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2017年09月02日 イイね!

上電のレール 大胡駅編

先月27日、上電大胡電車庫で開催された上電のイベントへ行ってきました。

大胡駅前の駐車場は混雑していそうなので、粕川駅の上電利用者駐車場へ
車を停めて、中央前橋行きの電車を待ちます。

とてもレトロなチョコレート色の電車がやってきました。この日は1928(昭和3)年
製造、今も現役の電車「デハ101」の臨時運行が行われました。

パンタが懸命に架線を押し上げているその姿は、御年89年とは思えない走る近代
産業遺産です。今ちゃんと走るデハ100は上電のこの電車だけだそうです。





車内はこれまたレトロです。木製の床からは吊り掛けモーターのウイーンと唸る
音と心地よい振動が楽しめます。


イベント会場の上毛電鉄大胡電車庫です。






何度も訪れているイベントですが、動態保存の凸型電気機関車 ”デキ3021” 
などの車両展示の他にも、鉄道放出廃品はないかなとかレールの穴開け体験など
も楽しみでした。




東武鉄道野田線の七光台車庫で非常用機材の倉庫として余生を送っていた鉄製
有蓋貨車“テ241”は1928(昭和3)年日本車輌製、 デキ3021と同じく動態保存
目的で譲渡され上毛電鉄へやってきました。

昭和3年電鉄開業時からの歴史を感じさせるこの木造トラス構造の電車庫には、貴重
なレールが残されています。上毛線本線は一般的な50㎏Nレールが使われています
が、電車庫の側線レールには今も開業当時のレールがそのまま保存されています。
車で云えば動態保存の状態であり、歴史的にも貴重な珍しいレールです。

○にSマークが刻印されたこのレールは官営八幡製鐵所で1928年に製造された
レールです。


こちらは官営八幡製鐵所の設立及び操業の技術指導にあたったドイツのグーテ
ホフヌングスヒュッテ(GHH)社の1927年製60ポンドレールです。







普段間近で見る事が出来ないレールのクロッシング部などを眺めるのは、鉄道車両
とはまた違った鉄道の楽しみ方でもある。線路の分岐器(ポイント)の先端のトング
レールが当時の手作業で削り出した仕上がりを眺めてるだけでも感動します。


今でははほとんど見かけなくなったダルマ転轍機も現役です。


電車庫のレールは官営八幡製鐵所製とGHHの2種類だと思っていたら、
この日一本見慣れぬロールマークのレールを見つけました。


R △ PROVIDENCE TB 60 LBS IX 1924

ポイントのリードレール(トングレールに繋がるレール)に使用されていたこのレールは、
ベルギーのPROVIDENCE社製レールです。 ロールマークから1924年9月製造の
60ポンドレールらしい。60ポンドレールは当時の単位重量30kgレールと互換性が
あるというか、初期の国産レールは米国土木学会(ASCE)が定めた規格に準じて製造
されていました。

社名の前に ”三角の中にだ円” マークは『プロビデンスの目』を表しているのでしょう。

プロビデンスとは、キリスト教では『摂理』を意味し、この世の出来事がすべて神の予見
と配慮に従って起こるされる教義の概念です。よく父と子と聖霊の三位一体を表す
形として「三角形」に目玉を組み合わされ図案化されることがあります。フリーメイソン
のシンボルであったり、絵画にも、


でもいちばん馴染み深いのが米国1ドル紙幣裏の合衆国の国章でしょうね。



大胡電車庫内にもすごいお宝レールがあります。

木造トラス構造を有する二連の電車庫は、軒を下屋ががっちり支えた構造になって
いて、下屋にある工作室に設置されたホイストクレーンの吊りビームと支柱に古い
レールが使われている。

КЖД 1896 VI. H.A.Д. ЕЖД ЗAB.Б.Г.O

使用レールについて解説されているパネルによると、
このレールは、120年前の1896年ロシア帝国で製造され、ロシアが中国(清国)東北
部に建設した東清鉄道に敷設したレールだそうです。その後の1932年に満州国が設立
され東清鉄道はロシアから満州国に売却されて南満州鉄道の路線となり、ロシア鉄道の
広軌(1520mm)から南満州鉄道で採用されていた標準軌(1435mm)に改軌され、
取り外されたレールが日本に持ち込まれたらしいという。

いわば戦利品であるこのレールが、どうやってはるばる上電にやって来たのか。歴史的
な背景等を想像するのもレールファンにとっては堪らないことです。このレール以外にも、
大胡駅のプラットホームにも同じく東清鉄道(К.В.Ж.Д.)で使われていた1904製の
ロシア製レールが待合室の支柱として使われていたりしている。



キリル文字は解らないのですが、А.Ю.Р.З.Б.О.  1904г V К.В.Ж.Д
VI 1904 СТАЛЬ К.В.Ж.Д らしい陽刻が、



1ドル紙幣を手にとってあの目玉は何の意味があるのか、とても疑問に思っていましたが
アメリカ合衆国の国章であると知ったのは最近だった。宗教は異なりますがチベット仏教
寺院の仏塔には大きな『ブッタの智慧の目』が描かれています。森羅万象あまねく世界の
すべてを見通してくれる仏さまの眼差しです。

私のノートにも似たような、
パッと開いたら傍にいる人をビックリさせてしまうかもしれません。






Posted at 2017/09/02 22:58:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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何シテル?   11/05 23:43
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