『バロック音楽のたのしみ』という番組が昔朝のNHK-FM放送でオンエアされて
いた。朝の慌ただしい時間に一服の清涼剤のようなこの番組を聴くのが楽しみ
でした。解説者の皆川達夫氏がソフトな語り口でバロック音楽の楽曲をわかり
易く紹介してくれたのがとても印象に残っています。
番組のタイトル曲はヴィヴァルディ(のちにシェドヴィルと云う作曲家の曲だった
ようです)のソナタ集《忠実な羊飼い》の第2番でした。演奏者が誰かわからない
がフルートの調べがとても心地よかった。当時買ったこのソナタ集のレコードでは、
オーボエ、フラウト・トラヴェルソ、ドレーライヤーによる演奏でした。
 
70年代のArchiv盤です。久しぶりに聴いてみた。ドレーライヤー(機械仕掛けの
弦楽器)の音色ががなんとも牧歌的、セミの鳴き声のように耳に残るのには
参った。
 
聴くのも好きだったし自分でも演奏したくて始めたのもリコーダーだった。
まあ初めて手にした楽器はハーモニカかスペリオパイプの世代でしたから、
当時はリコーダーといえば名手フランス・ブリュッヘンの演奏がお気に入り
だった。バッハのブランデンブルク協のNr.4やテレマン、ヴィヴァルディをよく
聴いていた。
 
リコーダーの演奏で最近良く聴くのが、Musica Pacifica,ムジカ・パシフィカ という
サンフランシスコを拠点として活動しているバロック・アンサンブルです。初めて聴い
たのは2007年頃、WGBHというボストンの公共放送のポッドキャストだった。
リコーダー奏者はジュディス・リーゼンバーグさん、バロック・ヴァイオリンのエリザベス・
ブルーメンストックさんなど名手ぞろいでヨーロッパのアンサンブルとは一味違った
演奏を聴かせてくれます。
Musica PacificaさんのYoutube チャンネルです 
エリザベス・ブルーメンストック(Elizabeth Blumenstock)さんは、Musica Pacificaの
他にもフィルハーモニア・バロック・オーケストラやアメリカン・バッハ・ソロイスツの
コンサートマスター、ソリストとして活躍中です。ドイツ・ゲッティンゲンで毎年開催
される国際ヘンデル音楽祭でも祝祭管のコンサート・マスターとして活躍されています。
ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム HWV258
VIDEO 
ローランス・カミングス指揮 the NDR Chor and the FestspielOrchester Göttingen,
 
Mi palpita il cor: Baroque Passions
Musica Pacifica
最近購入したMusica PacificaのCDは、YouTubeで以前から共演する動画が
公開されていたソプラノ歌手ドミニク・ラべルさんのヘンデル、テレマンなどのバロック・
カンタータ集です。ルネサンス、バロックのアリアを得意とするドミニク・ラべルさんの
澄んだ歌声がとてもいい。
エリザベス・ブルーメンストックとドミニク・ラベルの二人が共演する動画がYoutubeに
アップされています。ピリオド楽器によるアンサンブル「ヴォイセス・オブ・ミュージック」の
ペルゴレージ《スターバト・マーテル》です。
VIDEO 
数ある宗教曲のなかでも最も美しいのがこのペルゴレージの《スターバト・マーテル》
だと思う。第1曲「たたずめる御母は悲しめり」から メゾ・ソプラノのメグ・ブラグルと
息のあったハーモニーは何度聴いても感動してしまう。全曲の動画もあります。
ペルゴレージ《スターバト・マーテル》全曲
VIDEO 
CDがリリースされていないのが残念です。
レジーネヴァ,カウンター・テナー、ジャルスキー/ミンコフスキ―盤も所有しており、
あちらも完成度の高い演奏だが、どっちかと云うとカウンターテナーよりメゾソプラノの
ほうが聴きやすいかな。
「スターバト・マーテル,嘆きの聖母」という曲は、ペルゴレージに限らずハイドンや
ヴィヴァルディのも大好きでして、「スタバ」と聞くとあのコーヒーショップでなくて
「スターバト・マーテル」が脳裏に浮かぶ変わり者です。
 
				  Posted at 2018/12/23 12:30:14 |  | 
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