思ったが、映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』を観てきました。

ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあったフローレンス・フォスター・
ジェンキンスをモデルにした映画。絶望的な音痴であるにもかかわらずソプラノ
歌手になる夢を追う彼女と、それをかなえようと奮闘する夫の姿を描く実在の話。
音痴なヒロイン役はメリル・ストリープ この役作りのためオペラの歌唱法を数カ月
練習し最後の2週間は音程を外して歌唱する練習を積んだと云う。ミュージカル
『マンマ・ミーア!』では華麗な美声を披露していたメリル・ストリープだが、この作品
では今なお伝説として語り継がれる“最低の歌姫”を見事に演じていました。
夫役のヒュー・グラントとの息もぴったり、伴奏ピアニスト役のサイモン・ヘルバークの
演技にも好感が持てた。『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディが思い浮かんだ
のは私だけだろうか。
コメディと言うよりか笑いと感動の夫婦愛のヒューマン・ドラマ、思ったよりイイ作品でした。

https://www.theguardian.com/music/musicblog/2016/may/17/watch-aida-garifullina-perform-the-bell-song-from-florence-foster-jenkins
出演者が当時の実名であることも驚き、マエストロトスカニーニ、ソプラノ歌手
リリー・ポンスなどが登場していました。リリー・ポンス役はロシア出身のソプラノ
歌手アイーダ・ガリフッリーナです。
メリル・ストリープも好きな役者だが、このロシアン・ディーヴァの歌声が聴きたくて
映画館へ脚を運んだ訳でもあります。映画の中ではドリーヴ作曲『ラクメ』の
”鐘の歌”を披露していますが、この歌はコロラトゥーラの技巧的オペラアリアです。
アイーダ・ガリフッリーナは、2013年プラシド・ドミンゴが主宰する若手声楽家の
登竜門「オペラリア」で優勝、その後数々のオペラ公演ではドミトリー・ホロストフ
スキーやファン・ディエゴ・フローレスなどの大物歌手と共演するなど実力派の
ソプラノ歌手です。
2015年には舞踏会で有名なウイーンのオペラボールでグノーの歌劇「ロメオと
ジュリエット」のアリアを熱唱し世界中を魅了し、今年はパリ祭コンサートでも
グノ―」のアリアと「椿姫」の二重唱をフローレスと歌っていました。
現在、ウイーン国立歌劇場の歌手として活躍中ですが、所属するDECCA
レーベルからはまだこの映画のサウンドトラックのCDしか発売されていない。
デビューCDのリリースが待ち遠しいが、当分は
動画サイト で聴くしかありません。
Posted at 2016/12/17 22:16:43 | |
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