるだけ均等になるように、隣あったシリンダで連続して爆発することを嫌っているためです。でも4気筒では③-④と②-①と続いちゃうのは仕方ないですね。ちなみに直列6気筒は①-⑤-③-⑥-②-④(他のパターンもあります)なので連続するところがありません。
≪バルブの並びついて≫
ミニのエンジンはカウンターフロー(INとEXが同じ側にある)なので、画像のような並びになっています。
これも理由があって、キャブでガソリンを気化した混合気の霧化を促進するためにエキゾーストの熱でインテークを温めるようになっています。決してエキパイを1本ケチるためではありません。(笑)
一番が圧縮上死点にできたとして、このときにどのタペットを調整できるかですが、よく見かける4サイクルエンジンの4行程にシリンダー番号を割り振るとわかりやすいです。

1番が圧縮上死点のとき、1番の次に爆発する3番はそのひとつ手前の行程、吸入下死点です。同じように順番に見て行くと4番は排気上死点、2番は膨張下死点です。
タペット(バルブクリアランス)を調整できるのは閉まっているバルブ(正確にはカム山に掛かっていないバルブ)ですので、圧縮上死点の1番はEX、IN両方OK。2番は膨張下死点なので、EXは開きかかっているのでNG、INはOK。3番は吸入下死点なので、INはまだ開いておりNG、EXは閉まっていてOK。4番は排気上死点なのでどっちも開いて(オーバーラップ)いてNG。
整理すると、1番圧縮上死点で調整できるのは
1番 EX IN
2番 IN
3番 EX
となります。
もっと簡単にいうと、
バルブを1番シリンダー(向かって右)の方から数えて「1」「2」「3」「5」です。
同様に4番を圧縮上死点にしたときには、4番シリンダーから数えて「1」「2」「3」「5」。
理屈を覚えるのが苦手な向きには
「EX-IN-IN-EX」と「1-2-3-5」
を呪文のように覚えましょう。(笑)
ということで、やっと調整です。
⑦ロックナットを緩めてアジャスティングスクリューをマイナスで回してロッカーアームとバルブの隙間を加減します。

基準値は1000の場合、EX,IN共冷間で0.3mmとか。
0.3mmのシクネスゲージを入れてと。
えっ?、でんでんキツイやん。
あんなカチャカチャいうてたのになんで?
0.28でも窮屈。0.25の固い目くらい。
でも手でロッカーアームをカタカタすると明らかに0.4mm、もしかしたら0.5mmくらいある。
う~む。。。熟考。(笑)
ロッカーアームの当たり面が磨耗してる?

シクネスゲージを奥まで入れなければ0.3mmがスカスカに入る。奥まで入れようとするとキツイ。
なるほどね。
完全に0.3mmが通るように調整したら当たり面での隙間はもっと広いわけやね。
先っちょだけ入れて(なんかヒワイw)調整するのは難しいので、ほとんで手の感覚で0.3mm狙い。
普段0.05mm以下の公差を追いかける仕事してるのがこんなとこで役立つとは。(笑)
⑧ロックナットの締めを再確認。ヘッドカバー、プラグ、プラグコードを元に戻して完了です。
エンジン始動。
お、タペット音小さいやん~。(^^)
狭すぎるとスロー(アイドリング)でエンジンが振れやすいですがそれもなし。
とはいえ、大事なのは「温間」でのクリアランス。

暖機後一回り試運転してから再確認。
ほんのちょっと狭くなった?くらい。さっきのが0.3mmとしたら0.25mmになったくらいかな。

これなら大丈夫でしょう。
停止中、走行中とも明らかにエンジン静かになりました。メデタシメデタシ。
≪おまけ≫
ボンネットの補助ロックが塗装面に当たるのが気になってたので0.5mmのアルミをペタ。
長編にお付き合いありがとうございました。m(_ _)m