これから乗車する花蓮~台東は「花東線」と呼ばれ、日本統治時代にナローゲージで鉄道が引かれていました。
線路を改軌の上、近年まで非電化の単線だったのでのどかなローカル線のような雰囲気がありました。
今は電化されて一部が複線に改良されているとはいえ、車窓の美しさは変わりません。
また、この沿線には日本統治時代に開発された温泉が沢山あり、漢民族よりも昔から住んでいる先住民の方が多く住んでいるので、中華の文化とは違ったポリネシア系の民族文化が垣間見れる地域です。
旅の日程に相当な余裕があれば、この沿線の駅で途中下車してレンタルバイク等で温泉や先住民の民族村(観光客向けに開放されている所もあり)を見て周ると、台湾の奥深さを感じる事が出来るはずです。
およそ3時間ほどで台東駅に到着。
この駅の放送は台湾の駅でよく流れる「中国語(台湾式)」「客家語」「台湾語」「英語」に続いて先住民の言語である「アミ語」が流れる事があります。
台東は先ほど乗り換えで下車した花蓮よりもさらに田舎(失礼)ですが、のんびりした南国の地方都市の雰囲気があり、特産のフルーツ「釈迦頭」の産地です。
近くには日本統治時代に大規模開発された温泉地「知本温泉」(硫黄の源泉)があり、今は台湾の方の間で人気のリゾート地となっています。
私も始めて台湾に来た時に知本温泉に泊まりましたが、個人的には大都会の台北よりも自然豊かでゆっくりした時間が流れる知本温泉周辺で過ごす方が好きです。
今回は時間の関係で乗り換え時間の合間に駅周辺を見る事しか出来ないので、簡単に写真だけ載せておきます。
ここは台東の市街地からやや離れているので、市の中心部に行くにはバスかタクシーを使うしかありません。
駅前には日本の地方の新幹線駅のようにレンタカーの店がいくつかあります。
因みに日本人が台湾のレンタカーを運転するには「国際免許」が通用しないのですが、JAFの支部で中国語の翻訳文を発行してもらうと、台湾で法的に運転する事ができます!!
何度か台湾に来て、現地の運転事情を把握した方ならレンタカーで観光名所を回るのも良いでしょう。
台東駅も以前に比べて大幅なリニューアルが行われて、先ほどの花蓮市と同様に観光開発を進めていると思います。
再び空腹になり、駅弁を買って食べてしまいました(笑
約1時間の乗り換え待ちで今回の目的である列車「普快車」に乗車します。
日本と同じ(一部はそれ以上)レベルまで近代化された台湾の鉄道の中で、最後となった非冷房の旧型客車列車です。
15年くらい前から日本の鉄道雑誌などで度々取り上げられるようになり、最近はSNSの普及で日本の鉄道マニア以外からも注目される人気列車となってしまいました。
なので場合によっては非常に混雑してしまいますし、ローカル列車なのに日本人が絶対に乗っているという有様です。
客車の色が日本の国鉄12系などを彷彿させ、車体の形状も旧型客車そのものです。
牽引する機関車はアメリカのGM社製のR100形電気式ディーゼル機関車。
まるでアメリカの大陸横断鉄道のようですが、意外にも素朴な青い旧型客車と似合っています。
車内が混雑していたので車内の写真は撮れませんでしたが、座席はビニール貼りのセミクロスシートです。
何とか1ボックス確保出来たものの、海側の座席が全て埋まってしまい山側の席で窓を全開にして風を浴びます。
この列車は写真で見る分には素朴な日本の旧型客車を彷彿させるので、のんびりと走るイメージになってしまいますが、実際にはかなりヘビーな乗り味です。
機関車のエンジン音が鉄道マニアですら失神するくらい凄まじく、ユーチューブでも音は聞けますが実際には音というより衝撃波となって、機関車次位の客車に乗った乗客に襲い掛かります。
特にトンネルに入ると耳を塞がないと耐えられないくらいの衝撃波と共に、窓から侵入してくる風圧と相まって、列車と言うより絶叫マシーンそのものです。
なので心臓の弱い方や体調のすぐれない方は最後尾の車両に居た方が良いです。
非冷房なので非常に暑く、乗車前にドリンクを購入しておかないと熱中症の可能性もあります。
それを我慢すると普快車=不快車でなく「愉快車」となって、鉄道マニアにはたまらない旧型客車の旅情が味わえます。
客車列車なのでブレーキをかけると「ガクン」と機関車側にぶつかる感覚があり、床下からブレーキエアの抜ける音が聞こえます。
殆どの乗客が窓を全開にしてカメラで撮影し続けている状態です(つまり乗り鉄目当ての観光客しか乗っていない)。
この日も20人くらいの日本人が乗っており、時折笑い声が聞こえます。
私もデジカメで動画撮影を試みましたが、風きり音が入ってしまい機関車からの爆音を拾う事は出来ませんでした。
何故かスマホで撮影した方がよく撮れていました。
列車は台湾山脈を横断する長大トンネルを通過すると信号所に停車。
山を降りると今度は東シナ海が見えます。
台湾の南を走る「南廻線」の車窓は日本と似ていながらも南国の植物が目立ち、何度乗っても飽きる事はありません。
終点坊寮駅に到着。
名残惜しいですが、普快車の旅はここでおしまい。
この後、4分後に高雄方面への特急列車が来るので、急いで乗り換えます(これを逃すと2時間ロスしてしまいます)。
やってきたディーゼル特急は運良く座れました(デジカメで車窓動画を撮影しています)。
この後は高雄の宿にチェックインして夜市へ繰り出すのですが、長くなるのでここで区切らせて頂きます。
ホテルの窓からは台北駅舎が見えます。
7年ぶりではありますが、馴染んでしまった街なので、全く緊張感は無くワクワクします。
少し早起きして台北市内を散歩します。
初めて台湾に来た方に、見てほしいのが台北駅から歩いて行ける「二二八和平公園」。
今は楽しい国である台湾ですが、1945年までは日本の統治下でありました。
その後日本が戦争に敗北して、台湾は中国へ復帰となった際に起きた大規模な民衆デモがあり、その悲しい歴史を少しだけでも知っておく必要があるからです。
日本統治時代に建てられた総督府。一部工事中なのが残念ですが、この建物を竣工させた当時の日本人はどのような思いで、眺めていたのでしょうか?
台北駅からMRTでも高鉄(新幹線)でもない、台湾国鉄の改札に入ります。
ホーム(月台=ユエタイと発音します)は地下二階にあります。
AM9:20発の台湾鉄道の特急電車「太魯閣号」で花蓮へ。
鉄道に詳しい方ならピンと来るかもしれないですが、この電車はJR九州の885系と共通設計の日本製振り子式電車で、台湾鉄道の中でもかなり速い速度で走ります。
モーターの音等は日本の電車と殆ど同じですが、振子式で速度が速いので結構揺れます。
なので車窓を撮ろうとしても、揺れでうまくいかない場合が多いのが難点(汗
台湾の東側は殆どが山地となっており、近年まで開発が盛んではなかった事もあるので、自然が多く残っています。
道路は日本と違って右側通行ですが、信号機や道路標識、ガードレール等が日本と似ているので、日本の地方を旅しているような錯覚に陥る事があります。
「異国情緒が感じられない」と言う方も居ますが、これだけ日本に似ている国も珍しく、日本人旅行者としては安心感を感じるのではないでしょうか?
沿線の様子を注意して見ているとレジャーに向かうクルマが多く、サイクリングしているグループが居たりと、ライフスタイルも日本と近いと感じられます。
宜蘭を過ぎると、さらに田舎になり特急や急行列車はそれなりに本数がありますが、各駅停車タイプの電車の本数は大幅に減ります(この辺は日本の鉄道事情と似ているものがあります)。
随分と綺麗になった駅の地下道。
ここは日本統治時代に東側の開発拠点となった中規模な街で、台湾の先住民がこの土地を「カリンコ」と読んでいたのを日本統治時代に「花蓮港」と当てはめた由来があります(今は中国語で「ホワーリェン」と発音します)。
名前の響きのように、非常に美しいイメージの街です。
今は周辺で採掘される大理石の産地として、景勝地である太魯閣渓谷などの観光の拠点となっています。
私が始めて来た時から観光客の姿が多かったのですが、今は外国人観光客(日本でいうインバウンド)の受け入れに力を入れており、一部が工事中ではあるものの駅舎が非常にキレイになりました。
駅前の雰囲気も日本の観光地の駅と似ており、観光バスやタクシーが沢山やってきて賑わいます。
反対の西口には古い駅舎が残ります。
駅前には土産屋やレンタルバイクの店が多いのも日本と同じ印象ですが、台湾の観光地の方が活気がありますね。
駅前で見かけた日本には無い仕様の日本車(頭がSUVで後ろがミニバンな三菱車)。
駅前から太魯閣渓谷のある山を望む。
駅の連絡橋。
案内板は中国語で書かれていますが、日本の新しい駅とそっくりです。
旅行の日程に余裕があれば、ここに一泊して周辺を観光する事をお勧めします。
これから台東まで特急列車に乗る前に駅弁を買います(海外では唯一かもしれない鉄道駅の駅弁)。
ホームに停まっていたアメリカGM社製のR150電気式ディーゼル機関車。
これは日本では見かけないので、鉄道ファンとしてはテンションが上がりますね。
台東まで乗るのは「自強号」というディーゼル特急(DR2800形)で、9両も繋がっています!!
日本の東急車両製ですが、エンジンはカミンズ製で最高速度は110km/hです。
ここから台東までも既に電化されているものの、運用の都合で架線下気動車として電化区間のみを走っています。
ステンレス製ロングシートなので鉄道マニアからは「台湾の701系」と呼ばれて、あまり好まれる存在ではなかったのですが、台北近郊から新型電車に追い出され、地方の運用として細々使われている状態になりました。
日本の鉄道と非常に似てはいるものの、所々の違いがあって楽しいのが台湾の鉄道旅。
この後は台東経由で高雄まで行きますが、長くなるので一旦区切ります。
海外旅行は7年ぶりな上に、飛行機に乗る事も一昨年の北海道へ行く時以来なので、搭乗手続きが変わっている部分が多く戸惑いました。
今は日本を出国する際に顔認証システムが使われており、一昔前とは全く違います。
他の国に入国する際の「入国審査」も機内で配られる入国カードに記入する方式に加えて、ネットのオンラインで必要事項を入力して送信すれば手間が大幅に省けます(台湾以外の国は出来ないかもしれません)。
久しぶりに乗った国際便、国内便と違って機内食が提供されます(これが非常に食べにくいが、密かな楽しみです)。
成田を飛び立って3時間あまり、台湾の桃園空港(台湾の首都「台北市」から40kmほど離れている)に着陸しました。
一番の難関が現地への入国審査のゲートです。
真面目に必要事項を守れば大丈夫ですが、到着の時間帯によっては、自分達が乗った便以外の国際便の到着が重なると非常に混雑して、かなり待たされて大幅な時間ロスになります。
なので飛行機を降りたら「台湾に着いた~」と浮かれてのんびり歩いていると、入国審査の時の列が凄い事になってしまいますので、可能な限り急ぎ足で「入境検査」と書かれた案内を目指して、ゲートでは「外国人」の所に並びましょう。
自分の番に周ってきたら入国審査の方にパスポートと航空券、入国カードを渡します(ネットで入国手続きした方は「オンライン」と申しましょう)。
2019年7月の時は、指紋認証の機械に両手の人差し指を当ててカメラをしっかり見つめてパスポートの顔写真を一致している事が確認されると入国終了です!!
入国審査を通ってしまえば、帰国まで自由の身になります。
台湾はどこかの国のように、普通に観光で撮影しているだけで警察(公安)に拘束される事はありません。
自由になれるとは言え、個人旅行の場合は旅の最中の事故や怪我などのトラブルは自己責任(海外旅行保険に加入しても)ですので、自由資本主義の台湾でも最低限の注意は払いましょう。
入国してから日本円を台湾ドル(NTD・・・現地の一般人の間では「元」と表現されています)に両替し、台北へ向かう為に桃園MRT(空港アクセス鉄道)に乗ります。
この電車も含めて、台湾国内の公共交通機関には日本の「Suica」「Pasumo」等にあたる悠遊カードを購入して使うと非常に便利です。
桃園MRTで台北駅に到着して、今夜のホテルへ。
7年ぶりとは言え、何度も歩いた台北駅周辺の記憶がよみがえってきてホテルまで地図もアプリも見ないで行く事ができました。
個人的に台北で駅から近くて安心して泊まれると感じたのが「YMCAホテル」。
日本人がよく泊まるので、フロントは日本語が通じます。
到着した時間は23時を回っており、アジアの不夜城「台北」とはいえ多くの店が閉まっています。
近くのコンビニで日本と同じようにビールやおつまみを買って寝ました。
明日は列車で南へ行きます!!
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